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テロと報道されているものごと

2010年2月 7日 (日)

デンマーク漫画家襲撃に関する、うやむやのままの疑問

Stefan Steinberg

2010年1月8日

クリスマス当日の、デトロイトにおけるノースウエスト航空253便の旅客機爆破未遂からわずか数日後、1月早々、ソマリア人の男によって遂行された、デンマーク人漫画家クルト・ヴェスタゴーへの襲撃は、反イスラム感情を復活させ、強化し、同時に、アメリカが率いる“対テロ戦争”への支持をかき立てるため、ヨーロッパ・マスコミや政界の一部によって、意図的に利用された。

実際、デトロイトでの最近の出来事と、ヴェスタゴー襲撃を比較する本当の根拠があるのだ。テロ集団とつながりがあることが分かっていたナイジェリア人の若者が、いかにして、見つかりもせず、地球半分の距離を飛ぶのに成功し、更にデトロイト上空で、飛行機を爆破しようとしたかに関するアメリカの公式説明は、ほとんど信じがたい。また、デンマーク人漫画家襲撃の場合も、同様に、甚だしい矛盾が明らかとなり、デンマーク当局と諜報機関が提示している出来事の説明に、疑念を投げかけている。

1月1日、デンマーク在留許可を持ったソマリア人が、コペンハーゲン北西200キロの、デンマーク第二の都市オーフスにあるデンマーク人漫画家クルト・ヴェスタゴーの家に、押し入った。後にモハメッド・ムヒディーン・ジェレと判明したソマリア人の男は、斧を振り回し、特別に作った避難部屋に逃げ、警察に通報した、ヴェスタゴーを殺害する意図を公言したとされている。警察は、ジェレを逮捕する前に、彼の手と膝を射撃した。

ヴェスタゴーは、2006年、イスラム教徒に対し、極めて侮辱的なやり方で預言者マホメットの漫画を描いた12人のデンマーク人画家の一人として有名になった。ヴェスタゴーの漫画は、最も挑発的な作品の一つで、ダイナマイトの棒をターバンに挿したマホメットを描いていた。つまりイスラム教信仰の中心人物を、露骨にテロリストとして描き出していたのだ。漫画はデンマークの日刊紙ユランズ・ポステンに掲載され、“言論の自由”という名目で、ヨーロッパ中の新聞に転載された。実際は、ユランズ・ポステンの漫画を巡るキャンペーンは、当初から“言論の自由”とは無関係で、公然と反イスラム教であるデンマーク人民党を含め、右翼ネオ-リベラル派と保守派の連立である、デンマーク政府の極右政治的指針との関係の方が遥かに強いのだ。

この反イスラム教挑発は、外国人嫌いの感情を煽るため、右翼勢力によって、ヨーロッパ中で企てられた。このキャンペーンの狙いと背景については、WSWS上で既に詳細に論じた (“デンマークとユランズ・ポステン:挑発の背景”を参照)。漫画の掲載と、彼を殺害するという多数の脅迫の後、ヴェスタゴーには、厳重な警察の警備がつけられた。

ヴェスタゴー襲撃の後、モハメッド・ムヒディーン・ジェレは、デンマーク治安当局には、良く知られていたことが、明かになった。彼がデンマークの荒廃したアパートに暮らしており、結婚していて、子供が三人いるという事実にもかかわらず、ジェレは、一連の海外旅行をするのに、金回りは十分だった。昨年夏、ケニヤ警察が、ジェレは、ケニヤのテロ要注意人物リストに載っている他の容疑者と付き合っていると見た後、彼はナイロビで、当局に拘留された。彼は7月30日に逮捕され、8月12日に釈放された。

デンマークの新聞ポリティケンによると、ソマリア人と他の四人の容疑者が、バス停留所と、アメリカ国務長官ヒラリー・クリントンが、アフリカ開発に関する会議に参加していたホテル・インターコンチネンタルを含む、ナイロビの二軒のホテルに対するテロ攻撃を実行する計画に関与していたとケニヤ警察が語ったことになっている。

ジェレが釈放された後、ケニヤ対テロ警察のトップ、ニコラス・カムウェンデは、ケニヤ当局は、ジェレにまつわる“諜報情報”をデンマーク大使館に渡していたと発表した。「我々は‘彼は危険人物ですよ’と彼等に言いましたが、彼らの反応は否定的でした」カムウェンデ総監は、インタビューでそう語った。ジェレの正体や、アメリカ国務長官の命を脅かす陰謀への彼の関与について、アメリカの諜報機関が、ケニヤや、デンマークの諜報機関から、情報を知らされていなかったとは信じがたい。

1月のヴェスタゴー襲撃後の、最初の発表では、デンマーク諜報機関(PET)の長官ヤコブ・シャーフは、ジェレが、実際、彼が統括する諜報機関によって、監視されていたことを認めたのだ。

PETの発表は、ヴェスタゴー氏“暗殺の企み”は“テロに関連しており”、PETはソマリア人の襲撃者は「ソマリアのテロ組織アル・シャバブや、東アフリカのアルカイダの指導者達と緊密な関係をもっており」…「東アフリカ滞在中、テロに関連した活動に関与した嫌疑もかけられている。」という情報を持っていたと言っている。

最新の展開として、ジェレの元妻は、ユランズ・ポステン紙に、2006年に、PETが、彼女の夫を、密告者として採用しようとしたと語っている。PET当局は、新聞報道を否定することは避けており、単に、諜報機関が「当局にとって興味深い個人と面談するのは」ごく当然のことだと言明している。

デンマーク治安当局を擁護するマスコミは、諜報収集の落ち度と、“個別の事実を結びつけて、全体像を描き損ねたこと”を理由にして、ヴェスタゴー攻撃について言い逃れをしようとしているが、起きたことに関する公式説明は、信憑性を全く損なうものだ。近年、デンマーク政府は、出入国管理に変更を施しており、今や全ヨーロッパ中でも、最も制限の厳しいものの一つとなっている。にもかかわらず、テロリストとかなりの接触があるとされていて、デンマーク諜報機関当局の監視下にあった男が、アフリカとヨーロッパ間を自由に移動できていて、やがて、デンマークで、最も厳重に警備されている人物への攻撃を遂行したというのを、我々は信じるよう期待されているのだ。

ジェレと、デンマーク治安当局との関係の実態を巡って、一連の疑惑が生じるが、ヴェスタゴー襲撃が、“対テロ戦争”用に新たな戦線を開くのを正当化するため、反イスラム感情をかき立て、ヒステリーの雰囲気を生み出すべく、右翼政治勢力に、またもや利用されているのは明かだ。

案の定、イギリスのタイムズやデーリー・メールといった保守派の新聞は、ヴェスタゴー襲撃を、イスラム教徒に対する新たな政治攻勢を呼びかけるのに利用した。ドイツでは、猛烈な親イスラエル派の作家ヘンリック・M・ブロデルが、デア・シュピーゲルに、“恐怖で窒息させられる西欧”と題する、ヴェスタゴー襲撃についての解説を書いた。論説で、ブロデルは、モハメッドの漫画が最初に掲載されて以来、イスラム教徒に連帯の意を表してきた人々全員を激烈に糾弾した。

多数の新聞解説記事も、“対テロ戦争”拡大を主張する目的で、ヴェスタゴー襲撃を、ノースウエスト253便の爆破未遂と結びつけていた。

有力なドイツ週刊誌ディー・ツァイトの、“典型的なドイツ風議論”と題する記事の中で、筆者のフランク・イェンセンは、デトロイト爆破未遂事件と、ヴェスタゴー襲撃の結果を巡る議論を、空港に人体X線透視装置を設置する事の是非にとどめおいては不十分だと主張している。イェンセンは、そうではなく、国内で過激派イスラム教徒と戦う対策に加え、ドイツは、海外でテロと戦う上で、より積極的な役割を演じなければならないと結論づけている。「連邦政府は、海外における対テロ戦争の努力も大幅に拡大する必要は、避けられまい」イェンセンはこう書いている。「特に、アルカイダと、その関連組織がある破綻国家に対する態度を。」

ヨーロッパによる、アフガニスタンにおける軍事的関与を増すようにという、アメリカの圧力が高まる中、ヴェスタゴー襲撃は、デトロイトの飛行機爆破未遂事件とともに、軍国主義に対して、大きく広がった大衆の反対を挫折させ、ヨーロッパ諸国が“対テロ戦争”に対する関与を大幅に強化する条件を生み出すため、意図的に利用されているのだ。

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2010/jan2010/denm-j08.shtml

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「週刊朝日」2009年10月30日号に、未解決事件の特集があった。イスラム法学者により、作者サルマン・ラシュデイを処刑しろという命令が出ていた「小説『悪魔の詩』を翻訳したのが理由で、訳者がイスラム過激派に暗殺されたことになっている」事件の記事もあった。

警察から返却された遺品の写真や、ご夫人とご子息に関する記事があった。アメリカのイラン専門家が書いた「ザ・パージァン・パズル」という本の中で、著者は「イスラム教徒による暗殺だ」といっている、というような受け売りの文章もあった。

最近またMookで、同じような本が朝日から刊行された。デンマーク事件から二週間もしない日付。2010/1/12。未解決事件ファイル 真犯人に告ぐ (週刊朝日MOOK)

見出しは昨年末の記事に良く似ていた。さほど時期をおかずに本を出すのだから、mookには、多少は詳しい記事があるかと買いにでかけた。残念ながら、内容にほとんど差がないようなので購入はやめた。週刊誌とうに処分済ゆえ、記憶の中での比較に過ぎない。以下は、Wikipediaを参考にした、超要約。

1989年2月14日 イランの最高指導者アヤトラ・ホメイニーにより、著者サルマン・ルシュディー、及び発行に関わった者などに対する死刑宣告が言い渡され、ルシュディーはイギリス警察に厳重に保護された。死刑宣告はイスラム法の解釈であるファトワー(fatwa)として宣告された。

1989年6月3日 心臓発作のためホメイニー死去。ファトワーの撤回は行われなかった。ファトワーは発した本人以外は撤回できないので、撤回することはできなくなった。

『悪魔の詩』日本語翻訳版、上・下は、1990年2月刊。
イスラーム・ラディカリズム : 私はなぜ「悪魔の詩」を訳したか 法蔵館、1990年刊
中東ハンパが日本を滅ぼす: アラブは要るが、アブラは要らぬ 徳間書店, 1991年6月刊
暗殺が起きたのは、1991年7月11日

週刊誌記事では、事件の一月前に出された著書『中東ハンパが日本を滅ぼす』については一切触れられていない。小沢幹事長が宗主国に莫大な戦争資金を献上した第一次「湾岸戦争には、金も軍隊も出す必要はなかった」という本。巨大オンライン書店ウェブには、五つ星の書評が載っている。(評者、かの有名な『マルコポーロ事件』の当事者らしいが、それはまた別の話だろう。)

原書が話題になった頃、好奇心から、ロンドンの書店で買い求めた記憶がある。比較的大きな書店なのに、どこにも本はおいてない。不思議に思い、書名を言って尋ねると、カウンターの下から恐る恐る取り出し売ってくれた。折角の本も、分厚いので積ん読のまま行方不明。

政治資金を巡って、検察対豪腕政治家の話題、幕引きという時期に、ぴったり重なって、品格に問題がある横綱が引退、話題は全てそちらに集中した。宗主国に従順な政治家なら、品格は問われない。それもそのはず。宗主国では、最高裁判決で、企業献金の上限が撤廃されてしまった。大企業による、大企業のための国家。資本主義の鏡。おそれおおくも、宗主国では、故人献金でも、企業献金でも、政党助成金でも、なんでもありなのだろう。

突然の横綱引退は、いつものRed herring=根本の問題から注意をそらすための情報?

山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記』の02-05「朝青龍引退劇」についての記事で、突然の引退、背景が分かったような気分になった。やはりRed herring説。

大幹事長については、ブログ『逝きし世の面影』の、大山鳴動鼠一匹か『悪徳政治家小沢一郎VS検察+マスコミ』に、大いに納得。

アメリカのとんでもない「企業献金上限撤廃判決」、不思議なことに、日本のマスコミ、記事にしない。ニューズウイークは記事を書いている。企業献金「上限撤廃」がアメリカを壊す

沖縄タイムスには、米谷ふみ子さんの記事が掲載されたようだ。2010.01.31 末尾を引用させていただこう。こちらの方が、横綱引退より、庶民生活への影響、はるかに大きかろう。

その上、両党が選挙資金ほしさで企業に遠慮して金融機関規制もできないでいるときに、ブッシュが選んだ最高裁判事たちが、103年前に禁じられた企業献金の上限を5対4で取り除いたのである。将来すべてが企業の言うままになり、庶民の利なんて何も無くなり、金持ちがいやが上にも金持ちになり、世界の警察のように振る舞っていたアメリカがやることを世界中がまねをする。お先真っ暗である。

写真は、GlobalResearchの記事Noam Chomsky The Corporate Takeover of U.S. Democracyから。国家の象徴として、実に素晴らしい画像だ。こういう、真実を語る旗なら、振っても良いような気がする。献金(入札)額に応じて、掲載企業ロゴが、毎年変わるようになると、一層感動的だ。もちろん、51番目には、日本列島か、日の丸のシルエットを載せて欲しいものだ。アメリカ国債(戦費)に、日本ほど貢献している国はないのだから。

日の丸も、黄金色が、より良いのかも知れない。あるいは、お先真っ暗な将来を考えると、黒の方が良いのだろうか?

2010年2月 6日 (土)

デンマークとユランズ・ポステン紙:挑発の背景

Peter Schwarz wsws.org

2006年2月10日

デンマークやヨーロッパの新聞に掲載された預言者マホメットの漫画を巡る論争に関する基本的な嘘は、これは、言論の自由と宗教的検閲との間の、あるいは、西欧の啓もう主義と、イスラム教の頑迷さとの間の争いだ、という主張だ。

ドイツの緑の党と密接なつながりを持ったtaz紙が、この紛争は、キリスト教を含む、あらゆる宗教の影響を、“耐えうる程度”にまで、引き下げるものだと言明した。シュピーゲル・オンラインで、ヘンリック・M・ブローデルは、デンマークの日刊紙ユランズ・ポステンの発行人がした“民主的な世論が、いかにして全体主義的観点に降伏するかという一例”だとする、漫画論争をひき起こした、心のこもらない謝罪を非難した。

デンマークにおける一般的な政治条件を調べてみれば、そのような主張がどれほど、でっち上げであるか分かる。過去数年間に、政治的変化があった他のヨーロッパ諸国において、これほど明瞭で不快な表現を探し出すには、誰であっても四苦八苦するだろう。

寛容と開放性で知られている国における社会危機と、旧来の労働階級組織による裏切り行為が、組織的に外国人排斥と人種差別を奨励する政治勢力の出現を可能にしたのだ。ユランズ・ポステン紙は、この過程で、重要な役割を果たしてきた。

昨年秋、ユランズ・ポステン紙は、40人の著名なデンマーク人漫画家に、預言者マホメットを描くよう依頼した。12人がこれに応え、作品は9月30日に発表された。このプロジェクトは、挑発を意図的に狙ったものだ。

同紙の文化編集員フレミング・ローズによると、イスラム教とイスラム教徒に関する“デンマーク世論の自己検閲の限界を実験する”ことが狙いだったという。彼はこう補足した。「宗教的でない社会においては、イスラム教徒は、あざ笑われ、冷笑され、滑稽にみられてしまうという事実に耐えなければならない。」

イスラム教社会による、期待していた反応が起こり損ねると、本格的なスキャンダルをひき起こそうと、堅く決め、同紙はキャンペーンを継続した。抗議も無しに、一週間過ぎた後、ジャーナリスト達は、原理主義的な見解で有名な、在デンマーク・イスラム教宗教的指導者に迫り、問いただした。「一体どうして抗議しないのですか?」結局は、このイスラム教宗教的指導者が、反発し、中東の同じ思想を抱く人々の注意を喚起した。

この時点で、デンマーク政府首相だったアナス・フォー・ラスムセンと、与党連合の一員であった外国人嫌いのデンマーク国民党は即座に行動に移った。フォー・ラスムセンは、憂慮するアラブ諸国の大使達による、事態を解明するための話し合いの要請を、これみよがしにはねつけた。22人の元デンマーク大使達が、首相にイスラム教諸国の代表と話し合いをするよう呼びかけた後も、ラスムセンは“報道の自由”は外交的な話し合いの話題となりえないと主張し、その姿勢を固持した。

デンマーク国民党党首ピア・ケアスゴーは、自分たちの宗教的信条を、言論の自由より大切と見なすのだから、彼らは売国奴だと、公然と非難し、漫画に抗議するデンマークのイスラム教徒を侮辱した。

最初から、このキャンペーンは“言論の自由”とは全く無関係で、右派ネオ-リベラルと保守派と、デンマーク国民党も含む連立で構成される、フォー・ラスムセン政府の政治課題とこそ、つながっていたのだ。

デンマーク国民党は、1990年代、当時の与党、社会民主党を含む、同国の全ブルジョワ政党が、高まりつつある社会危機に、外国人排斥キャンペーンで対応した際に、名を成した。当時、国民党は、イスラム教は、“癌性潰瘍”で“テロ活動”だと宣言した。人種差別主義的な発言で知られるケアスゴーは、イスラム世界は文明化しているとは見なせないと宣言した。「文明というのは、たった一つしか存在せず、それは我々の文明だ」と彼女は述べた。

当時、右派のヴェンスタ党の党首だったフォー・ラスムセンは、国民党の人種差別主義的な民衆扇動の多くを取り入れた。2001年の選挙キャンペーンでは、“犯罪人の外国人”は、48時間以内に、デンマークから追い出されるべきだとさえ主張した。

彼はキャンペーンで、全てのイスラム教徒が暴力的であることを示唆すべく、イスラム教徒の犯罪人達の写真を載せた選挙ポスターを利用した。ヴェンスタ党は、選挙に勝利し、伝統的保守派とともに、少数派与党政府を形成し、極右の国民党にも支持された。

デンマーク政治は、遥か右へとふれたのだ。デンマークの移民法は、劇的に厳しくなり、開発援助支出は削減された。イラク戦争、大多数のデンマーク国民が反対していた、フォー・ラスムセンは、ブッシュ政権を支持し、イラク占領を支援すべく、デンマーク軍の分遣隊を派兵した。

ユランズ・ポステンが解き放ったキャンペーンは、政府の外国人嫌い政策と、アメリカ帝国主義支持の強化を鼓舞することを狙った、この反動的な軌道の継続・強化なのだ。

漫画自体、明白に人種差別的だ。漫画は、全てのイスラム教徒が、テロリストになる可能性がある人物であることを示唆している。預言者に対する冒涜に抗議する憤慨したイスラム教徒達の記事や写真が、こうした中傷を強化するのに使われた。

公式な政治もヨーロッパ中のマスコミも、次第にそうしたキャンペーンで頭が一杯になってしまった。彼らはそうした行為に何の責任も負ってはいないにもかかわらず、イスラム教徒達は、一団として、テロ集団が実行した行為の責任を負うとされたのだ。ドイツのバーデン-ヴルッテンベルク州では、ドイツに住み続けたいイスラム教徒は、宗教信条を探る質問一覧表に答えなければならない。

テレビ・ニュースのキャスター達は、イスラム教徒が、イスラム教の名において、マホメットの冒涜に対しては、いつでも抗議する用意があるのに、テロ集団が実行する行為には抗議しないと、決まったように中傷し、そのような行為を、彼らが密かに支持しているのだと示唆する。

キャンペーンは、イスラム教を“西欧的価値観”とは相いれない、劣った文化として描くものとなった。これは明らかに、1930年代に流布された、ナチス時代のシュテュルマー紙のようなファシスト新聞のユダヤ人排斥主義漫画と類似している。ユダヤ人を人間以下のものとして描き出すことが、ホロコーストのイデオロギー的な準備として機能したのだ。

現在、計画的なイスラム教徒に対する侮辱は、イランやシリア等の国々に対する新たな戦争、つまり核兵器も使用されかねず、イラク戦争よりもはるかに残虐となるだろう戦争に、世論を備えさせるために利用されている。

ユランズ・ポステンが、この活動を始めたのは決して偶然ではない。同紙は、1930年代にナチス支持を宣言したことで悪名が高く、最近のデンマークの右傾化でも、重要な役割を果たしている。

オーフスという田園地帯に編集部を置くユランズ・ポステンは、1980年代初期までは、比較的目立たない地方紙だった。その頃、同紙は積極的な拡張政策を開始した。同紙は、より小規模な地域、地方新聞を買収し、デンマークの首都における二大紙、ベーリンスケ・ティダネとポリテイケンとの価格戦争を開始し、発行部数を急速に170,000部にまで伸ばし、デンマークにおける最大発行部数の新聞となった。

1990年代に、明らかに保守派だった同紙は、次第に、あからさまに外国人嫌いな右翼勢力の代弁人となっていった。編集局のほぼ四分の一が解雇され、攻撃性が高まるとともに、同紙の品質は低下した。

マホメット漫画を掲載する少し前、ユランズ・ポステンは「イスラム教は最も好戦的である」という見出しを掲載した。同紙はイスラム教徒によるユダヤ人死亡予定者リストなるもののすっぱ抜き記事を掲載したが、やがて全てがでっちあげであることが判明した。

一年前、新聞が、選挙キャンペーンのさなか、亡命希望者による、生活保護の権利の組織的濫用を主張する記事を掲載した為に、編集主幹が辞任した。扇情的な告発は、彼の意に反して掲載されていた。

右翼に共鳴しているユランズ・ポステンの悪評は秘密ではない。スードドイチェ・ツァイトゥングは、同紙が“デンマーク社会に対する、リベラル左派のイデオロギー的、政治的支配を打破するのに成功したことを誇りとする、ほとんど宣教師的な熱意を持った新聞”だと書いている。スードドイチェ・ツァイトゥングによれば、ユランズ・ポステンと、国民党との同一視は、“受け入れがたい単純化”と言えようが、両者は確実に“広い意味で、戦闘仲間なのだ。”

フランクフルター・ルンドシャウはこう書いている。「デンマーク・メディアに通じた人であれば、まさに、通常なら異なる見解をあえて唱道しようとする、あらゆる人々を非難するはずの最右翼のデンマーク新聞ユランズ・ポステンが、今や言論の自由の導き手と見なされていることに、少なからぬ皮肉を覚えるだろう。」

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2006/feb2006/denm-f10.shtml

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英語を学べばバカになる』グローバル思考という妄想 薬師院仁志著 光文社新書208(2005年5月刊)189-190ページに、このオランダの状況にふれた記事があった。長くなるが、引用させていたこう。与党が変っても、あいも変わらず推進されている英語公用語論やら、グローバル思考、小学校からの日本語教育、どれだけ愚かなことか。ご興味をお持ちになった方がおられれば、是非一読されることをお勧めする。

 英語をはじめとする外国語の通用度が高い国々の特徴は、もう一つある。それらの国々の正式国名を並べると、スウェーデン王国、ノルウェー王国、デンマーク王国、オランダ王国、ルクセンブルク大公国となる。つまり、ソ連の成立にともなってロシアから独立した際に大公国から共和国となったフィンランド以外、すべて立憲君主国なのだ。国家に固有の言語を持たないベルギーもまた、正式国名はベルギー王国である。人口が少なく、母語による国家統合が難しい国々には、それに代わる何らかの求心力が必要となる。王室という象徴は、国民統合のために有効な要素の一つなのであろう。

 国内に外国語を広めるということは、異文化を取り入れやすくすることだとも言えるが、それと同時に、文化的な防御壁を失うことでもある。それは、しばしば、国民の統合や社会の連帯を破壊する危険をももたらし、時としてその反動さえ引き起こす。自国文化を守ろうとするあまり、過度に排外的になってしまうのだ。

 実際、デンマークやオランダでは、その動きが起きた。ヨーロッパ反人種主義委員会は、二〇〇〇年に刊行した報告書の中で、デンマークを名指しして反イスラム主義および反移民 主義に基づく差別に関する警告を行っている。また、伝統的に移民に寛容であったオランダでさえも、二〇〇二年の国会議員選挙では、反イスラム主義を掲げるグループが第二党としての勢力を獲得するに至った。

 小さな国が移民に敏感になるのはある程度仕方がないことで、これらの国における排外主義の台頭もまた、おそらくは人口の少なさが主原因であろう。それでも、国内に外国語を広めるという行為によって自国の文化的防御壁を弱めたことが、ゆきすぎた排外主義を生み出 す素地になっていることは大いに考えられる。だから、日本に英語を広めようというのであれば、この点にもよほど注意しなければならない。

本記事は、公開の順序が逆になったが、下記翻訳記事の参照記事である。

デンマーク漫画家襲撃に関する、うやむやのままの疑問

2010年2月 4日 (木)

ハワード・ジン「歴史の効用とテロリズムに対する戦争」を語る

Democracy Now!

2006年11月24日金曜日の放送分記事の翻訳

ハワード・ジン「歴史の効用と対テロ戦争」を語る

ハワード・ジンは我が国において最も著名な歴史学者の一人だ。彼の古典的作品「民衆のアメリカ史」は、我々のアメリカ史に対する考え方を変えた。25年前に最初に刊行された本は百万部以上売れ、毎年販売部数が伸びるという出版界の事件になっている。[以下に文字おこし原稿あり]

第二次世界大戦で、爆撃手として軍務についた後、ハワード・ジンは生涯にわたる反体制派の平和活動家となった。過去40年間にわたって、彼は公民権運動や社会的公正の為の多くの闘争で活動している。

歴史的に黒人女性の大学であるスペルマン・カレッジで教えていたが、学生達の為に立ち上がった業務命令違反のかどで解雇された。最近彼は、卒業式の演説をするため、同大学から招かれた。

ハワード・ジンは沢山の本を書いており、ボストン大学名誉教授である。彼は最近ウイスコンシンのマディソンで講演し、Lifetime Contribution to Critical Scholarshipに対するヘブン・センター賞を受賞した。彼の講義「歴史の効用とテロリズムに対する戦争」をお送りする。

ハワード・ジン:

マディソンはとても特別な場所です。ここにやってくる度に特別な感情を抱きます。私は違う国にいるように感じています。それで今は嬉しく思っています。アメリカの政治に愛想をつかして、どこかよその国に移住する人もいます。いいえ。マディソンに来てください。

そこで、私はまずお礼を申し上げることになっています。皆さんがどなたであれ、おいで頂いて嬉しく思います。照明が私を目覚めさせようとまぶしく照らしています。

さて、皆さんは何か占領された国に暮らしているように感じられませんか?朝目が覚めた時に、そういう感じがすることが良くあります。「占領された国に暮らしているのだ。エイリアンたちの小さな集団がこの国を乗っ取って、自分たちのしたい放題のことをしようとしており、実際そうしているのだ。」と私は考えるのです。つまり彼らは私にとってはエイリアンなのです。メキシコの国境を越えてやってくる人々は私にとってエイリアンではありません。そうです。アメリカで暮らすためにやってきたイスラム教徒は、私にとってエイリアンではありません。つい最近の移民の権利を訴える素晴らしいデモで、例えば「いかなる人間も、エイリアン(外国人)ではない。」というプラカードをご覧になったでしょう。私はこれは本当だと思います。ワシントンの連中を除いてですが。

彼らがこの国を乗っ取ったのです。彼らが政策を乗っ取ったのです。彼らは我々を二つの悲惨な戦争に引きずり込んだのです。我が国にとって悲惨であり、中東の人々にとってはさらに悲惨です。そして、連中はこの国の富を吸い上げ、それを金持ちに与えています。多国籍企業に与えています。ハリバートンに与え、武器メーカーに与えています。彼らは環境を破壊しています。しかも連中は10,000発の核兵器を握って離しません。それなのに、イランが十年すると核兵器を一つ持つようになるかも知れないという事実を、我々に心配させたいわけです。全く、どこまでおかしくなっているのでしょう?

そこで問題は、一体どうしてこういうことが起きるような羽目になったのでしょう?連中はどうやって好き勝手ができたのでしょう?連中は国民の意志に従ってはいません。つまり、彼らは、戦争を始めた直後の極めて短い時間の間に国民の意思を創り出したのです。政府なら武力紛争が始まった直後にそれができるのですが、戦争ヒステリーの雰囲気を創り出せるようにしたのです。そこでしばらくの間は、アメリカ国民の心を掴んでいたのです。それはもはや真実ではありません。アメリカ国民は何が起きているのか理解し始め、ワシントンの政策に反対するようになりましたが、もちろん連中は依然としてあそこにいます。連中は依然として権力を握っています。疑問は、ですから、連中がいかにしてまんまとこれをやってのけられたのかということです。

それで、疑問に答えようと、ナチス・ドイツの歴史をちょっと調べてみました。いえ我々がナチス・ドイツというわけではありませんが、誰からでも、人の歴史からも教訓は得られます。この場合、私はヘルマン・ゲーリングの思想に興味があったのです。ご存じかもしれませんが、ヒットラーの副司令官で、ドイツ空軍のトップでした。第二次世界大戦が終わった時に、ナチス指導者がニュルンベルクで裁判にかけられた際に、ヘルマン・ゲーリングもナチス政権の他の指導者達と一緒に刑務所に入れられました。そしてニュルンベルク裁判の被告に面接する仕事を与えられた心理学者が彼を訪問したのです。

それでこの心理学者は記録をとり、実際、戦争から数年後に「ニュルンベルク日記」という本を書きました。自分が書いたことを本に書いています。ヘルマン・ゲーリングとの会話を記録したのです。彼はゲーリングに、ヒットラー、ナチスがドイツ人を一体どうやってあのように馬鹿げた戦争と侵略の破滅的な政策を支持するようにできたのか尋ねたのです?で、手元にそのノートがたまたまあるのですが。我々はいつも言うのですね。「たまたま、これが手元にありまして。」

ゲーリングは言っています。「もちろん国民は戦争を望んではいない。なぜ畑にいる貧しいまぬけが、自分の命を戦争にさらそうなどと望むだろう?だが、結局、政策を決定するのは国家指導者だ。国民はいつでも指導者達の命令に従わせることができる。連中に、連中は攻撃されているのだと言って、平和主義者は愛国心に欠けると非難するだけで良いのだ。これはどこの国でも同様に機能する。」

私には最後の行が興味深いものでした。「これはどこの国でも同様に機能する。」つまり、ここで、彼らはナチスです。あれはファシスト体制です。アメリカはデモクラシーです。けれども、自分の国を何制度と呼ぼうと、これはどこの国でも同様に機能するのです。自分の国を全体主義国家と呼ぼうと、あるいは自国をデモクラシーと呼ぼうと、同じように機能するのです。つまり、国家指導者達は国民を、丸め込んだり、無理強いしたり、唆したりして戦争をさせることができるのです。国民を脅かし、国民が危険な状態にあると言い、もしも支持しなければ、非愛国的と見なされるぞと国民を脅迫し、無理強いして。そして、これが9/11直後にこの国で本当に起きたことなのです。これがブッシュがイラクの大量破壊兵器という妖怪をよみがえらせた直後に起きて、しばらくの間アメリカ国民がこれを支持するようにさせたわけです。

けれども問題は、どうやって連中がまんまとそれをやりおおせたかです?新聞はどうでしょう?テレビはどうでしょう?政府がしていることを暴くのは新聞の仕事ではありませんか?テレビの仕事ではありませんか?ジャーナリズムの仕事ではありませんか?ジャーナリスト達はI・F・ストーンからは学ばないのでしょうか?「ひとつだけ覚えておくように」と彼はジャーナリズムを勉強している若者に言いました。「ひとつだけ覚えておくように。政府は嘘をつくものです。」ところがマスコミはそれには注意を払わなかったのでしょう。マスコミは支持したのです。彼らは大量破壊兵器というアイデアを喜んで受け入れたのです。覚えておいででしょう。コーリン・パウエルがイラク戦争開始の直前に国連に登場し、彼によればイラクが所有するのだといううんざりするほど大量の武器を国連で説明し、大変な詳細まであげたのです。この弾筒がいくつあるか、これが何トンあるか、云々と。そして翌日、新聞報道は称賛で輝いていました。彼らは、質問してみるという、自分たちの仕事をしなかったのです。彼らは尋ねるという自分たちの仕事をしなかったのです。「どこに?あなたの証拠は何ですか?どこからそうした諜報情報を入手したのですか?誰と話をしましたか?あなたの情報源は何ですか?」

大学の新入生として皆さんは学ばれたのではありませんか?「おい、君の典拠は何だ?脚注はどこにある?」そうではないのです。マスコミはただ、ワシントン・ポストはこう書いたのです。「イラクが大量破壊兵器を所有していることを疑うことができる人がいるだなろうと想像するのは困難だ。」そしてニューヨーク・タイムズは、ご存じのように、ひたすら我を忘れてコーリン・パウエルを称賛したのです。もちろん、これはみな本当でないことがわかりました。全て嘘だったことがわかりました。しかし報道機関はその職務を果たさなかったのです。その結果、テレビを見ているアメリカ人、新聞を読んでいるアメリカ人には、代替の情報源は無く、代替の意見はなく、何がおきてるかについて代替の批判的分析はありませんでした。

そこで質問です。新聞で読んだものをなぜいまだに国民は信じているのでしょう、テレビで見たものをなぜ国民は信じるのでしょう?そこで私は、それは歴史の喪失とどこか関係があると主張したいのです、そう、スタッズ・ターケルが「国家的健忘症」と名付けた歴史を忘れているのか、それともまずい歴史を学ばなかったのか、皆さんが教わっている類の歴史の勉強のせいです。コロンブスは英雄だった。テディー・ルーズベルトは英雄だ。アンドリュー・ジャクソンは英雄だ。大統領や将軍や実業家だったあらゆる人々。彼らは偉大だ。彼らはアメリカを偉大にした人々だ。そしてアメリカは世界において常に良いことを行ってきた。そしてアメリカにも、もちろんちょっとした問題はあった。例えば、奴隷制度のようなものが。しかしアメリカはそれを克服した、等々。いいえ、そういう類の歴史ではありません。

アメリカ国民がもし本当に歴史を知れば、アメリカ国民がもし歴史を学べば、もし教育機関がその職務を遂行していれば、もしもマスコミが国民に歴史的大局観を提供するという自分たちの職務を果たせば、そうすれば国民は理解するでしょう。大統領がマイクの前に立って、あれやこれやの理由、自由の為にあるいはデモクラシーの為に、あるいは我々が危機にあるので等々の理由から、我々は戦争を始めなければならないと言った時に、もしも国民が多少の歴史知識を持っていれば、大統領達が一体何度国民に、あれやこれやの理由で我々は戦争を始めなければならないと宣言したか知っていたはずです。人々はポルク大統領かこう言ったことを知っていたはずです。「我々はメキシコに対する戦争を進めなければならない。なぜなら、国境でおきた事件があったためで、我々の名誉が戦うことを要求しているのだ。」

もしも多少の歴史を知っていれば、マッキンリー大統領がどうやって国民をスペインとキューバに対する戦争に引きずり込んだかを知っていたはずです。「我々はキューバ人をスペインの支配から解放するのだ。」と言いながら。そして実際そこにはごくわずかの真実はありました。アメリカは戦争を始め、スペインに対して戦い、我々はスペインをキューバから追い出しました。我々は彼らをスペインからは解放しましたが、我々から解放してはいないのです。そこで、スペインが追い出されて、ユナイテッド・フルーツが入り込み、やがてはアメリカの銀行や、アメリカ企業は入りました。

それで、もしも人々が自分たちの歴史を知れば、思い出せたはずだと思います。アメリカ陸軍が既にフィリピンにおり、そしてアメリカ海軍が既にフィリピンにいる時にマッキンリー大統領が何と言ったか、そして偉大なヒーロー大統領の一人セオドア・ルーズベルトが、戦争をしたくてたまらずにいたことを。マッキンリーがどこにフィリピンがあるのか知らなかったことを知っていたでしょう。ただ今では大統領達は頻繁に事前に要点を教えて貰って、どこに何があるか教えてもらっています。ジョージ・ブッシュは「ここがイラクだ。」と言いました。リンドン・ジョンソンは「ここがトンキン湾だ。」と言いました。連中は事前の教育が必要なのです。

皆は分かっていたはずなのです。大統領が、もしも皆が歴史を知っていれば、マッキンリー大統領が「我々はフィリピンに入って、フィリピン人を文明化し、キリスト教化する。」と言ったことを。そしてもしも彼らが自国の歴史を知っていれば、もしも歴史本が、大半のページをわずか三ヶ月しか続かなかった米西戦争にさくかわりに、歴史の本が二十世紀初期フィリピンにおける戦争について多少ページをさいていれば。何と七年も続いた血まみれの戦争で、住民の虐殺や、皆殺しを行ったフィリピン戦争については、事実上ほとんどページをさいていません。そういう歴史は本に載らないのです。アメリカはフィリピン人を文明化しキリスト教化して、我々の支配を確立したのです。

皆分かっていたはずです。大統領が「私たちは中東にデモクラシーをもたらすつもりだ」と言うのを聞けば、一体何度アメリカが侵略した他国にデモクラシーを押しつけたか分かるはずなのです。皆、チリにデモクラシーをもたらしたかどうか分かっていたでしょう。チリで民主的に選出された政府を、アメリカは1973年に転覆させたのです。アメリカがまたもや民主的に選出された政府を転覆した時に、アメリカがどのようにしてグアテマラにデモクラシーをもたらしたかを皆が知っていたはずなのです。そう、アメリカは民主的選挙が好きで、アメリカは自由選挙が好きです。ただそれはよその政府がおかしな方向に行かない時に限ります。おかしな方向にゆくと、アメリカは陸軍かCIAか秘密工作員を送り込んでその政府を転覆するのです。

もしも国民がそうい歴史を知っていたら、瞬間たりともブッシュ大統領を決して信じたりはしなかったでしょう。彼が、あれこれの理由と自由とデモクラシーの為に、そしてイラクは脅威なのだから、我々はイラクを攻める、と言ったときに。当局が皆に言う物事に対して懐疑的になるには多少の歴史的な理解が必要なのです。

皆さんが歴史を知れば、I・F・ストーンが言ったように政府は嘘をつくものだということが分かります。ストーンは言いました。政府は常に嘘をつくものなのです。もちろん、アメリカ政府だけではありません。それが政府というものの本性なのです。そう、連中は嘘をつかざるをえないのです。概して、政府というものは自分たちが支配する社会の人々を代表してはいないのです。政府は人々を代表してはおらず、また、政府は人々の利害に反して行動するので、権力を握り続けるための唯一の方法は、人々に嘘をつくということなのです。もしも政府が国民に真実を告げれば、政府は長くは続きません。ですから歴史は、偽りを理解し、政府が何を言おうと、それを慌てて信じ込むのではなく、懐疑的になることの手助けになります。

もしも多少の歴史を知っていれば、恐らくはもっとより基本的なことを理解できるはずなのです。この戦争に嘘をついたり、この侵略に嘘をついたり、あの干渉に嘘をついたりという問題よりも、もっと基本的なこと、もしもみんなが多少の歴史を知っていれば。ある種社会の基本的事実、我が国の社会を含め、政府の利害と国民の利害は同じではないことを理解できるはずなのです。

これを知っておくことはきわめて重要です。我々全員が共通の利害を持っていると政府は必死で説得しようとするからです。もしも政府が「国益」という言葉を使う場合には、国益などありません。あるのは、彼らの利害と我々の利害です。国家の治安とは誰の治安でしょう?国防とは、一体誰の防衛でしょう?こうした言葉や文句は全て私たちを「素晴らしい大きなきずな」に囲い込もうとして使われているのです。わが国の指導者の人々は我々の利害を心に留めておいてくれると思いこむように。これを理解することはとても重要です。とんでもない、連中は我々の利害など気にかけてはいません。

イラクに出征する若者が話すのを聞く機会がおありでしょう。若者がベトナムに出征する時に同じことを聞いたのを思い出します。記者が若者の所にいって言うのです。「ねえ、あなた、あなたは出征してゆきますが、それをどう考えていて、なぜそうするのです?」すると若者は答えます。「お国のために行くのです。」違います。彼は彼の国の為に行くのではありません。そして彼女は彼女の国の為に行くのではありません。戦争に赴く人々は彼らの国の為に戦っているのではありません。ちがうのです。彼らは自分たちの国に対して何も良い行いをしてはいません。彼らは自分たちの家族に対して何も良い行いをしてはいません。彼らは現地の人々に対しても何も良い行いはしていません。ともかく彼らは、彼らの国のためにそうしているのではありません。彼らは、それを彼らの政府のためにしているのです。彼らはそれをブッシュのためにしているのです。こういう言い方の方がより正確でしょう。「私はジョージ・ブッシュの為に戦うべく、出征するのです。私はチェニーの為に戦うべく、出征するのです。私はラムズフェルドの為に戦うべく、出征するのです。私はハリバートンの為に戦うべく、出征するのです。」そうなのです。こういう言い方の方が真実を語っています。

ですから、実際、この国の歴史を知るには、アメリカ国内では、最初から、権力を握っている人々と普通の人々の間に利害の衝突があったことを知るべきなのです。私たちは、イギリスに対してアメリカ革命を戦った一つの幸せな大家族だったのではありません。思い出します。学校では、彼らは愛国者で、バレー・フォージやバンカー・ヒル、その他で我々全員がともに働き、英国兵士やイギリス人に対して戦った、等々というように思われたのです。決してそんなことはなかったのです。統一された国ではなかったのです。

ワシントンは将軍達を南部に送らざるを得ませんでした。若者に対して武力を行使して軍務につかせたのです。独立軍の兵士はワシントンに対して反乱したのです。将校に対して。陸軍には階級紛争があったからです。独立戦争以前の植民地の至る所で階級紛争があったのと同じように。そう、軍隊を知っている人なら誰でも、軍隊にいったことがある人ならだれでも、軍隊というのは階級社会であることを知っています。兵卒がいて、将校がいます。そして独立戦争では、兵卒は靴を貰えず、衣服も貰えず、食料も貰えず、給料も貰っていなかったのです。一方将校は華麗な生活をしていたのです。それで、彼らは反乱したのです。何千人もです。

そういうことを学校の歴史で学んだという記憶はありません。なぜなら神話があるからです。いわく、アメリカは、一つの幸福な大家族だ。黒人奴隷も含めてでしょうか?私たちが彼らから、一マイル、一マイルと、じわじわ土地を奪い取った先住アメリカ人を含めてでしょうか?私たちは一つの幸福な大家族でしょうか?そうしたこと全てから取り残されていた女性達は。そうではありません。基本的な事実を理解することは非常に重要です。国を運営する人々と私たちとでは、我々の利害は同じではありません。

ですから、歴史は理解に有効なのです。他の国民と同じ国民だということを理解するのに。幼い頃からずっと教え込まれているような、アメリカは世界で最も優れている、アメリカはナンバー・ワンだ、アメリカは最高だ、というわけではないことを理解するのに。これは、社会科学におけるアメリカ例外主義と呼ばれるものです。アメリカ合衆国は、国家というものの法則の例外だ。つまり、国家というものの一般法則は、国家はかなり悪辣なものだというのです。だがアメリカ合衆国、我が国は正しい。アメリカは世界の中で善を行っていると。

そう遠くない昔、私はラジオ番組に出ました。インタビューされたのです。普通の商業放送局でした。普通の商業放送局にでてインタビューされるのは好きです。局の連中は、誰を呼んでいるのか良く知らないからです。そこで彼が言ったのです。「ジン教授、アメリカは、概して、世界の中で、世のため人のためになる力だったと思われませんか?」「いや、いや、いや。」なぜこう尋ねないのでしょう。「大英帝国はアフリカでは世のため人のためになる力だったと思いますか。ベルギー人はコンゴで世のため人のためになる力でしたか。あるいはフランスはインドシナで世のため人のためになる力でしたか?海兵隊を中米に何度も何度も派遣した時に、アメリカ合衆国は、世のため人のためになる力だったと思われますか」そうではありません。

けれども、アメリカにはご存じの別の認識があるのです。アメリカは違うというのが。我が国は偉大だ、と。まあ、アメリカには確かに偉大な点があるでしょうが、それはアメリカが他国にしたことではありません。アメリカが黒人にしたことではありません。アメリカが先住アメリカ人にしたことではありません。彼らが組合を組織し、反抗して立ち上がるまで12時間労働に苦しんだこの国の労働者にアメリカがしたことではありません。そうではないのです。我々は自分に正直でなければなりません。

これは実行するのはとても難しいことです。自分自身に対して正直になることは。皆「私は忠誠を誓います」等というよう育てられているのです。「全員のための自由と公正」「アメリカに神の恩寵がありますように」なぜ我々なのでしょう?なぜ神はアメリカに恩寵を与えるのでしょう?なぜ神はアメリカだけを恩寵を与えようと選び出すのでしょう?ねえ。なぜ「皆に神の恩寵がありますように」ではないのでしょう?もしも実際、私たちが育てられていれば、もしも我々がアメリカの歴史を理解するように育てられていれば、アメリカも他の国民と同じだ、ただしアメリカはより大きく、より多くの銃砲と爆弾があるので、もっと暴力が行えるのだということが分かるはずなのです。他の帝国がそこまではできなかったことを、アメリカはできるのです。アメリカ人は豊かです。そう、アメリカ人の全員がというわけではありません。アメリカ人の一部がそうなのですよね?しかし、我々は正直でなければなりません。

人々がアルコール中毒者更生会に入会するのは、立ち上がって、自分自身について素直になるためではありませんか?帝国主義者更生会という名前の組織を立ち上げる必要があるかも知れません。この国の指導者達が、その会の全国網テレビ放送にでて言うのです。「そう、皆さんに本当の事をお話しする時期ですね。」そうなれば、私はそうなるとは期待していませんが、そうなれば爽快でしょう。

そして、もし我々がこの歴史を知っていれば、人々が他の人々に対してひどいことをするようにどうヒステリーを作り上げるのか、恐れさせられたがゆえに、人々に自分たち自身の利害と反対の行動をさせるための方法として、恐怖がどれだけ頻繁に利用されたのかを理解できるでしょう。南部における大半のリンチの動機になったのは恐怖とヒステリーだったのではありませんか?黒人への恐怖、黒人に対するヒステリーが、白人に我が国の歴史の中行われたことの中でも最も残虐なことをさせたのではありませんか?現代でもそうではありませんか?恐怖が、イスラム教徒に対する恐怖、単にテロリストに対してだけでなく、一般的に?もちろんテロリストへの恐怖、特にイスラム教徒に対する恐怖もありますね。アメリカ国民に繰り返して吹き込んだ非常に醜い感情で、一種のヒステリーを創り出し、それが、政府が国民を支配し、彼らが次々と起こす戦争に我々を送りこめるようにし、脅かして、また次の戦争にというわけです。

もし我々が多少の歴史を知っていれば、冷戦に伴ったヒステリー、共産主義に対するヒステリーのことを理解できるでしょう。共産主義が存在しなかったわけではないのです、テロリズムが存在しているのと同様に。共産主義が問題なのではありません。共産主義は存在しました。そしてソ連がありました。ソ連は自国民に対して圧政的で、東ヨーロッパを支配していました。けれどもソ連の脅威にたいする極端な誇張があり、それ昂じて、いや彼らは東ヨーロッパにいるというだけではないのだ。彼らは西ヨーロッパを侵略しようとしているのだ、となったのです。

ついでながら、その証拠は何もありません。近年、ソ連専門家だったCIAアナリスト達が人前に現れて、ソ連が西ヨーロッパを侵略するつもりだという証拠は何も無かったと言っています。しかしそれに対抗してNATOが組織されました。それに対抗してアメリカ合衆国は膨大な核の兵器庫を築き上げたのです。

ソ連はいつもアメリカ合衆国より遅れていました。政府はソ連を脅威だといって持ち上げましたが、結局の所、誰が最初に原子爆弾を手に入れたのでしょう?誰よりも原子爆弾を沢山もっているのは誰でしょう?日本の二つの都会に暮らす普通の人々の上に原子爆弾を実際に落とした唯一の国はどこでしたか?ですから、だれが原子爆弾を使うのでしょう。原子爆弾を溜め込んでいるアメリカが、死にものぐるいで追いつこうとしている国々に対するヒステリーを創り出したのです。もちろんイランは決して追いつきません。北朝鮮も決して追いつきません。ソ連は追いつこうとしました。けれども、この妖怪のような脅威を創り出すことによって何兆ドルものこの国の富を軍事予算に費やしたのです。

共産主義に対するヒステリーは高まるあまり、生徒が机の下に隠れたりすることだけを言っているのではありません。なぜならソ連は原子爆弾を投下しようとしていたのですから。ソ連が原子爆弾を投下しようとしていたという証拠は何もなかったのです。ついでながら、統合参謀本部が、アメリカ政府首脳部の連中が、実に様々な時に、予防戦争を、ソ連に核兵器を投下することを提案したという証拠があります。しかし、アメリカは、非常に不気味で、どこにでもあるような脅威を創り出したので、子供達は、そう、机の下に隠れたのです。そしてまた、世界のどこであれ、アメリカ合衆国の気に入らないことが起きると、それが世界共産主義者の脅威の一部になりました。

それで、共産主義と対処する為なら、ラテン・アメリカのどこの国でも、我々の好きな国に押し入れたのです。共産主義者の脅威があったがゆえに、アメリカは陸軍をベトナムに派遣し、結果として数百万人の人々が亡くなったのです。ベトナムが世界における共産主義者の脅威の象徴になっていたためです。考えてみれば、既に共産主義の北と反共の南に分割されていたベトナムが、この小さな国の半分が共産主義者になるのを恐れることがどれだけ馬鹿らしいことか。すぐ北では10億人の人々が共産主義になっていたのです。これはどうも奇怪です。

けれども、恐怖とヒステリーを創り出せば、奇怪な考え方がまかり通るようになるのです。そして今我々は、もちろん現在の状況は、テロリズムという厄介なものに直面しているわけです。のべつ幕なしのジョージ・ブッシュや彼の閣僚の演説、ひっきりなしに連中が使う言葉「テロリズム」と「テロ」を考えてください。あれはアメリカ国民を脅かすために彼らが創り出した呪文です。

その効き目も薄れてきたと私は思います。多少の理解が始まったように思います。それが、世論が戦争反対になったという事実の背景です。国民はもはやアメリカがテロリズムを打ち負かすためにイラクで戦っているとは信じていません。なぜなら証拠がそれほど圧倒的に出てきて、大手マスコミでさえ報道するようになっているからです。国家情報評価がそうです。政府自身の諜報機関がイラクでの戦争がテロリスト集団を成長させる原因になって、中東のイスラム教徒集団の好戦性と急進主義を増していると言っているのです。

しかし、国民に、自分たちの利害に反することをさせるための、自分たちの若い子供達を戦争に送り出す羽目になるようなことをさせるための、戦争という目的の為に、国家の富の枯渇を引き起こし、大金持ちをさらに富ませるためのことをさせるための企みとして、テロリズムが共産主義に置き換わったのです。テロリズムについて、誰かがテロリズムに対する戦争の話をするとき、連中が用語の上で矛盾していることを悟るのはさほど難しいことではありません。もしも戦争そのものがテロリズムだったら、どうやってテロリズムに対する戦争を起こすことができるでしょう?なぜなら、テロリズムにテロリズムで対応しているので、世界のテロリズムを増やすだけだからです。

そして、もちろん、政府が戦争をすることで行えるテロリズムは、アルカイダやらあれこれもろもろの集団のテロリズムより、遙かに遙かに大きな規模なのです。政府はとてつもなく大規模なテロリストなのです。アメリカ合衆国は、アフガニスタンに対して、イラクに対して、ずっとテロリズムを行っており、今や彼らはそのテロリズムを中東の他地域にも広げると脅しているのです。

そして、恐怖とヒステリー利用の歴史や、冷戦と反共ヒステリーの歴史は、今我々が経験していることに対して人々に注意を喚起するのに非常に役立ちます。つまり、イランの場合、例えば、けしからぬことですが、マスコミはイラン核兵器でひどい役割を果たしています。彼らは核兵器を欲している。彼らは核兵器を持っているとは言っていません。彼らは核兵器を欲している。私もそうです。核兵器をほしがるのは簡単です。膨大な軍事力をもった国に向かい合っていて、そうした膨大な軍事力をもった国の軍事力にはとうで対抗できそうもないような小国は、アメリカ合衆国がとった戦略の真似をしているのです。アメリカ合衆国は言いました。「我々は抑止力を持たねばならない。」「なぜアメリカは10,000基もの核兵器を持っているのだろう?」と尋ねた場合、一体何回これを聞きましたか。「我々は抑止力を持たねばならない」そう、彼らも抑止力が欲しいのです。核兵器一基をですね。

イラクはそういう状況にありませんでした。ご存じでしょう。コンドリーサ・ライスの発言を。「キノコ雲」我々は広島と長崎の上にキノコ雲を創り出した唯一の国なのです。イラクはキノコ雲を創り出せる立場にありませんでした。中東と核兵器のあらゆる専門家が言っていました。イラクが核兵器を開発するには5から10年かかる。それなのにアメリカは核兵器に対するヒステリーを創り出していたのです。

今アメリカは同じ事をイランにしているのです。そして国連の国際原子力機関はイランの核兵器の危険性について語っている議会報告と真っ向から矛盾しています。もう何度も何度もイランで査察した国際機関は言っています。彼らはアメリカ国民に、ある種中途半端な教育をしてくれています。つまり政府は言っています。政府は「連中はウランを濃縮している。」という言い回しを使います。これは気味が悪いですね。「彼らはウランを濃縮しているのだ」と。本当のところそれがどういう意味か私は知りませんが、ぞっとします。国際原子力機関の報告を読むと、たしかに、彼らはやっているのです。彼らはウランを3.5%まで濃縮したのです。核兵器を一つ作る為には、彼らはそれを90%まで濃縮しなければならないのです。彼らは一発の核兵器を開発するところかさえ、遙かに遙かに遠いところにいるのですが、「濃縮ウラン」という言葉が、何度も何度も繰り返されるのです。

ですから、そう、我々は多少の歴史的な知識が必要なのです。イラクを思い出してみてください、ベトナムをめぐるヒステリーを思い出してください。「わー、共産主義者が南ベトナムを占領するかもしれない!」それからどうなるのでしょう?サンフランシスコまでわずかあと一歩。とんでもない。レーガンがニカラグアのコントラを支持していた時、彼が言っていたのを覚えておられる方もいるでしょう。「ニカラグアがどこにあるかご存じでしょう?連中がテキサスにやってくるまでにさほどはかかりません。」私はそれはおかしいと思いました。私は考えたのです。一体なぜニカラグア人がテキサスに来たいと思うだろう?これは別にテキサスを中傷しているわけではありませんが、仮に連中がテキサスに来たとして、それから何をするのでしょう?ユナイテッド・エアラインのワシントン便に乗るのでしょうか。彼らは何をするのでしょう?けれども、起きているものごとに対する自覚を、ヒステリーがどれほど完ぺきに損なってしまうかを理解するには、こうした歴史の一部を知ることが本当に極めて重要なのです。

少し違うお話をしたいと思います。残り時間がどれほどか心配になってきました。どれだけ長くお話したのでしょう。まあ本音は、どれだけお話したのか心配などしていません。気にしていません。時計を見ては時間を気にしているふりをしているだけでして。何時に話を始めたのか覚えていないので、どれだけの時間お話したのかわかりませんが。

ともかく、どこかの時点でイラクにおける戦争は終わります。どこかの時点でアメリカ合衆国はベトナムでしたことを、イラクでもするのです。「我々は決して去らない。我々は決して去りはしない。我々は勝利する。我々は最後まで頑張る。我々は急いで逃げたりはしない。」といっておいた後で。ある時点で、アメリカ合衆国はイラクから大急ぎで逃げ出すしかなくなるのです。連中がそうすることになるのは、この国の中で反対する感情が益々、益々強くなってゆくからです。そして益々多くの兵士がイラクから帰国して「二度と戻らないぞ」と言うからです。彼らが、イラクへの軍隊補給を益々難しくするからです。若者の両親達がますます「私たちの若者をベクテルやハリバートンの為の戦争に送ることを許すつもりはない。そんなことをするつもりはない。」と発言するようになるからです。ある時点で、そう、ある時点で、政府が今してはならないと言っていることを私たちはすることになります。つまり大急ぎで逃げ出すのです。

大急ぎで逃げ出す必要はありません。歩き去る。泳ぎ去る。とにかく、出来る限り早く去ることです。あそこでアメリカは何もいいことをしているわけではないのですから。アメリカは状況を良くする助けをしてはいません。アメリカは平和をもたらしてはいません。アメリカはデモクラシーをもたらしてはいません。アメリカは安定をもたらしてはいません。アメリカがもたらしているのは、暴力と混沌です。アメリカはそうしたこと全てを引き起こし、人々が日々亡くなっています。民主党の指導者が「さあ、2000年5月14日なり何年何月何日なりまでには撤退すべきだと思う」という時。よろしいですか。その日まで、毎日より多くの人々が死に、より多くの人々が手足を失い、目が見えなくなるのです。ですからそれは耐え難いことです。そこで、我々は出来る限りのことをしなければなりません。

ベトナムの場合には、ある時点で政府が戦争を続けられないことに気がついたのです。GIがベトナムから帰国して戦争に反対しました。政府は彼らを予備役将校訓練団に参加させることはできませんでした。余りに多くの人々がカナダに逃げました。余りに多くの人々が徴兵書類に署名をしようとしなかったのです。最後は、徴兵制を廃止しなければならなくなったのです。政府は国民の支持を失いつつあったのです。政府は軍の支持を失いつつあったのです。ある時点で。

これに似た何かがおきるでしょう。私たちが、それがなるべく早く起きるようにできれば、もちろんその方がいいのです。我々が多くの高校に行けば行くほど、これは極めて実務的なことですが、ごく実務的なことで、誰でも出来ることですが、それは地方の高校に行って、両親達全員に、高校の全生徒に自分たちの情報を軍徴兵官に渡す必要は無いことをしっかり理解してもらうことです。お分かりですね。益々多くの人々のチームが軍徴兵官のプロパガンダに反論するようになるのです。

連中が苦労していることを知っています。連中は軍の新兵補充で自暴自棄になりつつあります。出来る限りのことをやっています。もちろん、連中は力を集中しています。連中は軍徴兵官を最も貧しい高校に派遣しているのです。なぜなら労働者階級の子供達こそが最も勧誘に弱いことを、一番生活に困っていて、教育が必要で、技術が必要で等々ということを知っているからです。それで連中は労働者階級を餌食にしようとしているのです。ユージン・デブスは言っています。ユージン・デブスを引用させていただければ、ただユージン・デブスは第一次世界大戦の時の演説で発言して、それで彼は監獄に送られたのですが。「常に支配階級が戦争を始めてきた。常に労働階級が戦争を戦ってきた」そしてもちろん、それは常に真実です。そこで我々はどこかの時点でイラクを脱出するのです。

一つご提案したいのです。私たちはイラクよりも先のことを、いやイランよりも先のことを考えなければなりません。この戦争やら、あの戦争やら、その次の戦争やらに反対して苦労したいとは思いません。無限に連続した反戦運動をしたくはないのです。疲れることですから。それで戦争そのものの廃絶について、考え、話し、教育する必要があるわけです。

先日私は、理髪師と話をしていました。私たちはいつも世界政治の話をしているのです。彼が政治的には実に気まぐれなのです。大半の理髪師同様に。彼は言いました。彼はこう言ったのです。「ハワードさん、ねえ、あなたと私は多くの点で意見が合いませんが、一つだけ一致することがありますね。戦争は何も解決しない。」私は思いました。「そうだ」人々がそれを理解するのは困難なことではありません。

そこでもまた、歴史が役に立ちます。我々には、戦争の、その次の戦争の、そのまた次の戦争の歴史があります。それで何が解決できたでしょう?戦争が何を果たしたでしょう?第二次世界大戦、「良い戦争」、私が志願した戦争で、私が爆弾を落とした戦争でさえ。戦争の後で私は手紙を貰いました。将軍の将軍であるマーシャル将軍から、私個人にあてられ、他の1600万人の兵士にあてられた手紙を、そこで彼は書いていました。「我々は」戦争に勝った。新しい世界になるだろう。」さて、もちろん、新しい世界になどなりませんでした。新しい世界にはならなかったのです。戦争のその次の戦争のそのまた次の戦争です。

ある種の考え方があります。あの戦争が終わったときに、私が志願した戦争、私が熱心な爆撃手だった戦争、あの戦争で、ある考えが、戦争末期に次第に、戦争についての考え方が育ちました。つまり、戦争はそれに関与する全員を腐敗させる、というものです。戦争はそれに関与する全員を汚染するのです。我々も始めは善玉なのです。第二次世界大戦の時のように。相手は悪玉です。彼らはファシストでした。それ以上悪いものがあるでしょうか?それで、相手は悪玉で、我々は善玉なのです。戦争が進むにつれ、善玉が悪玉のように振る舞い始めます。この現象はペロポネソス戦争にまでさかのぼることができます。善玉のアテナ人、悪玉のスパルタ人にさかのぼれます。そしてしばらくすると、アテナ人がスパルタ人のように冷酷で凶暴になるのです。

そして我々も第二次世界大戦でそうなりました。ヒットラーが残虐行為をした後、我々は自分たちで残虐行為をしました。ご存じのように、我々は日本で600,000人の民間人を殺害しました。我々はドイツでも恐らく同数の民間人を殺害したでしょう。これらの人々はヒットラーではありませんでした。彼らは東条ではありませんでした。そうではなかったのです。ごく普通の人々です。略奪する国家にすんでいる私たちのような一般の人間で、彼らは略奪する国に住んでいたのです。それがなんであれ、取り込まれてしまっていて、恐ろしくて自由に発言できなかったのです。それでともかく私は結論に至ったのです。そう、戦争は皆を汚染するのです。

戦争は、これは記憶すべき大切なことです。我々が独裁者に対する戦争をする時には。アメリカの主張の一つはこうでした。「我々はサダム・フセインを追い出しに行く」それはもちろん、たわごとでした。政府は気になどしていません。わが政府はサダム・フセインがイラク国民に暴政を行っていることを気にかけたでしょうか?アメリカは彼がイラク国民に暴政を行うのを手伝ったのです。アメリカは彼がクルド人に毒ガスを使うのを助けたのです。アメリカは、彼が大量破壊兵器を蓄積するのを手伝ったのです、本当に。

我々が戦争で殺害する犠牲者は、圧制者の犠牲者なのです。私たちがドイツで殺した人々はヒットラーの犠牲者でした。私たちが日本で殺したのは日本帝国陸軍の犠牲者でした。そして戦争で亡くなる人々は、益々軍人ではない人々になっています。戦争における民間人対軍人の死亡率の比率変化をご存じでしょうか。第一次世界大戦では、軍人10人の死亡に対して、民間人1人の死亡でした。第二次世界大戦では、50-50で、半数が軍人で、半数が民間人でした。ベトナムでは、70%が民間人で30%が軍人でした。それ以降の戦争では、それはおよそ80%から85%が民間人です。

数年前、私はイタリア人でジーノ・ストラーダという名の軍医と知り合いになりました。彼は10年から15年、世界中で戦争犠牲者を手術してきたのです。彼はそれについての本を書きました。グリーン・パロッツ(緑のオウム):軍医の日記です。イラクやアフガニスタンや至る所で彼が手術をしたあらゆる患者の中で、そのうち85%は民間人で、三分の一が子供だと彼は書いています。もしもあなたが理解すれば、そして、もしも国民が理解すれば、もしもこういう認識についての話をみなさんが広げれば、戦争について政府が皆さんに何と語ろうと、脅威が何であれ、目標がデモクラシーやら自由やらのなんであれ、なぜアメリカは戦争をしなければならないのかと連中が言うとき。それはいつでも子供達に対する戦争なのです。膨大な人数で亡くなるのは子供達なのです。

ですから、戦争は、そう、アインシュタインが第一次世界大戦の後でこう言っています。「戦争を人間化することは不可能だ。廃絶することだけが可能だ。」戦争は廃絶されるべきです。そしてそれは大胆な計画だというのは分かっています。それは分かっていますが、私たちはそうすべきなのです。たとえ大胆な計画でも、それは実現されるべきなのです。皆さんはその行動を始めなければなりません。1830年代のこの国の奴隷制度の終焉も、実に大胆な計画でした。それでも皆が頑張ったので、30年かかりましたが、奴隷制度は廃止されました。私たちは同じようなことを何度も実現できるのです。ですから我々には沢山の仕事があります。我々にはやるべきことが山ほどあるのです。

歴史から我々が学べることの一つは、歴史というのは、首脳陣が我々に対して押しつけられるものことの歴史だけではありません。歴史はまたレジスタンスの歴史でもあります。何十年も圧政に耐えたが最終的には立ち上がって独裁者を打倒した人民の歴史です。これを私たちは様々な国々で起きるのを目にしています、意外なことの連続です。完全に支配していたように見えた支配者が、ある日彼らが目覚めると突然、市街には何百万人もの人々がいて、支配者は荷造りをして、去るのです。これがフィリピンで、イエメンで、いたるところで、ネパールでも起きました。市街に何百万人もの人々がいて、支配者は立ち去らざるを得なかったのです。そうです、これが私たちがこの国で目指していることなのです。

我々がすること全てが大切です。私たちがする、あらゆるささやかなこと、私たちが張るあらゆるピケライン、我々が書くあらゆる手紙、我々が参加するあらゆる市民的不服従の行動、誰か兵士採用担当者に私たちが話しかけること、誰か両親に私たちが話しかけること、誰か兵士に私たちが話しかけること、あらゆる若者に私たちが話しかけること、教室の中で我々がするあらゆること、教室の外ですること、違う世界になるように我々がすること全てが大切なのです。たとえその時点では無駄なように思えても。そういう方法によって変化がおきるからです。何百万人もの人がささやかなことをすると変化が起きるのです。歴史のある時点で、こうしたことが一つにまとまり、そして何か良いこと、何か重要なことが起きるのです。

ご静聴有り難う。

記事原文のurl:www.democracynow.org/article.pl?sid=06/11/24/1442258

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文中の太字は訳者による。

「ひとつだけ覚えておくように。政府は嘘をつくものです。」は、「ひとつだけ覚えておくように。政府は陰謀をたくらむものなのです。」と言い換えられまいか?

諸国の政府が戦争を起こすために仕組んだ数々の陰謀への言及は、それが暴露されるまでは、それを仕組んだ体制側からは「陰謀論」と呼ばれる。

いわゆる「陰謀論」のすべてが正しいなどとは思わないが、体制側から「陰謀論」とレッテルを貼り付けた主張を、体制とその提灯持ちの商業マスコミの言うがままに、すべて排除していては、彼らの思うつぼ。いつになっても、我々は体制の餌食だろう。

ジンの言う通り、歴史を学べば、そのあたり、誰にでもわかりそうなものだ。

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2007年3月にブログに載せた記事。

2010/1/27、ジン氏逝去の報を受け、関連記事リンクを追加しようとした際、ブログ上の元ファイルを壊したため、再登録するもの。内容はそのまま。元記事は削除する。

2010年1月31日 (日)

アメリカ・マスコミは、なぜNW253便でのイスラエルの役割について沈黙しているのか?

Patrick Martin

2010年1月16日

およそ一週間前の1月10日、イスラエル新聞ハーレツが、ノースウエスト航空253便の機内で爆弾を爆発させようとした未遂事件における、イスラエルの警備会社インターナショナル・コンサルタンツ・オン・ターゲテッド・セキュリティ(ICTS)の役割を指摘する特派員ヨッシ・メルマンによる、ニュース記事を掲載した。

ICTS下請けのI-SECとPI社が、自爆犯として告訴されているウマール・ファルーク・アブドゥルムタラブが、デトロイト行きジェット機に搭乗した、アムステルダムのスキポール(=スヒップホル)空港における乗客の安全検査を担当している。この会社は、イスラエル諜報機関の経験に基づく、乗客を確認し、安全上のリスクを判定する検査技術を使っている。元エル・アル航空と、シン・ベート(イスラエル総保安局)の警備担当者が、自分達の専門技術を販売するため、1982年にICTS社を設立し、多数のアメリカ航空会社が、同社のサービスや技術を利用している。

ハーレツによると、アブドゥルムタラブは、ICTSによって検査されたが、警備担当者は、有り余るほどの証拠があったにも関わらず、彼を脅威として判別しそこねたという。

「たとえ、アメリカの諜報機関が失敗し、ナイジェリア人乗客の氏名が、航空会社にとって要注意人物として特定されずとも、彼は警備担当者達の疑念をかき立てたはずだ」新聞は書いている。「彼の年齢、氏名、不合理な旅行経路、ぎりぎりの時刻に購入された高価な航空券、預け入れ荷物無しでの搭乗(機内持ち込み手荷物のみ)、その他多くの兆候は、警備担当者達の警戒心を喚起し、容疑者を更に精査する正当な根拠として十分だったはずだ。ところが、I-SECとPIを代表する警備責任者は、彼が搭乗するのを認めたのだ。」

このイスラエルとのつながりは、イスラエルやヨーロッパのマスコミでは広範に報道されてきた。ハーレツに加えて、エルサレム・ポスト紙も、12月27日の記事で、アムステルダム空港におけるICTSの役割に触れ、イスラエル・テレビは、同社社長にインタビューし、彼はアブドゥルムタラブが安全検査を受けたことを確認した。

この報道は後に、イギリス、フランス、ドイツ、オランダ、スペインやイタリアでは、新聞やWebのニュースに掲載された。ところが、主要なアメリカのマスコミでは報道は皆無だ。ニューヨーク・タイムズワシントン・ポストウオール・ストリート・ジャーナルや、他の主要日刊紙では何も報道されず、どのテレビや、ケーブル・テレビのニュース放送局でも何も報道されていない。

ヨーロッパと、アメリカにおける報道の扱いの対照は、ICTSの役割が単なる些細なことではないことを示している。明らかに、アメリカ諜報機関からの直接の命令なり、あるいは、“自発的”であるがゆえに、同様の効果がある、間接的なマスコミの自己検閲制度という形で、この話題には触れるなという話になっているのだ。

ICTSの役割を隠すのに、どのような理由があるのだろうか?

まず第一に、関連している事実があるということだ。2001年12月22日に“靴爆弾犯”リチャード・レイドが、アメリカ行きの飛行機に搭乗した際、ICTS社は、パリ郊外のシャルル・ドゴール空港で、警備を担当していた。同社は、2005年7月7日の自爆攻撃の際も、ロンドンのバス・システムの警備を担当していた。また、2001日9月11日、四人の自爆ハイジャッカーのうちの二人が出発したボストンのローガン空港においても、ICTSは、警備業務を担当していた。

少なくとも、特にテロ攻撃を、それと特定し、未然に防ぐ、イスラエル治安機関の専門技術を考えれば、これらは、奇妙な偶然の一致だ。過去十年間の中でも、最も悪名高いテロ攻撃四件それぞれの現場に、ICTS社の社員が居合わせ、テロリストを止める行動をとりそこねたのだ。

28年にわたる操業で、ICTSは22ヶ国で業務を展開し、フランス、イギリス、スペイン、ハンガリー、ルーマニアやロシアの空港で業務を行っており、11,000人以上の警備担当者を雇用している。9/11事件後、乗客審査業務が民間企業からとりあげられ、新設された運輸保安局(TSA)に任される迄、同社はアメリカの空港の幾つかで業務契約があった。

ICTSの役割に関する沈黙は、ノースウエスト253便爆破未遂事件の背景にまつわる、いかなる報道も避けるという、マスコミのより全般的変化の中で、唯一、非常に奇妙な側面だ。ハイチ地震が、正式に?注目の的となる前から、マスコミはクリスマスの出来事の検証からは顕著に目を背けていた。

オバマ ホワイト・ハウスと諜報機関による、ノースウエスト253便に関する公式説明は余りに信じがたく、この話題を扱うのをやめ、衆目を違う方向にそらせようという、組織的努力があったかのように見える。そうした文脈の中、イスラエルの警備会社の役割に対する完全な黙殺状態は、すんでのところで約300人の命が失われるところだったクリスマスの事件に至るまでの時期に、アメリカや他国の諜報機関が果たした役割について、一層の疑問を投げかけるものだ。

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2010/jan2010/f253-j16.shtml

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宗主国のマスコミにならって、この国のマスコミでも、こうした情報、ほとんどみかけることがない。

2010年1月10日 (日)

好都合な爆弾策謀

Finian Cunningham

"Gulf Daily News"

2010年1月06日

ナイジェリア人の若者が、デトロイトへの着陸準備中の飛行機で、すんでのところで爆弾に点火する事態を許してしまった治安対策の失敗に関する、ワシントンでの責任のなすり合いは、一体どのようにして、またなぜこの出来事が起きたのかを巡る疑惑をひき起こしている。

オバマ大統領と副官達は、治安対策における"壊滅的"失敗だとして、ペンタゴンとCIAを激しく非難している。しかも、これが実に多くを語っているのだが、 その後、腹を立てたCIA担当者が、爆破犯とされる人物に関する情報を、早くも11月の時点で、ホワイト・ハウスと密接に協力している国土安全保障省に伝えていたことを明らかにした。

ワシントンでの大騒ぎは、アメリカ支配層内部の勢力が、到底信じがたい爆弾策謀に、信ぴょう性のうわべをもたらすためのスケープゴートを探していたことを示唆している。この策謀は、イエメンのアルカイダとつながった、過激派ナイジェリア人が、クリスマスの日に、およそ300人の乗客を殺害する狙いで、アメリカのグローバルな治安・監視をくぐり抜けることに成功した、と我々に信じさせようとするものだ。

今や、イラク、アフガニスタンやパキスタンへの、無駄で破壊的なワシントンによる介入や、ワシントン政府によるプライバシーや公民権侵害に一層批判的になっている、大多数のアメリカ国民の意志に反し、"対テロ戦争"を強化せよという声が上がっている。

特にイエメンへの軍事介入によって、アメリカ政府による新戦線拡大を可能にすべく、アメリカ国民の恐怖と怒りを徐々に強めることが意図されている。

アメリカ政府、あるいは政府内部の闇の勢力は、地政学的戦略を推進するために、自国民の命を犠牲にする、そのように悪質な作戦を実行することがあり得るだろうか?

歴史的な証拠はそれを認めている。「治安上の失敗」とされるものが"正しい戦争"の口実として、アメリカ(あるいは他の政府)によって利用されるのは試験済みの常とう手段だ。

アメリカによる、戦争開始の典型的口実の中には 1898年、キューバ沖での戦艦メイン号の"不可解な"沈没もあるが、これはアメリカ国民を激高させ、米西戦争をひき起こした。戦勝により、アメリカは帝国という地位に出世し、スペインに代わり、南米における覇権を得た。

1941年の日本による真珠湾攻撃もこのパターンだ。2,000人以上のアメリカ兵士の死が、またもやアメリカ世論を激高させ、アメリカの第二次世界大戦参戦を促した。

ところが、日本による"秘密"攻撃が差し迫っていることを、ワシントンは十分承知していたのに、それまで参戦に冷淡だったアメリカ国民の間に参戦気分を盛り上げるべく、起こるにまかせたことを、機密扱いを解除された文書が示している。アメリカは、この戦争の後、西欧の経済・軍事大国として登場する。

1964年のトンキン湾事件も、もう一つの典型的な戦争の口実だ。北ベトナム海軍との戦闘とされるものが、現在はワシントンの機密扱いを解除された文書によって、実際には起こらなかったことが明らかにされているのだが、リンドン・ジョンソン大統領が、ベトナム戦争をエスカレートすることを可能にした。

このごまかしのリストには、9/11テロ攻撃も追加可能かも知れない。この場合には、アルカイダ容疑者だと分かっていた人物達が、アメリカへの入国を許され、パイロットとして訓練を受け、ジャンボ・ジェット機を、ニューヨークのツイン・タワーとペンタゴンに突入させる計画を実行した。どうして、このように大胆な策謀が起こり得たのかに関するアメリカの公式調査は、広く "ごまかし"として批判されており、無数の疑問が、当局や治安機関からの回答がないままになっている。

だが、結果として生じた、アメリカにとっての戦略的利点については議論の余地はない。世界の中でも、将来のエネルギー供給にとってきわめて重要な地域で、アメリカや、世界の世論では、決して受け入れられなかったであろう、国際法のもとでは決して認められないはずであったであろう介入を、戦争をしかけることだ。

つまり、終わりも、信頼に足る目的も、見えぬまま、アメリカ人の若者や無辜の村人たちを殺害し続けている、何兆ドルも費用がかかる戦争に、アメリカ国民がいよいよ、うんざりしているのに、地域戦争をイエメンにまで拡げたいとワシントンが望んでいるまさにその時、実に好都合に、イエメンとつながりがある"クリスマス爆弾策謀"が起きたのだ。これはアメリカの戦争目的に対する贈り物だ。

記事原文のurl:www.gulf-daily-news.com/NewsDetails.aspx?storyid=267937

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真珠湾攻撃のくだりは、計画について報告した1941年1月27日東京発グルー駐日大使電文等について言っているのだろうか?

ロバート・スティネットの本(邦題)『真珠湾の真実』文藝春秋2001年刊は、以前読んだ記憶がある。原作Day of Deceit, The Truth about FDR and Pearl Harbor, Robert B. Stinnett, Chandler Crawford Agency Inc. 2000。

米西戦争、トンキン湾という固有名詞で、下記講演(翻訳記事)を思い出す。

ハワード・ジン「歴史の効用とテロリズムに対する戦争」を語る

2010年1月 1日 (金)

デトロイト航空機テロ事件:陰謀論ならぬ好都合論

Grant Lawrence

2009年12月27日

小生、至る所に陰謀があると考えるほうではないが、良くできた好都合論は大好きだ。デトロイトで、着陸の際に、航空機を爆破しようとした、ウマル・ファルーク・アブドルムタラブによるテロの失敗と同時に生じていることがまさにそれだ。

ここ数ヶ月間、サウジアラビアはイエメンを戦闘機で爆撃している。つい最近アメリカもアルカイダ基地を叩く狙いとされる企てで、イエメン巡航ミサイルを撃ち込んだ。アメリカの戦闘機イエメン攻撃に参加していた。これに応え、アルカイダが、アメリカの攻撃に報復すると、警告を発していたといわれている

デトロイト行き航空機のナイジェリア人テロ容疑者が、イエメンとつながっているらしいことがわかったようだ。あるいは、少なくとも、この容疑者は、彼の爆弾がイエメンで製造されたと自供しているといわれている

アメリカが、イエメンを攻撃する良い理由を必要としているまさにその時に、好都合なことに、理由が一つできたわけだ。この最近のテロの企てよりも前に、アメリカとサウジが攻撃を始めていたことなどどうでも良いのだ。ナイジェリア人がイエメン人テロリストだということだけ、覚えておけば良いのだ。

キャット・スティーブンスや、CIAに批判的な本を書いている人物を許さない搭乗拒否リストが、どうしてこの'ナイジェリア人/イエメン人'テロリストを見逃したのかと疑問に思い始めているむきもある。報道では、このテロ容疑者は監視対象者であり、彼の父親が在ナイジェリア・アメリカ大使館に、自分の息子(未来のテロリスト)が危険人物である可能性を通報していたという。

この監視対象のデトロイト・テロリスト爆弾犯人が、爆弾を身にまとって、飛行機に搭乗することを許されたのを、怪訝に感じている人々もいる。

イエメン攻撃と、そこで、必要だった、アメリカの対テロ戦争拡大を推進するのに役立つ好都合な出来事、何かうさん臭い。

たまたま、好都合なことに、連邦議会の議員達が、テロ戦争を拡張して、イエメンも対象に入れる必要があると要求しているのだ。テロ戦争を大幅に拡張するべきだという最もはっきりした主張をしている人物の一人は、有名な大企業の手先(連中全員そうではあるまいか?) コネチカット州選出のジョー・リーバーマン上院議員だ。

リーバーマンはフォックス・ニューズでこう警告した。「アメリカ政府のある人物が、イエメンの首都サナアで、私にこう言った。イラクは昨日の戦争だった。アフガニスタンは今日の戦争だ。我々が、先制して行動しなければ、イエメンは明日の戦争になるだろう。それが我々が直面している危機だ。」

リーバーマンによれば、政府は既に、対テロ戦争を拡大して、イエメンも対象にする用意ができていたもののようだ。アメリカ合州国による最近のイエメン爆撃が、これを実証している。

私のナイジェリア/イエメン航空機爆撃事件好都合論に関して、是非お話しておきたいことがもう一つある。

愛国者法の一部は、この大みそかに、失効することになっていたのだ。

さて、本当の好都合についての話だ。

愛国者法の、論争の多い部分が、まさに失効するところで、それを延長しようという政治的意志も十分あると言えない時に、イエメンとつながったテロの企てが実際に起きた。

何と好都合なことだろう!

現時点で、我々が言えるのは、デトロイトの未遂テロ攻撃は、余りに好都合過ぎるように見えるということだ。海外においては、対テロ戦争を、アメリカ国内においては、技術的な警察国家を、拡張したがっている政府内の連中にとって、実に好都合なタイミングで、起きている。

だから、私は陰謀論には同意するものではないが、好都合論には同意するものだ。

小生のことを好都合論者とお呼びになって結構だが、好都合な事実に気づいた以上、小生、それに注意を促さざるを得ない。

記事原文のurl:grantlawrence.blogspot.com/2009/12/detroit-airliner-terror-incident.html

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東京新聞TOKYO Webには下記記事がある。実に「好都合」。話がうますぎる。
米機爆破未遂 『米が報復攻撃準備』

911後の、アフガニスタン攻撃や、イラク攻撃を思い出す。
911、テレビで見た瞬間は、恥ずかしながら、ヤラセと気づかなかった。
アフガニスタン攻撃や、イラク攻撃のあわただしさを見て、どう考えても、ヤラセ以外はありえないと推定したのだった。アメリカ侵略史を振り返れば、それ以外の結論はありえない。

この出来事に関するテレビ・新聞の垂れ流し報道を、真に受ける人々、一体どのくらいの比率なのだろう?ニュースを見聞きした瞬間、うさんくさいと思わないだろうか?「チェックを受けるぐらいなら、アメリカ観光などやめよう?」などとは思われないのだろう。仕事で飛行機に搭乗する際、チェックは厳しくなるのだろうか、と出来事の余波が気にはなる。

新聞は事前入稿した宣伝広告ページの山、テレビは取りためた白痴番組と、出身地や出身大学別に夢中になって応援できる運動番組一辺倒。運動番組は、ヴォネガット『猫のゆりかご』のグランファルーンそのまま、お目出度いお約束の世界。

おかげで節電・二酸化炭素排出減少を大いに実践している。

追記:10/01/04

日本大使館が閉鎖したという記事を、新聞で読んだような気がする。どこかであったような、アメリカ・ミサイルによる大使館「誤爆」をさけるには、やむをえないのかもしれない。しかし、サヌアで、サッカー試合は、しっかり行うという。

「わが抱く思想、全て運動神経なきに因するがごとし、木枯らし吹く」

2009年5月18日 (月)

オバマの『動物農場』: より大規模で残酷な戦争は、平和で公正だ(旧記事)

Prof James Petras

Global Research

2009年5月17日

デルタ部隊の連中は、精神病者だ。…デルタ部隊で服務するには、折り紙付きの精神病者でないといけない…」、フォート・ブラッグ基地の、ある陸軍大佐が、1980年代、私にそう言ったことがある。今や、オバマ大統領は、最も悪名高い精神病者スタンリー・マクリスタル中将を、アフガニスタンにおける、アメリカとNATO軍司令官に昇進させたのだ。マクリスタルの昇進は、裁判なしの暗殺、体系的拷問、一般市民社会への爆撃、そして、索敵殲滅作戦を遂行する特殊作戦チームを指揮する上で、彼が果たした重要な役割によって特徴づけられる。彼は、軍主導の帝国形成にともなう、残虐さと血糊の権化まさにそのもの。2003年9月から、2008年8月まで、マクリスタルは、外国での暗殺を行う特殊部隊を運営する、ペンタゴンの米統合特殊作戦コマンドを指揮していた。

「特殊作戦」チーム (SOT)の要は、民間人と反対勢力軍を、活動家とその同調者や、武装反抗勢力を、区別しないことにある。暗殺隊を作り、民兵部隊を採用し、訓練し、アメリカ属国政権に反対するコミュニティー、地域、社会運動を威嚇することが、SOTの専門だ。SOTの「テロ対策」なるものは、アメリカの代理人と、武装抵抗勢力との間にたつ、社会-政治集団に焦点を当てる裏返しのテロだ。マクリスタルのSOTは、イラク、アフガニスタンやパキスタンの、現地反抗勢力指導者を、奇襲攻撃や空爆による、標的としてきた。過去5年間にわたる、ブッシュ-チェイニー-ラムズフェルド時代に、SOTは、政治犯や容疑者の拷問に深く関与していた。「特別任務部隊」の「直接行動」部隊責任者だったために、マクリスタルは、ラムズフェルドとチェイニーの大のお気に入りだった。「直接行動」工作員は、暗殺隊であり、拷問人であり、現地住民に対する彼らの唯一の関与は、威嚇することであって、宣伝活動ではない。彼らは「死のプロパガンダ」に従事し、現地の指導者達を暗殺して、占領に服従、屈伏するよう現地人を「教えこむ」のだ。オバマがマクリスタルをトップに任命したことは、アフガニスタン中で広がっている抵抗に直面して、アフガニスタン戦争を、新たに大規模に軍事エスカレーションすることを反映している。

アメリカの立場が悪化していることは、アフガニスタンの首都カーブルに出入りする全ての道路を巡る円陣が強化されていること、パキスタン-アフガニスタン国境全域にわたるタリバンの支配と影響力の拡大から、歴然としている。オバマは、新たなNATO増派を期待することができないので、軍主導型の帝国を推進するためのホワイト・ハウス唯一の望みは、アメリカ兵士の人数を増やし、アフガニスタンの武装反抗勢力によって支配されている地域のあらゆる、全ての疑わしい民間人の殺傷率を高めることしかない。

ホワイト・ハウスとペンタゴンは、マクリスタル任命は、現地状況の「複雑さ」と、「戦略変更」の必要性によるものだと主張している。「複雑さ」というのは、伝統的な絨毯爆撃と軍事掃討作戦を困難にしつつある、民衆の対アメリカ抵抗が増大していることの婉曲表現だ。マクリスタルが実施する新戦略は、武装抵抗勢力に支援体制を提供している、現地の社会ネットワークや共同体の指導者を壊滅し殺害する、大規模で長期的な「特殊作戦」を伴うのだ。

(特に「特別部隊」の指揮の下での)アメリカ兵士による囚人の拷問と「尋問」に関わる多数の写真記録の公開を阻止するというオバマの決断は、イラクにおいて広く行われていた拷問にかなり深く関与していた「SOT」部隊を指揮していたマクリスタルを任命したことと直接関連している。同様に重要なのが、マクリスタルの指揮の下で、DELTA、SEAL、および、特殊作戦チームが、新たな「対テロ戦略」において、より大きな役割を担うだろうことだ。こうした写真を公開すれば、「兵士達」に対して逆効果になるという、オバマの主張には、特別な意味がある。ブッシュ大統領の下での過去5年間にわたるマクリスタルの手口が、画像で暴露されると、オバマの下で同じ作戦を遂行する上で、彼の有効性が損なわれてしまうのだ。

グアンタナモ監獄に抑留されている外国人政治犯の秘密「軍事法廷」を再開するという、オバマの決断は、オバマが、大統領選挙キャンペーンの間、非難し、無くすと約束していたブッシュ-チェイニー政策の単なる再演ではなく、国を軍事化するという彼のより大規模な政策の一部であり、アメリカ国民に対して行われる大規模な秘密警察監視作戦を彼が承認したこととも、合致する。

マクリスタルを、拡大版アフガニスタン-パキスタン軍事作戦の責任者に据えるということは、軍事テロ、つまり、アメリカ政策に対する反対者への拷問と暗殺の、悪名高い実践者を、アメリカ外交政策の中心に据えるということだ。オバマによる南アジアにおけるアメリカの戦争の量的、質的拡大は、自分たちの農場、家、村の破壊から逃れる膨大な人数の難民を意味する。何万人もの民間人死者と、共同体丸ごとの根絶だ。こうしたこと全てが、「魚(武装反抗勢力と活動家)を獲るために、湖を空にする(住民全員を強制退去させる)」作戦を進めるために、オバマ政権によって行われるのだ。

オバマが、最も悪名高いブッシュ時代の政策を全て復活させ、ブッシュの最も残酷な司令官を任命したのは、軍が主導する帝国形成というイデオロギーを、彼が全面的に奉じていることによるものだ。アメリカの権力と拡張は、軍事征服と対ゲリラ作戦に基づくものだと、(オバマのように)一度思い込んでしまえば、ほかのあらゆるイデオロギー的、外交的、道徳的、経済的配慮は、軍国主義に従属させられてしまう。あらゆる資源を、軍事征服の成功に集中することにより、アメリカ財務省やアメリカ国内経済の復興を対象に、国民が負担すべき費用に対しては、わずかな注目しか集まらなくなる。これも始めから明らかだった。大規模な景気後退/不況で、何百万人ものアメリカ人が職や家を失うさなか、オバマ大統領は軍事予算を4%も増大し、予算は8000億ドルを超えた。

オバマが軍国主義を奉じていることは、NATOが、更なる戦闘部隊の増派に反対しているにもかかわらず、アフガニスタン戦争を拡大するという彼の決定からも明らかだ。一番の強硬派で、ブッシュ-チェイニー時代の悪名高い特別部隊司令官を、アフガニスタンやパキスタン辺境地域を鎮圧する軍事司令部のトップに任命したことで、それは明白だ。

ジョージ・オーウェルが『動物農場』で描いたのと全く同じだ。民主党の豚たちが、今や、前任者の共和党食用豚と全く同じ、残酷な軍事政策を推進しているのだ。ただ今度は、国民と平和という名の下で。オーウェルなら、バラク・オバマ大統領の政策を、「より大規模でより残酷な戦争は、平和と公正である。」と言い換えたかもしれない。

James Petrasは、Global Researchの常連寄稿者。James Petrasによる、Global Research記事。


 

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免責条項:本記事の見解は、著者のみが責任を負うものであり、必ずしもCentre for Research on Globalizationの見解を反映するものではありません。

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© Copyright James Petras, Global Research, 2009

記事原文のurl:www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=13644

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1945年に刊行されたイギリス人作家ジョージ・オーウェルの寓話小説『動物農場』では、「荘園農場」で、家畜を搾取していた持ち主のジョーンズ氏を、豚の指揮のもと、家畜たちが追い出す。しかし、革命の陶酔も長くは続かず、豚が、家畜を支配して、人間と取引を始め、甘い汁をすうようになる。農場は、人間が支配していた時代以上に、家畜にとって過酷なものとなる。

同じジョージ・オーウェルの『1984年』という、1948年に執筆された小説は、永久に戦争が続く、まさに現代のような状況を描いている。その小説の中で、使われる有名なスローガンは、『戦争は平和である。自由は屈従である。無知は力である。』

オーウェルは、第二次世界大戦時、イギリスBBCで、戦争プロパガンダ番組を作成・放送していた。メディア・プロパガンダの先駆者の一人だろう。

上記記事、『動物農場』同様、現代アメリカでも、主人の交代で庶民の暮らしは良くならないこと、つまり、

「ブッシュ共和党の後、オバマ民主党により、戦争はますます過酷になって行く」ことを端的に示している。

アメリカでは、『動物農場』学校の授業で習う、誰でも知っている小説らしいが、知っていることと、それを避けることは、全く別なのだろう。

庶民にとって意味ある選択肢を無くすため、宗主国と同じ、二大政党システムを導入すべく、小選挙区制度を実現したのが小沢元代表。今度こそ、民主党の選挙担当、代表代行として、「民主党」で政権を獲る可能性は高い。

だが属国政治が、宗主国のエミュレーションの域から脱することは決してありえない。

「自民党・公明党連立政権の後、民主党(・xx党連立?)政権により、テロ帝国による戦争への属国の加担はますます過酷になって行く」に違いない。

民主党の長島昭久議員が、対ソマリア海賊派兵を最初に提案したのだ。
民主党小沢元代表が、アフガニスタンのISAF参加を主張しているのだ。
民主党鳩山代表が、憲法9条の破壊を早速示唆しているのだ。

従米自民党とどこが違うだろう。

民主党が、自民党・公明党より、対米自立を主張、実践してきた事実は皆無だろう。

昔、戦争突入をあおったマスコミが、また同じ目的で、何をいうのにも驚かない。しかし、多数のブロガーが、小沢支持一辺倒、民主党による政権交代原理主義者でおられるのは、実に何とも不思議なこと。

小泉911選挙の焼き直し、飛んで火にいる夏の虫。小泉自民党・公明党に投票して、セーフネットをはずされたことをお忘れのようだ。再び、庶民は騙され、宗主国と同じ、庶民にとって利益のない、二大支配政党論に取り込まれる。こうして、属国戦争遂行体制は作られて行く。

「戦争に良い戦争と悪い戦争がある」「一国平和主義は無責任だ」という類の、憲法破壊の主張、分かっていて主張していれば、戦争で儲かる宗主国の回し者か武器業者、騙されて主張していれば、いわゆるB層。一般庶民にとって、良い戦争などあろうはずがない。戦争は皆悪いのだ。悪い平和なら、あるいは、あるかも知れないが、庶民にとっては、必ずや良い戦争、悪い戦争よりましだろう。

2009年2月 8日 (日)

対テロ戦争はでっちあげだ

Paul Craig Roberts

2009年2月4日

Information Clearinghouse"

アメリカ政府のプロパガンダによると、テロリストの細胞が全米に広がっており、政府としては、あらゆるアメリカ人をスパイし、他の憲法による保護の多くに違反せざるをえなくなっているのだとという。ブッシュ大統領の退任演説の中には、アメリカが間もなくまたイスラム教テロリストに攻撃されるだろうという警告があった。

もしもアメリカにテロリストが侵入していれば、政府に教えてもらう必要はない。事件でわかるはずだ。何も事件が起きていないので、無意味な戦争、市民的自由の侵害、国民IDカードや、飛行機に乗るときの不便さといやがらせを、国民に受け入れさせている、この恐怖を維持するため、アメリカ政府は、それを警告で代用しているのだ。

テロリスト細胞など存在しないという最も明らかな徴候は、ネオコンは一人たりとも暗殺されていないことだ。

私自身は、暗殺なぞ認めず、わが国の政府が政治的暗殺に関与していることを恥ずかしく思うものだ。アメリカとイスラエルは、アルカイダが真似をするための非常に悪い見本を作ってしまっている。

アメリカは,アルカイダとタリバンには、彼らの指導者価値を暗殺して対処しており、イスラエルはハマースには、指導者を暗殺して対処している。アルカイダが、中東にいるアメリカの戦争の扇動者と指導者に対して、同じように対処するだろうと考えるのは妥当だろう。

現在、あらゆるアルカイダのメンバーは、イラク、アフガニスタン、レバノンやガザのイスラム教徒が味あわされている死や荒廃に、ネオコンが連座していることは十分に承知している。しかも、ネオコン連中は、非常に目立つので、ハマースやヒズボラ指導者と比べれば恰好の標的だ。ネオコン連中は、マスコミでもう何年も特定されており、誰でも知っているように、彼らの名簿はオンラインで入手可能だ。

ネオコン連中は、シークレットサービスによる警護を受けていない。考えるだけでもぞっとすることだが、ネオコンの誰でも、また全員でも、アルカイダが暗殺するのは朝飯前だろう。ところが、ネオコン連中が自由に動き回っていることは、アメリカにはテロ問題などないという格好の証明ではないか。

ネオコン連中が絶えず主張している通りに、もしもテロリストが、アメリカの諸都市に大惨事をもたらす核兵器や有毒な放射性物質を撒き散らす爆弾をアメリカに密輸できるなら、テロリストは、どんなネオコンでも、また元政府幹部でも暗殺できる武器だって調達できるだろう。

ところが、イスラム教徒たちから最も憎まれているアメリカ人であるネオコン連中は、無傷のままだ。

“対テロ戦争”なるものは、アメリカによる石油パイプライン支配、軍-民間警備会社複合体のもうけ、警察国家を助長する連中による市民的自由への攻撃、そしてイスラエルの領土拡大等を覆い隠すための、でっちあげなのだ。

アメリカが侵略をして、アルカイダをイラクに入らせなかったサダム・フセインを打倒し、アルカイダを入りこませるまで、イラクにはアルカイダなどいなかったのだ。タリバンは、テロ組織ではなく、アフガニスタンをイスラムの法のもとで統一しようと狙っている運動だ。タリバンによって、脅かされている唯一のアメリカ人は、タリバンを殺害し、アフガニスタン国民に傀儡国家を押しつけようとして派兵しているブッシュだ。

イスラエルの違法な併合後、わずかに残された場所であるパレスチナで、ハマースは民主的に選ばれたのだ。イスラエル政府とアメリカ政府がテロ組織であるのと同じ意味では、ハマースもテロ組織だ。ハマースをイスラエルの覇権下に抑え込むのを目指して、イスラエルは、パレスチナ人に対して、テロ爆撃と暗殺を行っている。ハマースは、イスラエルのテロに対して、自家製の効果のないロケット弾で反撃している。

ヒズボラは、イスラエルが自国領土拡張をもくろんでいる中東地域の一つ南部レバノンのシーア派を代表している。

アメリカが、ハマースとヒズボラに“テロ組織”という烙印を押しつけているのは、紛争で、アメリカがイスラエル側についていること以外に何の理由もない。ハマースとヒズボラがテロ組織だというアメリカ国務省の「所見」には何ら客観的根拠はない。単なるプロパガンダ的発表に過ぎない。

アメリカ人もイスラエル人も自分たちの爆撃を、民間人へのテロとは呼ばない。アメリカ人とイスラエル人がテロと呼んでいるものは、自分たちの国が、弾圧者連中に忠実な傀儡によって支配されているがゆえに市民権がない、抑圧された人々の反撃なのだ。この人々は、自分たちの国を奪われ、国務省も、国防省も、国連議席もなく、大手マスコミで発言もできない。彼らができるのは、外国の覇権に屈伏するか、入手できる限られた手段を使って抵抗するかのいずれかだ。

イスラエルとアメリカ合州国が、この根本的な事実が悟られないように、果てしのないプロパガンダを遂行しているという事実こそが、間違っているのは、イスラエルとアメリカであり、パレスチナ人、レバノン人、イラク人、そしてアフガニスタン人が不当に扱われていることを示している。

フォックス“ニュース”なるものの戦争プロパガンダのために働いている退役アメリカ軍人連中は、イランが、イラクとアフガニスタンの反抗分子やハマースに武器を供与していると、いつまでも主張し続けている。しかし、どこに武器があるだろう? アメリカの戦車に対処するのに、反抗分子は、大砲の砲弾から、自家製の爆発装置を作り出すしかないのだ。6年間の紛争後でも、反抗分子は依然として、アメリカの武装ヘリコプターに対する武器をもっていないのだ。この“武装”を、アメリカが三十年前にアフガニスタン人がソ連を追い出すべく戦っていた時に供給した兵器と比較して頂きたい。

ガザに対するイスラエルの残忍な猛攻撃の映像は、膨大な数のガザ住民がイスラエルの爆弾から逃げたり、死者や不具になった人々を掘り出していたりする場面だが、こうした人々の誰一人武装していない。今頃までに、あらゆるパレスチナ人、あらゆる男性、女性、子供たちは武装しているはずだろうと人は考えがちだ。ところが、イスラエルによる攻撃についての全映像は、非武装の人々を映し出している。ハマースは、反抗のあかしにすぎない自家製ロケット弾の自製を余儀なくされている。もしもハマースがイランから兵器を供給されていれば、イスラエルのガザ攻撃で、イスラエルの武装ヘリコプター、戦車や、何百人ものイスラエル兵士の命が犠牲になっていただろう。

ハマースは小規模な組織で、防弾チョッキを貫通できない小口径ライフル銃の装備しかない。ハマースは、イスラエル入植者の小集団が、ヨルダン川西岸のパレスチナ人村を襲い、パレスチナ人を追い出し、パレスチナ人の土地を収用するのを止められないのだ。

大きなミステリーがある。60年間もの圧政後も、なぜパレスチナ人は依然として非武装のままなのだろう? パレスチナ人を非武装のままにしておくことについて、明らかにイスラム諸国がイスラエルやアメリカに加担しているのだ。

イランが高度な武器をパレスチナ人に供与しているという根拠のない主張は、サダム・フセインが大量破壊兵器を持っているという根拠のない主張と同じだ。こうした主張は、中東でアメリカとイスラエルの覇権を確保するために、アラブの民間人を殺害し、民間の経済基盤を破壊することの、プロパガンダ的な正当化だ。

記事原文のurl:www.informationclearinghouse.info/article21906.htm

2008年11月29日 (土)

ムンバイ・テロリスト、チェチェン作戦を使用

Russia Today - 2008-11-28

インドの都市ムンバイで、150人以上の人々を殺害し、300人以上を負傷させたテロリストは、チェチェンの過激派が北カフカスで使ったのと同じ戦術を使用したと、ロシアの大統領対テロ特使アナトリー・サフォーノフは語っている。

1990年代に北カフカスの町で、テロリストが家や病院を占拠し、無数の人質をとった。

「これらの戦術は、過激派チェチェン人野戦司令官シャミール・バサーェフやサルマン・ラドゥーエフが、ブジョンノフスクとピェルヴォマイスコエの町を襲撃する際に使用された。歴史上始めて、町全体が威嚇され、家や病院が占拠された。ムンバイ・テロリストは、こうした戦術を良く学んでいる」とサフォーノフは、木曜日にロシアの通信社インターファックスに語った。

ムンバイ・テロは、地域レベルの対テロ対策は十分ではないことの証明だとサフォーノフは語った。

「実在しない脅威との戦いや、ある国々の指導者による軍事上の冒険を支援するために、世界は膨大な資源を使っている。それなのに、大都市が一握りのテロリストによる襲撃に対して無防備であることが明らかになったのだ。世界規模のテロが最大の課題であり続けているという、一つの警告だ」サフォーノフはインターファックスにそう語った。

彼はまた、ムンバイ攻撃テロ集団の背後を徹底的に調べるのはインド諜報機関の仕事だと指摘した。「何らかの著名なテロ組織の下部組織」であるか否かを判断する必要があろうとサフォーノフは語っている。

大統領特使は、ロシア-インドの対テロ作戦作業グループが近い将来会合できると良いと期待を表明した。

「インドの人々への支援とお悔やみの気持ちを表明し、ムンバイのテロ攻撃で身内や愛する人々を亡くされたご家族に同情申しあげる」とサフォーノフは語った。

木曜日 テロリストは、ムンバイで、何軒かの一流ホテル、レストランと鉄道駅を含む10の標的を攻撃した。

警察は、都市の支配権を奪還したと語っている。

記事原文のurl:www.russiatoday.com/news/news/33921

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上記urlには煙があがるムンバイのホテルに似たブジョンノフスクの病院の写真がある。