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オバマ大統領

2009年12月14日 (月)

オバマ、平和賞受賞に際し、終わりなき戦争の支持を主張

2009年12月11日

ノーベル平和賞承諾を発表した際の、最も好戦的な演説が記憶に新しい中、木曜日オスロで、バラク・オバマ大統領は、益々拡大する戦争と新植民地主義的占領について演説し、アメリカの支配層エリートは世界支配を目指して前進するつもりだと世界に警告した。

オバマは、何万人ものアメリカ軍兵士のアフガニスタン派兵を擁護し、不気味にも、いずれも、あるいは全てが将来のアメリカ軍事介入の標的となりかねない、イラン、北朝鮮、ソマリア、スーダンのダルフール、コンゴ、ジンバブエやビルマについて言及した。

授賞式で、オバマが自分自身“二つの戦争のさなかにある軍の全軍最高司令官”であることを認めた際には、ぼんやりとした茶番劇風要素もあった。彼は、戦争を、国家の権益を追求するための正当な手段として表現した。

オーウェル風に、彼は「戦争の手段は、平和を保つうえで役割を持っている。」、「すべての責任ある国は、明確な任務を与えられた軍隊が、平和維持のために果たすことができる役割を認めなければならない。」そして、帝国主義国家の軍隊は「戦争をおこす人々ではなく、平和を保証する人々として」讃えられるべきだと主張した。

世界平和を促進するためのものと想定される賞を与えられながら、オバマは、過去と、現在と将来の軍事行動の正しさを主張した。アメリカ大統領は、「我々が生きている間には、紛争を根絶することはできまい」という“つらい事実”を聴衆に伝えた。国々は「武力行使は、必要であるのみならず、道義的に正当化もされると考え」続けるだろうと彼は断言し、潔癖性の人々は「軍事行動を巡る深く相反する感情の交錯」や「世界唯一の軍事超大国であるアメリカへの反射的な疑念」を克服しなければならないと強調した。

未練がましく「多くの国で、こうした任務に当たる人々の努力と、一般市民の相反する感情の間には、溝が存在している。」と語って、世界中の多数の人々が、帝国主義戦争に反対していることを彼は認めた。しかし民意も民主主義もくたばれ、だ。「平和は望ましいという信念だけで、平和を実現することはきわめて稀だ。平和には責任が必要だ。平和は犠牲を伴うのだ。」

アメリカの権益を擁護するためであれば、アメリカが必要と考えれば、どれだけ人的コストが生じようと、いつでも、どこにでも、介入できるというワシントンの信念を、オバマは傲慢にも説明した。

これは“愛の法則”やら、必然的に“神の輝き”といった、道徳を高めるような言葉によって、むしろみじめなほど包み隠されていた。演説にも、表現の仕方にも、およそそうした気配も見られなかったにもかかわらず「武力紛争における犠牲を痛切に」感じていると彼は語った。逆に、一連のキャンパス駐車規則を発表する大学側管理者並みの浅い感情で、オバマは戦争と平和に関する自分の意見を語ったのだが。

式典前、ノルウェー記者団からの質問に答えた際、オバマは更に率直だった。11カ月間の政権について、彼はこう説明した。「人気コンテストに勝ったり、ノーベル平和賞のように権威あるものであれ、何か賞をとったりすることが目標なのではない。目標は、アメリカの権益を推進することだった。」

ノルウェーの皇室や政治家と並んで、ハリウッドの有名人も含む聴衆に、アメリカの世界的な役割について、威勢のいい、偽りの擁護を始める前に、オバマは、簡単で厭世的な人類文明の歴史を示した(「戦争は… 最初の人類とともに出現した … 世界には悪が存在するのだ。」)。

大統領は、戦後の期間を、慈悲深いアメリカによって授けられた平和と繁栄の一時期として描き出した。「平和を維持するための構造を作り上げる上で、アメリカは世界をリードした…アメリカ合州国は、60年間以上にわたり、アメリカ国民の血と、軍隊の力で、世界の安全保証をするのを支援してきた。… 我々が、この重荷を担ってきたのは、我々の意志を押しつけたかったからではない。」偽善と歪曲の程度もここに極まれりだ。

オバマは更に「アメリカは、民主主義の国家に対しては、決して戦争したことがなく、アメリカの最も親しい友邦諸国は、自国民の権利を守っている政府だ。」という異様な主張をした。アメリカが、イギリス、ドイツやオーストリア-ハンガリーといった、相手のいずれもが議会制度であった諸国と戦ったという歴史的事実は別として、二十世紀初頭の、メキシコ、中米やカリブ海地域から、戦後の時期における、ベトナム、イラン、グアテマラ、コンゴ、インドネシア、チリや、ニカラグアに至るまで、抑圧されてきた国々の国民に対する、長期的で下劣なアメリカによる介入の歴史を、オバマは意図的に避けていた。

最新リストとして、特に(イラクとアフガニスタンの傀儡政権に加え)、サウジアラビア、パキスタン、イスラエル、エジプト、ヨルダン、モロッコやウズベキスタン等の、残酷で腐敗した政権を含む、ワシントンの“最も親密な友好国”について言えば、こうした諸国全てが、拷問や、広範囲におよぶ弾圧を行っている。

自国防衛のために行動する国家にともなう“正しい戦争”という概念について触れた後、9/11後の、アメリカによるアフガニスタン侵略は、この原理に基づくものだと不当にも主張し、オバマは、ワシントンにはそうした合法化など不要であることを明らかにした。

目的が「自衛あるいは、侵略国に対する自国防衛の範囲を超える」軍事行動を、支持すると彼は語った。アフリカ、アジア、中南米や東欧の多くの国々に対して適用されるであろう“武力”を正当化するには、もちろん、ワシントンによって決められる“人道的な理由”で十分なのだ。これは“正しい戦争”という装いをまとった植民地主義にすぎない。

中東や中央アジアにおける、アメリカが率いる戦争に対するヨーロッパ大国による支持を強化するための企みの一環として、より多国間の色付けをした、先制攻撃戦争というブッシュ・ドクトリンの別バージョンを、オバマは擁護した。「アメリカは単独では行動できない」とアメリカ大統領は語った。

その権益をノーベル賞委員会の決断として表現した、ヨーロッパ支配層エリートは、オバマに、これらの戦争を擁護し、帝国主義的侵略を人道主義的行為として描き出す舞台をしつらえ、恩義を施してやれたことを喜んでいた。彼らは、ブッシュやチェイニーと違い、オバマが、“不安定な地域において、この先ずっと”“世界規模の安全保障”を施行する役割(そして戦利品を分かち合うこと)を、ヨーロッパに与えてくれることを願っているのだ。

オバマは、その対照的な内容を否定するために、45年前マーチン・ルーサー・キング Jr.が行ったノーベル賞演説を引き合いにだした。キングはオバマと違い、短い演説を行い、黒人に対し、継続している抑圧や、南部の人種差別撤廃反対論者に対する注意をするよう呼びかけた。キングは“文明と武力行動は、相反する概念である”と主張したのだ。

暗殺される前、キングは積極的なベトナム反戦論者になっていた。オバマやアメリカの全既成政治勢力は、キングが、軍国主義を圧政と蛮行と同一視したことに、本能的に脅威を感じて、彼への信頼を傷つけようと狙ったのだ。

更に、ノーベル賞演説は、オバマが政治的に正体を暴露する舞台でもあった。“チェンジ”を謳った候補者が、ブッシュ-チェイニー政策のあらゆる重要な面において、自らが単なる継承者であるばかりでなく、彼自身、極めて反動的で、汚らわしい人物であることを明らかにしたのだ。軍と戦争へのあからさまな嗜好を、彼は隠そうとしていない。長年政治的キャリアを積んだ結果、こういう人物となったのだ。

パキスタン、ペシャワール在住の27歳の技術者、ジャービル・アーフターブは、AFP通信社に木曜日、こう語っている。「ノーベル賞というのは、実績をあげた人々のためのものなのに、オバマは殺し屋だ。」今後、膨大な数の人々の考え方に、こうした解釈が浸透してゆくことになるだろう。

David Walsh

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2009/dec2009/pers-d11.shtml

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こうした演説本やCDにお金を払って購入する皆様、オウム真理教信者と一体どこが違うのだろう?書店で、演説本やCD書棚に並んでいたり、平積みになっていたりする不思議。もしも、アルンダティ・ロイや、マラライ・ジョヤの本(書評記事の翻訳は、アメリカ占領と、ハミド・カルザイの腐敗したマフィア国家)が売れているなら理解はできるが。

麻原彰晃説教集、書棚に並んでいたり平積みになっていたりはしない。

大新聞も演説全訳を載せてくれる。亭主の好きな赤烏帽子、宗主国の好きな念仏、無理が通れば道理は引っ込む。

アメリカのニューズウィーク誌記事、なかなか辛辣。オバマのオスロ演説にブッシュを見た

森田実氏、森田実の言わねばならぬ【974】2009.12.12(その1)で以下の様に書いておられる。

「最も正しき戦争よりも、最も不正なる平和をとらん」(キケロ)

「良い戦争、悪い平和などあったためしがない」、アメリカの代表的政治家フランクリン(1706-90)の言葉である。これは正しい。

 上記のキケロ(古代ローマの政治家、BC106-BC43)の言葉は正しい。「正義のための戦争」などありえない。「正義のための戦争」などというのは戦争屋の屁理屈でしかない。

 「正義としての平和」も危ない論理であり、詭弁である。数多くの戦争屋は、正義を平和の上に置き、「正義」で戦争を合理化した。オバマ大統領はアフガニスタン戦争を合理化しているが、許されることではない。

 ノーベル賞委員会がオバマ大統領にノーベル平和賞を与えることについて反対論があったが、今回のアメリカの戦争を合理化する演説により、与えたことについて失敗論が高まるであろう。当然である。

 平和を愛好する諸国民は、オバマ大統領への抗議の声を上げるべきであり、アメリカ軍のアフガニスタンからの撤兵を求めるべきであると思う。

素人には、演説本体、麻原彰晃説教(もちろん本物など聞いたことも見たこともない)と同じレベルにしか聞こえない。

殺害した膨大な人数と国家の長として利用できる暴力装置の規模予算の違いはある。

ペシャワール在住の青年の言葉なら理解できる。

新聞社が教材会社と一緒に「語彙・読解力」をはかる新聞検定?を始めるという。

大事なのは、漢字検定で、漢字の知識をはかることでも、新聞検定?で「語彙・読解力」をはかることでもないだろう。

書いてあることの真偽、書かれていないことの重要性を理解することが重要だろう。

残念なことに、そうした項目、愛国心ではないが、容易に、はかれない。いっそ、「マスコミ・リテラシー検定を設立し、検定に合格しない人には、選挙権をあたえない」という暴挙などいかがだろう?あるいは、「民放テレビを見ない、商業新聞を読まない人だけに選挙権を与える」という奇策はどうだろう? (時の)与党が(常に)企む、憲法改悪やら比例代表議席削減より、よほど穏当な策と思うのは筆者だけだろう。

宗主国の大統領の言動は、必ず属国にもおよぶだろう。与党が、共和党から民主党に、大統領が、ブッシュからオバマに変わったアメリカ。その国家としての行動様式に、どこも変わった兆しはみられない。与党が、自民党から民主党に、首相が、麻生から鳩山に変わった属国日本の、現状と行く末を、これほど具体的に示してくれる例はあるまい。二大政党というのは、そういう制度だ。属国のトップ、もしも宗主国の意に沿わないことをすれば、ホンジュラス・セラヤ大統領の運命が待っている。与党出身、財界人、セラヤですら国外強制追放された。日本とて同じ。たとえ国外追放はされずとも、辞任という形で排除されても、驚くべきことではないだろう。とはいえ、宗主国の意に沿わないことをするような人物が、日本で与党トップとして出現することは、我々の目の黒いうちin our lifetimesは、そもそもありえまい。二大政党制、それを保証する小選挙区制、そのための制度だ。属国体制維持のための。

関連記事翻訳:

ノーベル戦争賞

戦争と平和賞

主戦論者、平和賞を受賞

追記:

12月18日付朝日新聞朝刊3面(13版)「在日米軍基地 なぜ縮小されない?」は、植民地用広報洗脳新聞という本質が露骨にでている記事。読んでしまって、あきれて腹が立った。こういう新聞を読まさせられ、検定をされてはかなわない。

ブログ:情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)では、

朝日新聞の米軍基地特集記事はプロパガンダ?~公開質問状、本日発送というエントリーを書いておられる。おっしゃる通りだろう。こういう記事が、「語彙・読解力」をはかる新聞検定の教材になるのかとおもうと、実に空恐ろしい。

小生、それこそが植民地広報洗脳産業の仕事と思っているので、質問も電話もしない。当方に大切なのは、何度も書いているが、新聞記事ではなく、地元スーパーのビラ。記事にはヨタがあっても、ビラの価格に嘘はない。万一、ビラと値段が違う場合、そう申し出れば、スーパーは対応してくれる。新聞社より、はるかに紳士的だ。我が家は「本紙ではなく、地元スーパーのビラを講読している」。

2009年10月17日 (土)

もしもロシア人が我々にこれをしたのだったら、殺していたろうに

David Michael Green

2009年10月2日

"Information Clearing House"

もしもロシア人が侵略してきたらどうだろうか?

これは、そうこじつけの考えではない。我々は、そういうことが決して起きないようにすべく、半世紀にわたり、何兆ドルも費やしてきたのだから、これは実際さほど奇妙な考えではない。

もしもロシア人が侵略してきたらどうだろうか?

もしも連中がやってきて、我々の財産を全て盗み取ったらどうなるだろうか?

もしもロシア人が侵略してきて、子供たちを安価な働きバチとして、奴隷にして、惨めな、将来の展望のない仕事に縛りつけてしまったらどうなるだろうか?

もしもロシア人が侵略してきて、アメリカの天然資源を全て発掘し、後に有毒な瓦礫の山だけを残していったらどうなるだろうか?

もしもロシア人が侵略してきて、インフラを破壊し、アメリカの教育機関を打ちのめし、著しく不十分な医療制度を我々に押しつけていたらどうなるだろうか?

もしもロシア人が侵略してきて、アメリカ国民のかなりの部分を営利目的の監獄に投獄したらどうなるだろうか? もしも彼等が、巨額の利益を生み出す植民地遠征に派遣して、アメリカ軍を崩壊させたらどうなるだろうか? 連中が、中産階級の基盤を奪ったらどうなるだろうか?

もしもロシア人が侵略してきて、連中がわが国を略奪していることに、我々が気づくのを防ぐため、アメリカ人のある部族に、他の部族を憎むようにたぶらかし、お互いが敵対するようにしたらどうなるだろうか?

もしもロシア人が、こうしたことのどれかをしでかせば、我々は連中を殺す。完璧に。

もしもロシア人が侵略してきたら、わが国を守るために、アメリカ軍を派遣し、連中を粉砕するだろう(あるいは、少なくとも、それをさせるために誰かを雇うだろう。)

もしもロシア人が侵略してきたら、我々は、正当な理由で、怒り狂い、憤激し、憎しみに満ち、破壊的となるだろうし、彼らの猛り狂った略奪から、わが国を奪還するにために、ありったけのアメリカの組織暴力をぶつけるだろう。

もちろん、ロシア人が侵略してきたわけではない。だが、我々が生きている現在、驚くべきことに、アメリカは、事実上、これら全ての辛苦にさらされている。我々の不幸を願う連中によって、我々は本質的にずっと侵略されており、アメリカの国家的、個人的資源は、丸裸にはぎ取られているのだ。この国は、略奪されており、アメリカ国内の釘付けされていないもの全てが、運び去られ、売り払われる。

アメリカの子供たちは、膨大な財政負担を負わされつつある。アメリカの教育・医療制度、単なる財源として、しゃぶりつくされ、粉々になりつつある。アメリカのインフラは、崩壊の瀬戸際だ。

アメリカ人の仕事、アメリカの産業や、アメリカの地域社会の資源は、ひとからげにされて、同じ仕事が、ずっと安くでき、労働者が、素直な場所に、輸出されてしまった。我々は益々、ただ生存するためだけに奔走するようになりつつある。明らかに、アメリカ政府は、きっちり国民の誰かを極端に裕福にすることに専念したままだ。単に、この‘誰か’には、皆様の知り合いが誰も含まれていないだけのことだ。

だが、我々が生きている現在、本当に驚くべきことは、我々は、本質的に侵略されてしまい、完全に略奪されてしまっているのに、それについて、我々は、ほんのわずかたりとも怒っていないということだ。

もしも、ロシア人がこれをしでかしていたら、我々は間違いなく怒り狂っていただろう。だが、実際は、それをしでかしたのは、アメリカ自身の上流階級で、我々は彼等に対して怒り狂っていないだけでなく、我々はその犯罪にすら気がつかない。あるいは、仮に気がついたにせよ、実際は、ほんのわずかたりともリベラルでさえない‘リベラルな’大統領のような、何かばかばかしい程、見当違いの標的めがけて、腹を立てるのだ。

アメリカは、ずっと、十分かつ相応な欠陥がある国家ではあるが、20世紀中頃の、相当長い期間、かなり道理にかなったことを一つ持っていた。当時、エリートと政府と、大衆の間に、取引があったのだ。その取引の条件によれば、上流階級は、桁外れに裕福ではあり続けるのだが、そうした富の一部、かなりの金額を、労働者階級と中産階級とも分け合う必要があるために、彼らの富にも限界があるのだ。そして必ずそうなるようにするのが政府の役割だった。裕福な人々の多くの人々も、この合意を共有していた。

ところが、ロナルド・レーガンがやって来て以来、この取引はしまい込まれ、本質的に、新しい取引に置き換えられてしまった。より正確に言えば、単なる、ひどい古い取引に。この新しい/古い取引の条件の下では、規制されない富裕層が、絶対的に全てのものを、手あたり次第にひったくり、中産階級は、維持できる範囲のかつかつな生活のために奔走した。そして、それ以外のアメリカ人、つまり、労働者階級と貧困層は、第三世界風の貧困へと、どんどん落ち込んで行った。この新制度の条件の下では、政府の役割は、もはや国民の福祉を実現することではなく、富裕階級が、どれだけ自由にできるかについて、限界を設けておくことでもない。この新しい取り決めの条件の下では、政府の機能は、富裕階級が、アメリカの自国民から、奪えるもの全てを奪い取るのを手助けするための、単なる道具として仕えることだ。

つまり、過去三十年間、アメリカは、すっかり経済を改革してしまい、超富裕層は、鼻持ちならないほどの超富裕層となり、中産階級は、現状にとどまれれば幸いで、実際には、それすらできないようになっている。もしも、アメリカが、過去三十年間にわたって維持した、相当なGDPの伸びの行方を調べれば、それは丸ごと、最も豊かなアメリカ人達に行っていたことがわかる。中産階級は、実際、押され気味なのだ。これは、驚くべき事実だが、考えていただきたい。堅調な経済成長にもかかわらず、現代の労働者は、かつて1970年代に稼いだより、稼ぎが少ないのだ。

さらにすごいことは、これを首尾良くやりとげるのが、さほど難しくはなかったことだ。国民をけむに巻き、国民の注意を、残りのパンのかけらを持って見に行く別のサーカスに逸らせるだけで良かったのだ。一方、労働組合は、政府の政策変更により、大幅に弱体化された。世界中の労働者階級から価値を搾り取る、できる限り安い方法への限りなき探求の中、仕事は外部に出された。まずは南部に、次は、メキシコに、そして、中国、今は、タイ、あるいは、ベトナム、そして、間もなくアフリカにと、そしてアメリカ人には、何の残余の産業も経済基盤も残されない。税務政策を講じ、現在働いているアメリカ人から、特に、彼らの子供たちから金を導き、それを、既に裕福な層に向けたのだ。こうした全ての政策変更の結果は、裕福なアメリカ人は、絶対的に、驚くほど、途方もなく豊かになり、それ以外の人々は、どうにかこうにか持ちこたえる、いやそれ以下だ。

もしもロシア人がやってきて、これをしたのだったら? もしも連中がやって来て、我々の資源を盗んだのであれば、もしも連中がやってきて、我々の子供たちを、逃げようのない、魂が麻痺するような仕事の奴隷にしていたら、もしも連中が、我々を環境劣化や、壊れた経済や、破壊された教育制度、そして崩壊しつつあるインフラや、ざるのような医療制度の中に放置したのだったら? もしも、ロシア人がやってきて、こうしたこと全てをやったのであれば、アメリカ人は、怒りと敵愾心と愛国心と、ナショナリズムを持って立ち上がっていたはずで、武器に弾を込めて、連中の最後の一人まで、殺していただろう。

ところが、これをしでかしたのは、ロシア人ではなく、アメリカ自身の上層階級なのだ。しかも、ひどいことに、我々自身の政府が、あたかも、連中が我々を、当節はやりの悪い子取り鬼から守ってくれるごときふりをしながら、実際には、彼等は、貧血性のあまりに、アメリカの営利目的の利潤追求式病院しか行き場がなくなるまで、金持ちが、我々から絞り上げるのを手伝っているのだ。

自らを略奪されるがままにしておいて、自分のポケットから、金が奪い去られていることにすら気づかないということが、どれほど能天気なことか、お考え願いたい。泥棒が、自分に歩み寄るにまかせ、金を奪わせ、その泥棒が誰かさえ気づかないとは、政治的に、いかに大人げないか、お考え願いたい。それを、誰か他の連中、例えば、イラク人やら、黒いヘリコプターのせいにするとは、そして、自分の金を盗み取っている本当のプロの泥棒に注意を払わないとは、いかに自分が愚鈍であったか、お考え願いたい。

こうした富豪政治家連中に対しては、連中の仕組みの賢さを称賛し、脱帽したい気分だ。たとえ、こうした醜悪な詐欺をするには、略奪者連中が、カラッポな駐車場並みの道徳感の持ち主であることが必要であろうと。実際の所は、連中がしでかしたことは、本当にそこまで賢くはないのだ。連中の犯罪の成功は、犯罪人の炯眼というよりは、連中による犠牲者の浅はかさによるものだ。

さらに悪いことに、あたかも、アメリカ国民が、既に十分に愚鈍であるかのごとく、レーガン主義の出現以来、我々はもう30年間もこういう状態なのに、依然としてわかっていないのだ。我々は、三十年も、略奪され続けているのに、依然として、一体誰が我々を食い物にしているのか見破れずにいる。ブッシュ政権による、信じがたいほどの完璧な失敗、災厄と略奪行為の後でさえ、我々大半のアメリカ人は依然として、犯罪人や、連中のイデオロギーを指摘することも、犯罪の源も、特定できずにいる。

したがって、我々の将来は、一層不安定に見えてくる。今や、大半のアメリカ人が、ある種の極左スターリン主義者と信じるようになりつつある大統領も、その実、彼は、ジョージ・W・ブッシュも、ビル・クリントンもそうであったように、根っからの企業寄生のまとめ役だ。

しかも、彼は、ある種、驚くほど頽廃的リベラルにしたてあげられており、策略を理解するには、アメリカ人はあまりに愚鈍なのだが、普通のアメリカ人の不安に対処し損ねているこの大統領は、普通の人々の為に、露程も働いているわけではないのだから、失敗する運命にあり、益々、一期限りの大統領という位置の所有者に見えてきている。そうした失敗に対し、我々は何が期待できるだろう? 皮肉にも、そして、悲惨にも、更に、びっくり仰天する程に愚かなことに、それは極端な右翼路線への転換だ。オバマが失敗する時は、もう既にそうなりつつあるのだが、ある種、リベラリズムの大失敗のごとく演出されるだろう。実際は、もちろん、その逆が事実なのだが。それは上層階級によるアメリカ略奪の大成功なのだ。

この点で、ジョージ・W・ブッシュの犯罪からすら、オバマは、ほとんど“チェンジ”など実現していない。例えば、彼の医療保険案を見てみよう。読者のことは存じあげないが、巨大製薬会社や、巨大医療保険会社が、賛成するようなことなど何であれ、それ以外の連中、つまり、アメリカ合州国国民にとって、大惨事になることは、まず、ほとんど確実だと言えるだろう。ジョージ・ブッシュの処方薬法案が、高齢者の生活を良くする構想などではなかったのと同様に、この法案は、もはや、アメリカ人に医療をもたらすための構想などというものとはほど遠い。いずれの場合も、何らか存在していた、代償的で、たまさかの改善など、実際は、合法化した企業植民地主義の、もう一つの例に過ぎないものに対する、単なる目くらましの粉飾だ。

オバマの医療法案の場合、起きていることは、この新法によって、大いに儲かるであろう保険業界の略奪者連中から、高価な健康保険を、膨大な人数の新規顧客が購入するように強強制されているのだ。それこそが、たとえ、彼の個人的な夢想の中でだけにせよ、もしも、オバマが、何であれ、進歩派であれば、一体なぜ、普通、我々が、彼等なら反対するだろうと予想し、連中なら反対するだろうと予想するようなものに、彼等が賛成するのかという理由だ。

銀行の緊急救済とて、全く同じことだ。なんと驚くべき挿話。アメリカ国民からのなんと驚くべき略奪、帝国崩壊のなんと驚くべき一章だろう ? しかも、こうしたこと全てが、建前上リベラルな大統領によって、我々に対してなされているのだ。実際、オバマは、単にブッシュ政権の伝統と、それに先立つレーガン・イデオロギーを延長しているに過ぎず、連邦基金の略奪 最大限の金額の金を、経済エリートに回し、やがて、つけはアメリカ人納税者に回すことを要求しているのだ。

いくらでも、この話は続けられる。オバマは、イラクとアフガニスタンに、正規のアメリカ軍兵士より、多い人数の傭兵を配備し続けている。アメリカの刑務所から学校に至るまで、あらゆるものの民営化を、彼は支持し続けている。彼は、金融業界に対し、できる限り手ぬるい規制の再制定を主張しており、ウオール街の盗人どもが、怒鳴り返すと、連中の最悪の欲求に対する、こうした最も限定された障害すらも放棄するのだ。

結論は、現在、アメリカの有権者達には、二つの選択肢があるということだ。有権者は、最大の速度で、アメリカ最大の略奪を代表する党を選ぶことができる。あるいは、ほとんど同じ速度で、ほぼ同じ犯罪を代表する党を選ぶこともできる。

いずれにせよ、アメリカ合州国は、何らかの意味のある方法で、国民によって所有されることを停止してしまったのだ。有権者は投票するが、議会や政権内にいる議員たちは、経済エリートの恩義を受けており、ことごとく、しかるべく行動している。アメリカの諸施設、インフラ、社会的関係は、既に信じられない程に裕福な連中が、更に豊かになれるようにすべく、労働をしているアメリカ人の皮から富の更なる一滴を搾り取るため、全てバラバラに分解され、どこかに移転させられか、売り払われるかする。

もしも、どこかの外国が、我々にこんなことをしていたら? もしも、ロシア人が侵略してきて、我々の資源を奪い、陰鬱な仕事で働かせ 我々が、急速に悪化しつつある中流階級の生計を維持するのに十分な仕事を探しあぐねている時に、我々や、子供たちを奴隷にしていたら? もしも、こうしたことが起きて、その加害者が外国勢力だったなら、我々は立ち上がり、戦争をし、彼らの最後の一人まで殺害していたろう。

しかし、まさに本物の敵が、この国に侵略してきて、国を丸裸にしているにもかかわらず、我々はそのどれもしていない。

実際、敵が一体誰か、我々が気づかないようにすべく、この社会は超多忙だ。

David Michael Greenは、ニューヨーク、ホフストラ大学の政治学教授。彼は記事に対する読者の御意見は喜んで受け取るが(dmg@regressiveantidote.net)、時間に限りがあるので、必ずしもお返事できない。彼の他の仕事は、彼のウェブ、www.regressiveantidote.netで読める。

記事原文のurl:www.informationclearinghouse.info/article23618.htm

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この文章も、固有名詞だけ入れ換えればそのまま使えそうだ。

結論は、現在、日本の有権者達には、二つの選択肢があるということだ。有権者は、最大の速度で、日本最大の略奪を代表する党を選ぶことができる。あるいは、ほとんど同じ速度で、ほぼ同じ犯罪を代表する党を選ぶこともできる。

いずれにせよ、日本は、何らかの意味のある方法で、国民によって所有されることを停止してしまったのだ。有権者は投票するが、議会や政権内にいる議員たちは、経済エリートの恩義を受けており、ことごとく、しかるべく行動している。日本の諸施設、インフラ、社会的関係は、既に信じられない程に裕福な連中が、更に豊かになれるようにすべく、労働をしている日本人の皮から富の更なる一滴を搾り取るため、全てバラバラに分解され、どこかに移転させられるか、売り払われるかする。

もしも、どこかの外国が、我々にこんなことをしていたら? もしも、北朝鮮人が侵略してきて、我々の資源を奪い、陰鬱な仕事で働かせ 我々が、急速に悪化しつつある中流階級の生計を維持するのに十分な仕事を探しあぐねている時に、我々や、子供たちを奴隷にしていたら? もしも、こうしたことが起きて、その加害者が外国勢力だったなら、我々は立ち上がり、戦争をし、彼らの最後の一人まで殺害していたろう。

しかし、まさに本物の敵が、この国に侵略してきて、国を丸裸にしているにもかかわらず、我々はそのどれもしていない。

実際、敵が一体誰か、我々が気づかないようにすべく、この社会は超多忙だ。

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戦争賞を受けた人物が、汗の結晶である金と、何らかのさらなる軍事支援を、暗証番号不要のATM国家から引き出すために、間もなく宗主国からやってくる。

沖縄基地の問題や、米軍再編にまつわる国民にとって不都合な決断、参議院選挙直前までは、伏せておかれるだろう。「日米軍事同盟」重視の方針、微動だにしないだろう。

2009年10月12日 (月)

戦争と平和賞

幻滅的なノーベル賞授与により、バラク・オバマは、平和を約束しながら、戦争を遂行した受賞者のリストに連なった

ハワード・ジン

2009年10月10日

"ガーディアン"

バラク・オバマノーベル平和賞を受賞したと聞いて、私は当惑した。二つの戦争を遂行している大統領が、平和賞を授与されるなどということを考えるのは、本当にショックだ。それも、ウッドロー・ウイルソン、セオドア・ルーズベルトと、ヘンリー・キッシンジャーらが皆ノーベル平和賞を受賞したことを思い出すまでのことだった。上っ面だけの評価をするので有名なノーベル賞委員会は、美辞麗句と、上辺だけの身振りになびき、世界平和へのあからさまな侵害を無視したのだ。

そう、ウイルソンが、戦争を防ぐためのことは何もしなかった役に立たない機関、国際連盟に寄与した功績を認められたのは確かだ。しかし彼はメキシコ沿岸を爆撃し、軍隊を派遣して、ハイチとドミニカ共和国を占領し、愚劣で破壊的な戦争リストの、トップの一つであるのが確実な第一次世界大戦で、ヨーロッパの修羅場に、アメリカを引きずり込んだのだ。

確かに、セオドア・ルーズベルトは日本とロシア間の和平調停をした。しかし、彼は戦争愛好者で、アメリカのキューバ征服に参加し、あの小さな島を、スペインから解放するふりをして、アメリカの鎖で縛りつけた。また大統領として、彼はフィリピン人を従属させるための残酷な戦争を統轄し、フィリピンで600人の無力な村人を虐殺したばかりのアメリカ人将軍に祝辞さえ述べた。委員会は、ルーズベルトを非難し、戦争を批判したマーク・トゥエインにも、反帝国主義連盟指導者のウイリアム・ジェームズにも、ノーベル賞を与えなかった。

そう。委員会は、平和賞をヘンリー・キッシンジャーに授与することは相応しいと考えたのだ。彼自身その立案者の一人だったベトナム戦争を終わらせる最終的な和平協定に署名したからだ。キッシンジャーは、ベトナム、ラオスとカンボジアの村落農民への爆撃で、ニクソンの戦争拡大に従順に協力していた。戦犯の定義にぴったり一致するキッシンジャーが、平和賞を与えられたのだ!

オバマの場合のように、雄弁に安請け合いをする人物に対して、その約束に基づいてでなく、戦争を終わらせることに対する、実際の業績に基づいて、平和賞は与えられるべきなのだ。オバマは、イラクアフガニスタンとパキスタンで、冷酷な軍事行動を継続している。

ノーベル平和賞委員会は引退し、スターであることやら美辞麗句やらに動ぜず、多少は歴史を理解している、国際的などこかの平和団体に、その膨大な基金を引き継ぐべきだ。

記事原文のurl:www.informationclearinghouse.info/article23690.htm

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ノーベル賞委員会の意図を好意的に解釈される心優しいブロガーの皆様の見解、善意に満ちている。確かに、そうあって欲しいものだ。

しかし、素人には、ハワード・ジンのようなアメリカ歴史学者の意見の方が、ずっとわかりやすく思われる。あのナオミ・クラインも、同様な意見。ある意見が真実であることと、その意見が多数派であるか、少数派であるかとは、必然的関係はないだろう。多数派の意見が、間違っていた事例、世の中には山ほどある。むろん、少数派が間違っていたことも。

「オバマには何も実績がない」という声があるというが、本当だろうか?

アフガニスタンで、パキスタンで、そして、イラクで、理不尽な侵略戦争による弾圧・殺害を継続・強化しているという立派な実績が十分にあるではないか?委員会は、これを評価したのだと理解するのが普通の神経だろう。

何度でも繰り返すが、「1Q84」を読む前に、オーウェルの小説「1984年」をお読みいただきたい。そう、「動物農場」も。

参考Youtube

Howard Zinn: Vote for Obama but direct action needed Youtube

ハワード・ジン記事翻訳リストから:

帝国か博愛か? 学校では教えてくれなかったアメリカ帝国のこと

ハワード・ジン「歴史の効用とテロリズムに対する戦争」を語る

「戦争は平和である。 自由は隷属である。 無知は力である。」

関連記事翻訳:

ノーベル戦争賞

主戦論者、平和賞を受賞

 

2009年10月11日 (日)

ノーベル戦争賞

wsws.org

2009年10月10日

バラク・オバマが、2009年平和賞の受賞者に選ばれたという、金曜日のノルウェー・ノーベル賞委員会による発表に対し、世界中で驚きの声があがった。

就任後10カ月にも満たず、いかなる面においても、目に見えるほどの成果を上げていないオバマが、一体なぜ選ばれたのかをいぶかる人々は多い。平和賞ノミネーション締め切り日のわずか11日前に、彼は就任している。

しかし、より重要なのは、オバマが大統領として行ったことは平和と全く無関係だということだ。

オバマ大統領は、午前半ば、ホワイトハウスのローズ・ガーデンに現れ、平和賞受賞に「驚き、非常に謙虚に受け止めている」という告白から始まる所見を述べた。彼はそれからホワイト・ハウスに歩いて戻り、軍事会議に出席し、更に何万人もの兵士をアフガニスタンに派兵し、この国での爆撃を、国境を越えて、パキスタンへエスカレートすることについての議論をした。

その声明を、イランに対する無言の脅しとして利用しつつ、オバマは自分が統轄している二つの戦争と占領に言及し、自分こそ“全軍最高司令官”であると彼流に宣言した。

ノーベル賞委員会は、彼の“核兵器の無い世界というビジョン”を褒めたたえてはいるが、オバマは、この目標は「私が生きている間には、実現できないかも知れない。」と発言している。モスクワとの交渉で、彼の政権が、最小限1,500発の核弾頭を保有する権利を要求したことを考えれば、彼は自分が何を言っているかは良く分かっているのだ。

「我々が知っている世界に我々は立ち向かわねばならない”とオバマは語り、彼の“ビジョン”とされるものと、彼の政権の好戦的政策という現実の間の違いを明らかにした。

表面上、アメリカ大統領への平和賞授与は茶番めいている。この選定は、オバマ政権にとって有り難迷惑にしかなるまいという警戒が広まっている。一度の攻撃で、100人以上の男性、女性と子供の命を奪うような、5月に行われたアフガニスタン一般市民への爆撃といった類の戦争犯罪に関与している“全軍最高司令官”を、一体どうやれば、平和の擁護者として讃えることができるだろう。

とはいえ、ノーベル平和賞受賞というのは常にうさんくさい栄誉だった。1973年に、戦犯として逮捕されるのが恐ろしいので、現在、アメリカ合州国から一歩も出られないヘンリー・キッシンジャーに賞を授与した判断から、賞の評判は、未だ完全に回復できてはいない。キッシンジャーと、パリ和平協定交渉をした同時受賞者のベトナム人指導者レ・ドゥク・トは、協定はベトナムに何の平和ももたらしていないと指摘し、受賞を拒否した。

数年後、メナヘム・ベギンが受賞者に選ばれた。ノーベル賞委員会は、彼のテロリスト、殺し屋としての長い経歴は無視することに決め、共同受賞者であるエジプトのアンワル・サダトと、キャンプ・デーヴィッド合意をまとめたことで、彼を讃えた。

その政権が、百万人の命を奪ったアフガニスタン戦争をひき起こした、ジミー・カーターが、2002年に同じ賞を与えられた。

委員会が、委員会自身の原理に違反したことで、非難されることはあり得ない。そもそもそういうものなのだから。賞の創設者、アルフレッド・ノーベルは、ダイナマイトの発明者だった。大型貫通爆弾(MOP)、つまり地下の標的を撃破するように作られた30,000ポンド(13.5トン)爆弾の製造を加速しようとするペンタゴンの尽力に、彼なら興味をそそられたであろうことは疑うべくもない。この兵器は対イラン用としてすぐに使えるよう準備ができている。

オバマの“ビジョン”や、“世界の関心を惹きつけ、人々によりよい未来の希望を与えた”ことを、絶賛しながらも、ノーベル賞委員会は、彼の選挙キャンペーンでの巧みな弁論に対する幻想でオバマを選んだわけではない。

ノーベル平和賞は、現在も、かつても、特定の政策を推進する狙いから与えられる、政治的褒賞だ。

極右から社会民主党に至るまでの主要政党から選ばれたノルウェー議会の、5人の議員で構成される委員会によって選定が行われた。委員会の選定は、ヨーロッパ支配層エリート全体の内部における優勢な立場を反映している。

金曜日、元ノルウェー首相のノーベル賞委員会委員長トルビョルン・ヤーグランは、オバマを選定したことを擁護したニューヨーク・タイムズとのインタビューで、この選定の皮肉さを表現した。「ノーベル賞委員会にとって、奮闘している、理想主義的な人々を褒賞することは大切だが、毎年そうできるわけでもない」と彼は語った。「時として、政治的現実主義の領域にも分け入らねばならない。」

近年、他の二人の著名アメリカ人政治家に平和賞を授与するにあたって、政治的現実主義が決定的な役割を果たしたことは疑いようがない。2002年のカーターと、2007年のアル・ゴアだ。カーターが受賞したのは、アメリカの対イラク戦争の直前、ブッシュ政権の好戦的な単独覇権主義に対する非難としてだった。2008年の大統領選挙に先立ち、2000年の民主党大統領候補者ゴアに賞が授与されたことは、ヨーロッパが、ブッシュ政権から離れたがっていることの見え透いたほのめかしだ。

かつて、賞がアメリカ外交政策に対する批判として使われていたのに対し、今回は、是認の役割を果たしている。ヤーグランが語っている通り「彼がしようとしていることを、多少とも、強化するのに貢献できるよう願っている。」のだ。

より多くの兵士をアフガニスタンに派兵しようとしているさなか、オバマに平和賞を与えることの、どぎつい矛盾がはっきりと見えてくる。褒賞は、ワシントンによる、アフガニスタン戦争のエスカレーションと、パキスタン攻撃と、イラク占領の継続を正当化し、ワシントンの連中に、戦争は平和のためであるという、ヨーロッパからの太鼓判を押してやるものだった。

この授与は、オバマ政権の下で遂行されている戦争、更には、いまだ計画中の将来の戦争、に対する、アメリカ合州国国内における、また国際的な、大衆の反対運動に冷水をあびせるのに役立っている。

ヨーロッパの大国はアフガニスタン戦争を支持しており、この立場は、マスコミ報道でも、より頻繁にみられるようになっている。例えば、イギリスの日刊紙インデペンデントは、木曜日、更に40,000人ものアメリカ兵士を戦争に派兵するという要求を“基本的に”支持することを宣言する論説を掲載した。

同時に、ドイツ、フランスや他諸国は、対イラン姿勢でも、ワシントンのより強硬な作戦を支持する方向へと変えている。

ヨーロッパの支配層が、オバマに見ているのは、平和の擁護者ではなく、アメリカ帝国主義の戦略目標追求において、ブッシュ政権時代の単独覇権主義をやめ、ヨーロッパの支持を進んで考慮する方向への移行だ。

ヨーロッパ各国政府が、アメリカ軍の介入を自分たちが支援することで、結果的に、中央アジアとペルシャ湾でのエネルギー資源開発に参加することになると計算していることは確実だ。

更に、ヨーロッパの大国は、これらの戦争を正当化し、アメリカ外交政策の多国間協調主義への復帰を推進させることが、自分たちが軍国主義を進めるのを正当化し、自国内における反戦運動を抑圧するための手段だと見なしているのだ。

オバマのノーベル賞は、世界最大の軍事大国が平和に向かいつつあるという希望の前兆どころではなく、戦争の是認であり、深化しつつある世界資本主義の危機が、軍国主義の復活と、国家間対立の激化という脅威をもたらす条件を生み出していることへの警告として機能しているのだ。

Bill Van Auken

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2009/oct2009/pers-o10.shtml

「戦争は平和である。 自由は隷属である。 無知は力である。」

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戦争と平和賞

主戦論者、平和賞を受賞

2009年10月10日 (土)

主戦論者、平和賞を受賞

Paul Craig Roberts

2009年10月9日

"Information Clearing House"

ジョージ・オーウェルが、その作品「1984年」で考えたスローガンが現実になるまでに、25年かかった。

“戦争は平和だ” “自由は隷従だ” “無知は力だ”

私なら“嘘は真実だ”を追加したい。

ノーベル賞委員会は、2009年の平和賞を、オバマ大統領に与えた。パキスタンで新たな戦争を始め、アフガニスタン戦争を激化し、イランが、アメリカ政府が要求したとおりにして、不拡散条約署名国としての権利を放棄しない限り攻撃する、とイランを威嚇し続けている人物に。

ノーベル賞委員会のトルビョルン・ヤーグラン委員長は、「世界の注目を引き、より良い未来への希望を与えてくれたオバマのような人は、類まれだ。」と語った。

委員会は、オバマが「国際政治に新たな機運」をもたらしたと褒めちぎった。

オバマが、大統領就任後、わずか数ヶ月で達成した、強制移住させられた200万人のパキスタン人と、数知れないほどの亡くなった人々に、それを言うが良い。オバマの“必要な戦争”なる文句が際限なく響く中、殺される一般市民が増え続けているアフガニスタン人達にそれを言うが良い。

ブッシュの政策は何一つ変わっていない。イラクは占領されたままだ。グアンタナモ拷問監獄は依然、稼働している。特別引渡しと暗殺は、依然続いている。アメリカ人に対する、令状無しのスパイ行為は、依然として、日々行われている。オセアニア“対テロ戦争”の名において、市民的自由は侵害され続けている。

明らかに、ノーベル賞委員会は、マイノリティーのオバマなら、肌の色がより濃い人々に対する西欧諸国の覇権を止めさせるだろうという幻想を患っているのだ。

ノーベル賞委員会は、オバマの演説発言につけ込んで、戦争ではなく、平和を追求するように彼を追い込んだのだと、皮肉屋でない人なら言うかもしれない。そうなるよう誰でも願うことは可能だ。しかし、この褒賞、“戦争は平和だ”というセリフを本当のことにしてしまった可能性の方が高かろう。

オバマは犯罪人ブッシュ政権に責任をとらせるようなことは一切しておらず、オバマ政権は、ガザ・スラム街の無防備な一般市民達に対する、イスラエルの冷酷な武力攻勢の際に犯されたイスラエル戦争犯罪に関する国連のゴールドストーン報告書を破棄するという、アメリカ/イスラエルの計画を支持するよう、パレスチナ当局を買収し、脅したのだ。

アメリカの真理省は、アメリカの諜報機関が“秘密”施設を発見したことに、イランが気づいたので、その“秘密”の新核施設を、イランが国際原子力機関に通知したに過ぎないという、オバマ政権のプロパガンダを垂れ流している。このプロパガンダは、イランが保障措置協定を遵守している事実を損ね、イランへの武力攻撃のための勢いを維持するために、仕組まれたものだ。

ノーベル賞委員会は、全ての希望を肌の色に託してしまったのだ。

今や“戦争は平和だ”というのが、元反戦団体コード・ピンクの立場だ。コード・ピンクは、女性の権利を守ることは、アフガニスタン戦争をするに値すると判断している。

戦争の正当化の理由が、石油、覇権、女性の権利、デモクラシー、9/11への報復、アルカイダに基地を与えないこと、そして、テロリストから身を守ることまで、という具合に、ほとんど果てしないものとなれば、戦争は平和への道となる。

ノーベル賞委員会は、平和賞の権威を、オーウェルの言うニュースピークと、ダブルシンクに与えてしまったのだ。

Paul Craig Robertsはレーガン政権の財務次官補。The Tyranny of Good Intentionsの共著者。連絡先: PaulCraigRoberts@yahoo.com

記事原文のurl:www.informationclearinghouse.info/article23681.htm

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2009年10月6日のInformation Clearing House記事、「マルクス・レーニン再訪」(英語)で、

もしも、カール・マルクスと、ウラジーミル・イリイッチ・レーニンが、今生きていれば、彼等はノーベル経済学賞の有力候補者になっていただろう。

と高く評価しながら、彼はこう書いている。

マルクスの時代には、宗教が大衆にとってのアヘンだった。今日では、マスコミがそうだ。金融寡頭勢力が人々を欺くのを手助けしているマスコミ報道を見るが良い。

まさに、ノーベル平和賞の件も翼賛記事ばかり。おりしも、新聞週間とやらで、読むのもつらい自画自賛特集。

そもそも、「1984年」をお読みでない方には、この文章、意味が良くわからないかも知れない。やがて、ノーベル文学賞をとるという作家の「1Q84」でなく、オーウェルの「1984年」こそ、広く読まれて欲しいものだ。

「戦争は平和である。 自由は隷属である。 無知は力である。」

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ノーベル戦争賞

戦争と平和賞

2009年6月24日 (水)

オバマ・ブランドに乗せられる-(オザワ・ブランドに乗せられる?)

Chris Hedges

2009年5月5日

"Truthdig"

バラク・オバマというは一つのブランドだ。そして、オバマ・ブランドなるものは、企業の大立者連中が財務省を略奪し、選挙で選ばれた首脳達が、企業ロビイストの軍団から、賄賂を得続け、商業マスコミが、うわさ話や、どうでもよいことで国民の憂さを晴らし、アメリカの帝国主義戦争が中東で拡大する中、アメリカ国民に、アメリカ政府のことを良く思わせるように仕組まれたものだ。オバマ・ブランドというのは、消費者を幸せにするのが目的だ。我々国民が、もてなされる。未来は明るいような気分にさせられる。国民は大統領が好きになる。彼は私たちと同じようなものだと、私たちは思い込む。だが、操作巧みな企業広告の世界から送り出される、あらゆるブランド製品同様、我々は、自分の利益にならない様々な事をしたり、支持したりするように欺かれるのだ。

こうしたアメリカ人の信頼と希望に対して、オバマ・ブランドは一体何を与えてくれたのだろう? 彼の政権は、バブル経済を再膨張させるという失敗の運命にある努力、せいぜいが破局を先のばしにして、深刻な危機の時代に、人々を無一文で放置することになる戦術として、ウオール街や破たん寸前の銀行に、12.8兆ドルもの納税者の金を、使ったり、貸したり、保証したりしている。オバマ・ブランドは、国防関連支出と、軍事計画者たちが、今や70,000人の兵士が今後15年から20年駐留すると予想している、イラクにおける運の尽きた帝国主義プロジェクト継続のために、ほぼ1兆ドルを割り当てた。オバマ・ブランドは、パキスタンに入り込むよう越境爆撃に送られる無人飛行機の使用を含め、アフガニスタンでの戦争を拡大し、一般市民の死者数を過去三ヶ月で倍増した。オバマ・ブランドは、労働者達が団結できるような規制緩和をせず、全てのアメリカ人のための非営利単一医療を考えられるようにするのを拒んだ。そしてオバマ・ブランドは、ブッシュ政権を、拷問の利用を含む戦争犯罪で起訴せず、ブッシュの秘密主義法制を取り去ることも、人身保護法の復活も拒んだ。

オバマ・ブランドは、極端に個人主義的で、目新しく見えるイメージを提供してくれている。企業勢力と巨大な軍産複合体という、昔ながらの原動力が、国家を略奪し続けているのを見えなくするよう、我々に免疫をつけてくれるのだ。わが国の政治を支配している企業は、もはや本質的に違いがある製品を製造しているのでなく、違いのあるブランドを製造しているのだ。オバマ・ブランドも、ジョージ・W・ブッシュというブランドと同様、法人型国家の核を脅かすようなことはしない。ブッシュ・ブランドは潰れた。わざとらしい気取りのなさに対する免疫が、我々にできたのだ。我々が本質を見抜いたのだ。これは、広告宣伝の世界で良くある、空気抜きだ。つまり、我々は、ワクワクする、わずかばかりエロチックな魅力もある、新しいオバマ・ブランドを与えられたわけだ。ベネトンやカルバン・クラインは、きわどい芸術と進歩的政治と結びつけるのに広告を活用するオバマ・ブランドの先駆けだ。それで連中の製品が優位になる。だが狙いは、あらゆるブランド同様に、受け身の消費者たちに、ブランドを経験だと思い込ませることにある。

後に「政治的正しさ」と呼ばれるようになった大義と融合したおかげで、基本的な経済基盤を無視した、女性運動や公民権運動が、活動家世代を、行動ではなく、イメージの政治で、たくみに調教してしまった、とナオミ・クラインは、『ブランドなんかいらない』(原題NO LOGO)で書いている。

世界的な有名人となったオバマは、易々と、ブランドへと成形された。二年間の上院議員以外、彼にはほとんど何の経験もなく、道徳的な核心も何もなく、万人向けのどんな色にでも塗り変えることが可能だった。彼の短い上院における投票実績は、企業権益への見すぼらしい屈従に過ぎない。原子力発電は、「グリーン」エネルギーだとして、彼は喜んで推進した。イラクとアフガニスタンでの戦争を継続するよう賛成票を投じた。彼は愛国者法を再認可した。暴利をむさぼるクレジット・カード利率の上限を定めることを狙った法案を、彼は支持しようとはしなかった。1872年の悪名高い鉱業法を改正するはずだった法案に、彼は反対した。デニス・クシニッチやジョン・コニヤーズ等の下院議員が起草した皆医療保険法 HR676を支持することを、彼は拒否した。彼は死刑を支持している。そして、金融業界による大規模ロビー活動の一環だった、集団訴訟「改革」法案を彼は支持した。この法律は、集団訴訟公正法として知られており、大半の集団訴訟を審問する裁判地としての州裁判所を、事実上閉鎖し、多くの裁判所での強力な企業による異議申し立てを、こうした訴訟が拒否する機会という救済策を否定するものだ。

オバマ就任前の数週、ガザが空襲で爆撃されていた間、セイモア・ハーシュによれば、「オバマ・チームは、既にイスラエルに流れ込んでいた「高性能爆弾」その他ハイテク兵器の、計画されていた補給には反対するものではないことを知ってもらいたい」と言っていたそうだ。上院議員としての、彼ご自慢の反戦演説とて、おそらく彼唯一の果敢な抵抗の実行動も、あっと言う間に反転した。2004年7月27日、シカゴ・トリビューンに彼はこう語っている。「今の段階では、私の立場とジョージ・ブッシュの立場の間には、それほど大きな差異はありません。差異は、思うに、誰が任務を実行する立場にあるかです」。そして、何百回も反戦演説をしたクシニッチのような熱心な反戦論者とは違い、オバマは、イラク戦争が不人気になるまで、従順に沈黙を守ったままだった。

オバマ選挙キャンペーンは、10月、全米広告協会年次大会に集まった、何百人ものマーケティング担当者、広告代理店幹部や、マーケティング・サービス・ベンダーの票を獲得した。オバマ選挙キャンペーンは、アドバタイジング・エージで、2008年のマーケター・オブ・ザ・イヤーに選ばれ、次点のアップルやZappos.comを押し退けた。専門家から賞を奪ったのだ。オバマ・ブランドは、マーケティング担当者の夢なのだ。オバマ大統領は、あることを行い、オバマ・ブランドは、国民にそれとは違うことを信じさせたのだ。これこめが当たる広告の神髄だ。スポンサーにその気にさせられてしまい、彼等の狙い通りに、ものを買ったり、行為をしたりするのだ。

「有名人文化」が、ベンジャミン・デモットが「ジャンク政治」と呼んだ政治を含め、アメリカ文化のあらゆる側面にまつわりついている。ジャンク政治は、正義も、権利の修復も求めはしない。ジャンク政治は、様々な問題を、はっきりさせるのではなしに、擬人化し、道徳的教訓を引きだそうとする。「ジャンク政治は、相互関連した紛争はもどかしがり、アメリカの楽観主義や品性に熱心で、あなたの痛みはわかりますという類の言葉やしぐさに、大きく依存している」とデモットは書いている。ジャンク政治の結果は、何も変わらない、ということなのだ。「既存の社会・経済的権益が連動したシステムを、強化する過程やら、慣習には、一切邪魔をしない」。ジャンク政治は、「勇気を、ほら吹きに、共感を、安っぽい感傷に、謙遜を、自己軽蔑に、一般国民との同一化を、知恵の不信に」変えて、伝統的な価値観を再定義する。ジャンク政治は「国内の大きく複雑な諸問題を小さくしてしまい、海外からの脅威を極大化する。またジャンク政治は、以前は極小化されていた問題を、往々にして華々しく膨らませ、自分の建前を、突然、説明もなしに、破棄しがちだ。」そして最後に、ジャンク政治は「あらゆる機会をとらえて、有権者の社会経済的自覚や、有権者の中にある他の差異を抹殺しようとする。」

ジャンク政治によって支配される、イメージに基づく文化は、物語や、イメージや、入念に練り上げられた見世物や、でっちあげの疑似ドラマを通じて、表現するのだ。恥ずべき事件、台風、地震、早世、致死的な新ウイルス、列車事故等々の出来事は、コンピューター画面やテレビ向きだ。国際外交や、労組交渉や、複雑な救済プランは、わくわくするような身の上話や刺激的画面にはならない。知事が売春婦の客になれば大変なニュース種になる。本格的な規制改革や、国民皆保険制度を提案したり、無駄な支出の抑制を唱えたりする政治家は退屈なのだ。王、女王や皇帝たちは、かつて宮廷で陰謀を駆使して、話題をそらせた。現在、映画、政治やマスコミ有名人は、連中の個人的欠点やらスキャンダルで、我々の気を散らす。こうしたものが、私たちに共通の神話を生み出すのだ。芝居、政治、そしてスポーツは、ネロ統治時代そうであったように、お互いに置き替えが可能になったのだ。

幻影と娯楽の時代において、瞬間的に感情を満足させる時代において、我々は真実を求めてはいない。真実は複雑だ。真実は退屈だ。人は、混乱した真実には、対処することができないか、あるいは、対処するのがいやなのだ。我々が何者になろうと、我々は地球上で最も偉大な国家に暮らしていて、つまりアメリカ人である我々は、優れた道徳的、肉体的特質を与えられており、我々自身の資質、または、アメリカという国家の性格ゆえに、または、神に祝福されているがゆえに、我々の将来は、常に素晴らしく、繁栄することができるのだと語ってくれる月並みな考えや、ステレオタイプや、心を鼓舞するメッセージに耽溺し、慰安されていることを、アメリカ人は要求されているのだ。真実は、我々の希望を阻害するものゆえ、受け入れられない。真実は我々を心地よくさせてはくれないのだ。

著書『世論』の中で、ウォルター・リップマンは、「外部世界と、私たちの頭の中の図柄」を区別した。彼は「ステレオタイプ」を、我々が世界の意味を見つけ出すのを手助けする単純化しすぎたパターン、と定義した。リップマンは、「ドイツ人」「南欧人」「黒人」「ハーバード出身者」「煽動者」等々のような人々の集団についての、雑な「我々が頭の中に抱いているステレオタイプ」の例をあげている。このようなステレオタイプは、リップマンは書いているが、混沌とした現実に、安心させてくれる、いつわりの首尾一貫性を与えるのだ。これらは、真実に対して、容易に理解できる説明を与えてくれて、物事を複雑化するのではなく、単純化するということから、むしろプロパガンダに近い。

ところが、広報担当者、政治機構、テレビ、ハリウッドあるいは、スポンサーらによって練り上げられた、仕組まれた出来事、ドラマ的上演というのは、全く違うのだ。ダニエル・ブーアスティンが、『幻影の時代―マスコミが製造する事実』で書いたように、それには、我々がそれはお膳立てされたものと知りながらも、本当のように見える能力があるのだ。それは、圧倒的な真実という、強力な情緒反応をひき起こすことができ、真実と置き換わり、虚構の説話が、往々にして容認された真実となる。ステレオタイプの場合には、正体を暴露すると、その信頼性が損なわれ、破壊されてしまうことが多い。しかし、自動車工場や、貧困者用給食施設や、イラクで兵士に演説する大統領を見せる、仕組まれた出来事ならば、そうした腐食の影響は決して受けない。疑似イベントの背後の、手の込んだ仕組みをさらしても、魅力と力が強化するばかりなのだ。これが、政治キャンペーンや、政治家が、どれほど効果的に演出されているかという、屈折したテレビ報道の基本なのだ。特に、テレビ出演するレポーターたちは、もはやメッセージが本当かどうかなどは、問わず、疑似イベントが、政治劇として有効だったのか、有効ではなかったのかを問うのだ。仕組まれた出来事は、私たちが、幻想によって、どれほど効果的に操つられたかによって判断される。本物のように見える、こうした出来事が、好まれ、賛美される。信じられる幻想を生み出し損ねたものは、失敗扱いされる。真実など無関係なのだ。政治で成功する連中というのは、ほとんどの文化においてと同様、最も説得力のある夢想をもたらす、ブランドと仕組まれた出来事を生み出す連中だ。そして、これこそがオバマが極めた技術だ。

もはや真実と作り事とが識別できない大衆は、幻想を通して、真実を解釈するしかなくなる。まとまりのない事実や、データの曖昧な断片や、取るに足りないことが、幻想を拡大したり、信ぴょう性を与えたりするのに使われ、もしも、それが、メッセージの邪魔になれば、捨てられる。真実が悪化すればするほど、たとえば、住宅の差し押さえや、失業が急増すればするほど、人々は更に逃避して、幻影に慰安を得るのだ。様々な意見が、真実と識別できなくなり、法律、科学、学問、あるいは、その日の出来事の報道について、真実を決定する普遍的な基準が無くなり、最も高く評価される技能は、人を楽しませる能力だということになり、この世界は、嘘が真実となり、自分たちが信じたいことを、人々が信じられる場所となる。これが疑似イベントの本当の危険性であり、仕組まれた出来事が、ステレオタイプより、はるかに有害な理由だ。ステレオタイプがそうしようとしているように、真実を説明しようとするのではなく、真実と置き換わるのだ。仕組まれた出来事を作り出した人々が設定したパラメーターによって、仕組まれた出来事が真実を再定義する。こうした制作者達は、このような幻想を広めて膨大な利益を稼ぐのだが、自分たちが支配している権力構造を維持することが、自分たちの既得権益にかなっているのだ。

古い生産志向の文化は、歴史家ウォレン・サスマンが名付けた性格を要求していた。新たな消費志向の文化は、彼がパーソナリティと名付けたものを要求する。ここで価値観は、固定した徳性から、演じ方の巧みさへと変わった。倹約と節度という古い文化的価値観は勤勉、誠実さと勇気を重んじるものだった。消費志向の文化は、魅力、魅惑、人から好まれることを重んじる。「人格という新たな文化で、全員に要求されている社会的役割は、俳優のそれだった」サスマンは書いている。「あらゆるアメリカ人は、かくして演技者となった。」

オバマが実践しているジャンク政治は、消費者に対する欺まんだ。ほとんど演技なのだ。ほとんど嘘なのだ。永遠に子供のような状態に留めておくためのものなのだ。しかし、我々が幻想の中で暮らす時間が長ければ長いほど、それが私たちの夢想を最後に打ち砕いた時の真実はひどいものとなる。自分の身の回りで何が起きているのかがわからず、厳しい真実に圧倒されている人々は、救世主を必死に探そうと、期待したり、予見したりはしないものだ。人々は、扇動政治家が救いに現れることをこいねがうようになる。これがオバマ・ブランドの究極的な危険性だ。それは、アメリカという法人国家によって遂行されている、理不尽な国内での破壊と盗みを、効果的に隠ぺいする。こうした企業は、何兆ドルもの納税者の富をかすめ取った後、何千万人のアメリカ人を、全てを失わせ、途方に暮れさせ、僅かばかり残された縮んでしまっている開かれた社会を、素早く消滅させられるような、更に強力で破壊的な幻想にあこがれる状態に放置するだろう。

クリス・ヘッジスの新刊「Empire of Illusion: The End of Literacy and the Triumph of Spectacle」は7月刊行だが、Amazonや地元書店で予約可能。

記事原文のurl:www.truthdig.com/report/item/20090503_buying_brand_obama/

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引用されている三冊、いずれもお勧め。

ナオミ・クライン『ブランドなんかいらない』(絶版だったが、入手可能に!)

ウォルター・リップマン『世論』岩波文庫 上・下

ダニエル・ブーアスティン『幻影の時代―マスコミが製造する事実』東京創元社

『幻影の時代―マスコミが製造する事実』は、数十年ぶりに懐かしく再読した。

有名人が有名なのは、有名だから。ベストセラーがベストセラーなのは、ベストセラーだから。というのに納得。いずれも本質的価値とは無関係。タレント東国原知事が「総理にしてくれるなら、自民党で出馬する」という、珍ニュースを聞いて、本書を思い出した。『芝居、政治、そしてスポーツは、ネロ統治時代そうであったように、お互いに置き替えが可能になったのだ。』

なお、ナオミ・クラインの『ブランドなんかいらない』と、ウォルター・リップマン『世論』の引用部分、翻訳書のものではなく、勝手な拙訳。

ベンジャミン・デモット『ジャンク政治』邦訳はなさそう。

クリス・ヘッジスの新刊も、なかなか面白そうだ。

天木直人氏のブログにも、お笑い日本ジャンク政治の記事があらわれた。

ナオミ・クラインの新刊・世界的ベストセラー『The Shock Doctrin』(ショック・ドクトリン)、あのル・カレが推薦の言葉を書いている。"Impassioned, hugely informative, wonderfully controversial and scary as hell"

仮に訳せば下記のような趣旨だ。

「熱のこもった、大いに参考になる、素晴らしいほど物議を醸す、実に恐ろしい本」

ルカレの言う通り。すごい本だ。

精神的を病み、病院に相談に行った結果、ショック療法のモルモットにされ、すっかり人生をこわされた女性との会話から本書は始まる。この「ショック療法」、アメリカ政府のプロジェクトによる資金援助を得ていた。「ショックで、人の心を白紙にし、あらたに健全な人格を発展させる」という建前ではあった。本当の狙いは、効果的な拷問の研究だったようだ。今、その成果は、グアンタナモ、アブグレイブ他、アメリカの拷問で存分に活用されている。

フリードマンの自由市場経済というショック療法も、まさに、この歪んだ、精神病治療を狙ったという建前の拷問方法開発・適用と、本質的には変わらないのだ。と、具体的適用例を詳細に物語る。皮切りは、シカゴ・ボーイズによる、チリのピノチェット政権。

こういう本の翻訳に、一体なぜ二年もかかるのだろう?大変に不思議なことだ。

フリードマンの自由市場経済との決別を言わない、自民・公明与党ばかりではなく、うりふたつの政策をうたっている民主党にもダメージが大きいので刊行を遠慮しているのだ、とまでは思わないが。

英会話能力向上カリキュラム開発などより、良書翻訳の方が、文化の底上げ効果ははるかに大きかろう。そう、宗主国アメリカでは、オバマ・ブランドが強烈に喧伝され、属国日本では、民主党ブランドが喧伝されている。(少し前までは、まことに都合のよいオザワ・ブランドだった。今は、政治資金問題の不祥事から、ハトヤマ・ブランドになっていて、この語呂合わせは使えない。)しかも、ハトヤマ氏も、政治資金の故人献金で、結局同じような背景があることはばれてしまった。それでも、「二大政党政権交代」を求める声は、マスコミのみならず、(より正確には、大政翼賛マスコミゆえ、だろう)驚くほど多数のブロガーの皆様からあがっている。不思議なことだ。

いずれにおいても、所詮は、アメリカ傀儡派閥間の利権争い、より良い変革などおこらず、より悪しき政策の推進・継続が実態だろう。宗主国の人々がまんまと、オバマ・ブランドに乗せられたように、属国日本の人々、まんまと、民主党オザワ・ブランドに乗せらる。宗主国アメリカでは「チェンジ」、属国日本では「政権交代」。似たような猿芝居。オバマ・ブランドで、アフガニスタン・パキスタン戦線は拡大した。オバマ・ブランドという、より演技の巧みな名優を得て、いっそう戦争・内政介入が激化しただけ。

日本も間もなく、「チェンジ」する。「どのようにチェンジする」を問わないで、チェンジするのだから、もちろん必ずや悲惨なことになるだろうが、それは小泉氏のご印籠「自己責任」。

属国ホンジュラスでは、言うことを聞かない政権は転覆させられた。ひとごとではあるまい。こちらは、宗主国からの距離がホンジュラスより遠く、経済力が大きいだけのこと。宗主国に支配された、政界・軍隊・マスコミ・財界構造、一体どこが違うだろう。

民主党ブランド(オザワ・ブランド)に乗せられるこの国の未来、夏ながら、「どこまでもついて行きます下駄の雪。」腐敗しきった政界をそのまま反映するような芸能界の薬汚染。もっともらしいイメージで、人をだますのは、芸能人だけでなく、政治家や、マスコミの本性だろう。上記の文章をもじれば、そのまま日本。

あらゆるブランド製品同様、日本人も、自分の利益にならない様々な事をしたり、支持したりするように欺かれるのだ。

小泉「改革」という名の日本破壊、そして、自主憲法制定という名目による、日本軍のアメリカ傭兵化。

2009年6月 8日 (月)

カイロのオバマ:帝国主義のニューフェース

2009年6月5日

アメリカのバラク・オバマ大統領が、カイロで昨日行った演説は矛盾に満ちていた。彼は「無辜の男性、女性、子供の殺害」には反対すると語ったが、イラクとアフガニスタンにおいて継続中の、アメリカによる戦争や、パキスタンにおけるアメリカの代理戦争は擁護し、直近のイスラエルによるガザのパレスチナ人虐殺については沈黙したままだった。この戦争は、少なくとも百万人のイラク人と、アフガニスタン、パキスタンやパレスチナの領土で、何万人もの人々を殺害している。

中東で最も悪名高い二人の専制的支配者、サウジアラビアのアブドゥッラー国王とエジプト大統領ホスニ・ムバラクと会談した二日後に、オバマは、デモクラシーと人権と、女性の権利の支持を表明した。演説の中で、サウジアラビアでは、民主的な権利が完全に欠如していること、あるいは、ムバラク軍事独裁下で、継続している弾圧については、彼は何も触れなかった。アメリカ大統領がアル-アズハル大学に到着する数日前、200人以上の外国人学生を抑留しているエジプト秘密警察によって、キャンパスが強制捜査された。中東訪問を終えるにあたり、オバマはムバラクを「揺るぎない盟友」だとして称賛した。

全世界の平和と理解の唱道者のふりをしながら、更に17,000人のアメリカ兵士を派兵するアフガニスタン戦争をエスカレートさせる自分の命令に関する言及を、オバマは巧みに避けた。前任者のイラク政策を容認し、「イラク国民は、究極的に、サダム・フセインの独裁がなくなって楽になったものと信じている。」と宣言して、「2012年までにイラクからわが軍を全て撤退させる。」という誓約として語った、ブッシュ政権が取り決めた2011年12月の撤退期限についてさえ、彼はのらりくらり逃げたように見える。

オバマは、アメリカは「自己本位の帝国」だという、実にぴったりの特徴描写である非難を拒否し、アメリカ合州国が、イスラム世界において、基地、領土、あるいは、天然資源の入手を求めていることを否定した。アフガニスタン戦争は9/11テロ攻撃によってひき起こされた「必要な戦争」だったと彼は主張した。これはブッシュ-チェイニー政権が当時主張していたものと全く同じで、資源への権益の争いを意図的に隠ぺいしている。アフガニスタン戦争は、世界における、石油、ガスの二大資源、ペルシャ湾とカスピ海盆地を支配しようという、アメリカ帝国主義による動きの一部なのだ。

もちろん、ジョージ・W・ブッシュの威圧的な「我々の味方になるか、敵となるかいずれかだ」から、オバマの安心させるような「我々はこの件では、皆一緒だ」へと、修辞上の調子の目立った変化はあった。何人かの解説者が注目したが(ニュー・リパブリックは、演説を、2006年9月16日に、ブッシュが国連で行ったものと、一行ごとに比較した)、画像と音声を消して、用意された文章だけ読めば、言葉は、ブッシュ、コンドリーザ・ライスや前政権の他首脳たちが行った演説と酷似している。

あいまいで華麗な修辞や、イスラム文化や国家同権に対する言葉上の賛辞は、アメリカ帝国主義の政策を覆い隠すために使われる言葉の調節であって、実質上の変化ではない。オバマは、中東の抑圧された人々の不平を軽減するための具体的な提案は一つもしていない。それは、この圧政の根本的な根源は、帝国主義による自由企業体制と世界支配であり、そこでアメリカ帝国主義こそが、最も冷酷だからだ。

植民地主義と、イランで1953年に、民主的に選出されたモサデク政府を転覆した際のアメリカの役割について、オバマはつかの間だけ触れた。しかし「緊張の源である」地域について延々繰り返す中で、ブッシュの「テロリズム」に対する、オバマの表現上での代用品である「極端な過激派」を最重要課題として、前任者と同じチェック・リストを提示しただけだ。

オバマ演説に対するアメリカ・マスコミの反応は、全面的な称賛だった。マザー・ジョーンズ誌のリベラル派、デビッド・コーンは、オバマの大きな利点は「彼の個人的な経歴、ブッシュと違うところ、アメリカの過ちを認めていること、少なくとも、あたかも自分が、中東における率直な仲裁人でありたいかのごとく、進んで語ろうとするところ。」だと書いた。

マイケル・クローリーは戦争支持派のリベラル誌ニュー・リパブリックでこう書いている「彼が経歴を明らかにするのを、世界に対してこれほど変わった略歴を描き出すのを見るということは、この新人を世界に提示することで、アメリカがどれだけ利益を受けられるかを、高く評価することなのだ。」

おそらく最も意味深いのは、主要なネオコン・イラク戦争擁護者であるマックス・ブートのこういうコメントだ。「イスラム世界に対して、アメリカが正しいとい主張をする点で、彼は、はるかに効果的な仕事をしたと思う。問答無用。彼は前任者よりずっと有能なセールスマンだ。」

カイロでの演説で、オバマは、彼を採用し、昇進させてくれた、アメリカ金融エリートと軍と外交政策機構、という決定的に重要な部門から与えられた役割を演じていた。この役割とは、ワシントンの世界支配を目指す流れで、戦略ではなく、戦術の変更の一部として、アメリカ帝国主義の新たな顔となることだ。

ほぼ二年前、元アメリカ国家安全保障顧問ズビグニュー・ブレジンスキーは、まだ無名のイリノイ上院議員を、大統領候補として公式に支持し、イスラム世界に対する家族的なつながりがあるアフリカ系アメリカ人として、オバマは、アメリカ合州国の世界的イメージを改善してくれるだろうという希望を抱かせた。

ブレジンスキーは、民主党のジミー・カーター政権における主導的タカ派で、モスクワの官僚をベトナム風泥沼に陥れる為、ソ連侵略を誘発しようという目論見から、アフガニスタンにおける政変を起こすのを支援した。彼は、ユーラシアという「壮大なチェス盤」と彼が呼ぶもの、特にアメリカ合州国、ロシア、中国と、イランの間で、影響争いが起きている石油豊富な中央アジアに対し、関心を持ち続けてきた。

2007年8月のブレジンスキー発言によると、オバマは「世界におけるアメリカの役割の、新たな顔、方向についての新たな感覚、新たな定義が、課題であることを認識している... オバマは明らかに、ずっと効果的で、有利な立場にある。彼は、歴史的に何が重要で、世界との関係で、アメリカ合州国に何が求められているのかに関するセンスがある。」

アメリカ帝国主義権益の冷酷な擁護者であるブレジンスキーは、アメリカの支配層に対し、彼が「世界的な政治上の覚醒」と呼んでいるものの危険性を繰り返し警告してきた。

特に辛辣なコメントの一つとして、オバマ支持を表明するわずか数ヶ月前、ドイツの雑誌デア・シュピーゲルに、人類の圧倒的大多数は「人間の状態の、途方もない格差を、もはや容認しない。これは今後数十年間、我々が直面しなければならない共同的な危機となりえよう。」と彼は述べた

アメリカ支配層が最も鋭敏に恐れているのは、正しい名前で呼べば、世界革命なのだ。そのような社会的激変を防ぐための努力こそが、彼らをして、オバマをホワイト・ハウスに送り込ませ、カイロ巡礼へと派遣させしめたのだ。

パトリック・マーチン

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2009/jun2009/pers-j05.shtml

2009年6月 4日 (木)

オバマの大奇術

Yvonne Ridley

2009年6月2日

Information Clearing House

皆様方のうち、一体どれだけの方が、アメリカの新指導者が、実に政治上のフーディーニであることにお気づきになっておられるだろう。... 彼は大統領レベルの奇術師(イリュージョスト)なのだ。

我々が注視する中、彼は、穏やかで、知的で、強力な人権の擁護者から、暗殺を支持し、いとも気軽に先制攻撃を命じる、戦争を挑発するごろつきへと変身したのだ。

ジョージ・W・ブッシュが、本当の狙いを思い切って公表し、イラクを侵略し、数千人のアメリカ兵の命を犠牲にし、無数の民間人を虐殺した戦争で、300万人の人々を追い出すまでには何年もかかった。

一方、口の達者なオバマは、パキスタンに対する違法な戦争を始めることによって、同じ目標を、ホワイト・ハウス入りしてわずか数ヶ月のうちに達成した... ただし、彼は自らのアメリカ軍ではなく、人さまの軍隊を利用しているのだが。

彼は、ホワイト・ハウスの前任者の倍、賢く、はるかにずっと破壊的だ。オバマは、おそらくは、世界でも最も巧妙な操り人の一人であり、これまでで最大の彼の大奇術は、国民とマスコミを欺いていることだ。

安い外注軍事労働として、パキスタン軍をずうずうしく利用しながら、何百万ドルもの援助と、世界最大の軍事機構による支援の約束で、パキスタン指導者アシフ・アリ・ザルダリを誘って、ほとんど催眠状態のまま、どうすることもできない状態に追い込み、まるでアニメの一時停止状態にしている。

むろん、大統領として、国や国民が望んでいる威厳をもって行動するのではなく、奇術師の助手であるかのように使われてしまっているザルダリにも責めるべきところはある。

オバマは、前任者よりもはるかに破壊的であり、しかも、ナイス・ガイから、何かずっと不気味なものへの彼の変身は、豊穣で、滑らかな、魅惑的な彼の口調から発散される強力なカリスマに酔いしれているかに見える世界中のマスコミから、ほとんど気づかれないままに過ぎた。

グアンタナモを閉鎖し、軍事法廷を終わらせ、2001年以来、前政権の対テロ戦争の拷問と虐待をビデオや映画として記録した、不名誉の記録を丸ごと公開する等の約束を、彼は既に破っている。

元グアンタナモ抑留者モアッザム・ベッグは、オバマ大統領の180度転換の一つを巡り、最近こう発言している。「オバマ大統領は最近、CIA工作員の免責を認めた ... もし、失敗したものごとの理由を知りたいという願望が、「国家安全保障上の配慮」という名目のもとで、これほど大胆にもみ消されてしまうのなら、こうしたことに際限がなくなる。そして主戦論者たちは、別の醜悪で犯罪的な隠ぺい工作で、またもや逃げおおせるのだ。」

グアンタナモの恥ずべき監獄を消滅させる権力がオバマにはあるため、世界中の人権活動家達は、キューバ、バグラムや他の場所にある監獄が、パッと開放されるのをここ数週間、息をのんで待ち構えていた。

マスコミにとって、自社の記録保管所をちょっと調べ、選挙遊説にした約束をオバマに指摘し、責任を課するのに、はたして、それほど手間がかかることだろうか? ホワイト・ハウス・ウェブでの最初の約束は、自分の政権はアメリカ史上、最も透明性の高いものになるというものだった。不幸にも、こうした壮大な発言、決して、実行されていない。

しかし、このマスコミの健忘症、あまりに好都合すぎるではないか。18ヶ月内に、イラクから、全戦闘部隊をアメリカに帰還させるという彼の決意に一体何が起きたのだろう?

テレビ放映された大統領候補討論会で、オサマ・ビン・ラディン逮捕は「我々にとって最大の国家安全保障上の優先課題」だと発言していたたではないか、と指摘する覚悟があるホワイト・ハウス番記者はいないのだろうか? おそらくはオバマの催眠作用が、連中のコンピューターのハードディスク・ドライブと、メモリーを消去してしまったのだろうが、彼のアメリカの全軍最高司令官としての最初のTVインタビューを聞けば、オサマは単なるシンボルどころではないと彼は発言しているのだ。

彼の実際の発言はこうだ。「彼は、アメリカ国内の標的に対して、攻撃を計画している組織の作戦指揮者でもある」そして「アルカイダを撲滅する上で、ビン・ラディンの逮捕、あるいは殺害は、極めて重要な部分である。」とも言った。

オサマを捕まえるつもりだと発言して、無教養な白人労働者の多い南部の票を確保したオバマは、今や、「アメリカを守るという我々の狙いを達成するのに」アルカイダの親玉を殺害したり、逮捕したりすることはもはや不要となった、と言っている

とはいえ、アルメニ系アメリカ人は、それほど騙されやすくなく、最近のトルコ訪問で、アメリカ大統領が、またもやお得意の早変わりを易々と演じたのを見て、恍惚状態から目覚めたむきがかなりいた。

「大統領として、私はアルメニア人虐殺問題を認知するつもりだ」と、彼は選挙キャンペーン中に、はっきり堂々と宣言していたのだが、トルコ到着時、この大いに微妙な話題について尋ねられると、ブツブツ言っただけ。「私の考え方は公式に記録にされており、誰もが私の考え方を知っている。」そして過去の発言を詳細に述べることを拒否した。

「日光は最高の消毒薬だ」と、オバマはホワイト・ハウスの鍵を手に入れる前に語っていた。アメリカ大統領が、世界という舞台で、脚光を浴びながら、演じるのを見ていると、何か暗闇のようなものが、大統領の影でコソコソうごめいているのが見える理由は、これかも知れない。

新大統領の魔法にかからない人々も多少はいる。彼らも、私のように、羊の衣はもはや消え去り、今や危険な狼が、連邦議会、政治権力の中心を、闊歩している、と思っているのだろう。

近頃ホワイト・ハウスでは新たな出し物が演じられており、ハリー・フーディーニは、命知らずの脱出劇や手品を演じて、名声を確立したのだが、彼の政治上の分身、確かに、闇の芸術と集団幻想の名人であるに違いない。

この大統領、人々を魅惑する人物から、危害を与える人物へと変身したのに、ほとんどの人がそれに気づいていないのだ。

ジャーナリストYvonne Ridleyは、人権団体ケージ・プリズナーズ www.cageprisoners.com後援者、政党RESPECTメンバーで、Press TVの政治番組The Agendaの司会者でもある。

記事原文のurl:informationclearinghouse.info/article22753.htm

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属国の元変人首相の演技を、さらに拡大した、宗主国アメリカ版?

共和党のブッシュ大統領から、民主党のオバマ大統領に、「チェンジ」した。

「継続は、チェンジだ。」「戦争は、平和だ。」「侵略は解放だ。」とばかりに、前政権以上に、戦争を継続・拡大し、日本からは、金をまきあげるだけでなく、ソマリアへ派兵を命じている。

属国日本の衆議院選挙で、仮に自民党・公明党から、民主党に政権が変わっても、宗主国と同様、庶民は裏切られるだけの結果になるのは明白。911小泉目くらまし選挙の焼き直し。

日本における無差別「政権交代原理主義」、疫病蔓延状態。豚インフルエンザより恐ろしい。

インフルエンザ、所詮は一時的なもの。体の不調をまねくだけ。

えせ二大政党間政権交代、疲弊した社会が永続的に破壊される。完全属国化に向かって。

下記エントリーも、「オバマ大統領」に分類しておくべきだったようだ。

オバマの『動物農場』: より大規模で残酷な戦争は、平和で公正だ。

2009年1月27日 (火)

オバマ就任演説: 陳腐さの中、耐乏生活への呼びかけ

wsws.org

2009年1月21日

火曜日の就任演説で、バラク・オバマ大統領は、経済危機に対処したり、戦争を終わらせたりする具体的な約束や、計画という意味では、何も語ってはくれなかった。そうではなく彼は、アメリカ人はさらに大きな犠牲を受け入れなければなるまいと示唆したのだ。

220年前のアメリカという共和国の生誕にまでさかのぼる仰々しい儀式は、最初のアフリカ系アメリカ人が大統領という地位に就任したことで更に強調されたが、オバマの発言の陳腐さと、メッセージのむなしさが、対照的にきわだった。

ワシントン・モールに押し寄せた何百万人もの人々にとって、この日の感情は、アフリカ系アメリカ人が権力を握ったことは、本当のチェンジ(改革)を意味するのであろうという期待と、ジョージ・W・ブッシュが退任するという安堵感に後押しされていたのだろう。ブッシュがキャピトルの階段に登場すると、集まった群衆から大きなヤジがおこった。式典の最後に、モール上空を、アメリカの歴史上最も嫌われた大統領ブッシュを載せたヘリコプターが去って行くと、群衆から、スポーツ・ファンが相手チームを野次る際に良くやる声援が沸き起こった。「ナ-ナ-ナ-ナ、ナ-ナ-ナ-ナ、ヘイ ヘイ、さようなら」

新大統領の就任が、盗んだ選挙から始まり、二つの侵略戦争、歴史上前例のない憲法上の権利に対する攻撃、社会的不平等の間断なき拡大、現代アメリカ史上最悪の経済危機をひき起こした八年間の国家的悪夢が終焉するサインになるのではという、全体的な希望があった。こうした感情は式典の国際放送を見ていた世界中の人々が共有していただろう。

だが、オバマの演説は、そうした期待を冷ますという強い狙いから作り上げられたもののように見える。彼のメッセージをあまねく商業マスコミが喧伝し、ニューヨーク・タイムズワシントン・ポストのウエブの見出しを飾ったのは、オバマの「新たな責任の時代」という呼びかけだった。

この呪文にこめられた少なからぬ皮肉は、責任という原理が、実に恣意的に適用されていたことだ。ここ数週間、オバマと顧問たちは、ブッシュ、チェイニーや他の幹部たちに、連中の任期中の、戦争犯罪と憲法に対する犯罪に等しい政策について、いかなる形にせよ責任を問うつもりはないことを、何度となく明言していた。

アメリカ資本主義の歴史上、最も深刻な金融恐慌についていえば、少なくとも、オバマの判断では、頂点にいる連中は誰一人、なんら個別の責任をとっていない。「アメリカの経済は、ひどく弱体化した、一部の人々の強欲と無責任の結果ではあるが、困難な選択をし損ね、国を新しい時代に備えそこねた、我々全員の過ちでもある」演説の始めに、彼はそう宣言した。

こうした公式は、仕事や家を失う事態に直面している何千万人もの労働者に、現在の危機に対して、何の責任もないのに、金融上の寄生と、犯罪行為によって、自分たちの企業や世界経済を破滅に引きずり込んだ、ウオール街の幹部や、ヘッジファンド・マネージャーと、同様に責任をとらせるものだ。

数兆ドルもの公的資金がウオール街を緊急救済するために投入されている中、そうした企業のCEO達は7なり8桁の報酬パッケージを引き出し続けているのに、今や、オバマは、職、給与や社会福祉への重大な攻撃を受け入れて、自分たちの生活を破壊している危機の"責任"をとらねばならないと勤労者を諭すのだ。

オバマの美辞麗句のあちこちに、彼とスピーチライターが、フランクリン D. ルーズベルトが大恐慌のどん底で、1933年に行った就任演説を掘り出したような形跡がある。ここには明らかに歴史的な類似点があり、火曜日、オバマが就任宣言をしている最中でさえも、株式市場が8,000以下に急落し、多くの銘柄が5パーセント以上の価値を失ったことで、これが一層明らかになった。

しかし、最も特記すべきは、オバマが、76年前のルーズベルトのようには率直な語り方ができなかったことだ。新大統領の就任演説を特徴付けるものは、何よりも、あらゆることに関する驚くばかりの具体性の欠如だ。

ルーズベルトが国民に向かって演説した時は、彼は「真実をお話しする。全ての真実を、率直かつ大胆に」と約束した。オバマは明らかにそうはしなかったが、彼の狙いは、資本主義を社会革命から救うことであり、危機が何をもたらしたか、そして、それに対して何をするつもりなのかを、かなり明快な単語で彼は語った。

1930年代の恐慌は、自然の"恵"、あるいは、それを増幅しようとする"人間の努力"の欠如によって起きたものではなく、"人類の商品を交換する支配者達が、頑固さと無能さゆえに失敗した"ためだ、とルーズベルトは言明した。彼は続けた。「金融業者の無節操な慣行は、世論という法廷で告訴され、人々の心によって拒否された。」

オバマは、この概念の最初の部分から、彼の演説の一部を引きだしたもののようで、彼はこう語っている。「アメリカの労働者の生産性が落ちたわけではない。先週、先月、昨年と比べて、我々が創造的でなくなったわけでもなく、アメリカの製品やサービスへの需要が減ったわけでもない」だが、触れずに残されたのは、それが本当なのであれば、一体なぜ、アメリカで、昨年だけでもほぼ三百万もの職が消滅し、経済が恐慌へと急降下つつあるのだろうかということだ。

このごまかしの背後にあるのは、彼を支持した人々に対する、驚くべきレベルの軽視と見下しだ。あきらかに、彼はそうした人々に対する説明など不要だと感じている。触れなければ触れないほど良いのだ。

オバマは、選挙キャンペーン資金のかなりの部分を支払い、就任式そのものに資金を供給している現代の"金融業"の役割には、言及することさえできない。"平等"にまつわるあらゆる美辞麗句にもかかわらず、オバマが擁護しようとしているのは、膨大な人数のアメリカの勤労者を犠牲にした上での、そうした金融業の利害だ。

政府の役割と資本主義市場にかかわる「過去の陳腐な政争」を乗り越え、「不快な決断を先延ばしする」時代は過ぎ去ったと誓った部分こそ、主張の本当の意義だ。

「我々が今日問うべき問題は、アメリカの政府が大きすぎるか、小さすぎるかではなく、それが機能しているか否か...その答えがイエスなら、我々は更に前進しよう」彼は言った。「答えがノーであれば、その政策は終わりだ」またもや、どのような政策を終わりにするのかについて何ら具体性はないが、彼は先週、政府の財政危機に対処する手段として、社会保障やメディケアを含む基盤的社会福祉政策を根本的に削減する意図を示した。

「また、市場が、善への力なのか、悪への力なのかということも、我々の問題ではない」オバマは続けた。「富を生み出し、自由を広める市場の力は、比類のないものだ」現在の危機が、「注意深く見ている」必要性を示したことを、彼は認め、「繁栄がどこまで到達するか」は「意欲のある人々」に機会を与えることによって広げられるべきだ、という信念を表明した。ロナルド・レーガンの演説や、ウオール街とアメリカの実業界に成り代わり、過去三十年間支配してきた、他のどの右翼政治家達の発言にも見いだせないような事はここにはひとつもない。

危機を克服するのに不可欠だと彼が考えている類の行動を説明するにあたって、オバマが「同僚達が仕事を失うはめになるよりは、労働時間を短縮するという、労働者の無私の心」を引き合いに出したのも、決して偶然ではない。これも、緊急救済された当の銀行家達が、いかなる犠牲を払うことも拒否している中、アメリカ中の労働者が、職を維持するという美名のもとに、労働時間短縮と、給与削減に見舞われている状況のもとでだ。

"対テロ戦争"は続く

演説全体を通して流れている二つ目の基本的な主題があったが、それは、略奪的な海外政策を、倫理性と利他主義という美辞麗句で包むということに多少大目の配慮はするものの、アメリカの好戦性と軍国主義は継続するということだ。

演説の最初の実質部分で、オバマはこう宣言した。「わが国は暴力と憎悪の広範囲におよぶネットワークと戦争中だ。」この含意は誤解の余地がない。「世界対テロ戦争」二つの侵略戦争を仕掛けるのにブッシュ政権が使った口実、拷問、特別引き渡し、違法な拘留や国内スパイ活動は、変わることなく続く。

オバマは自分の政権のもとで、「我々は責任を持って、イラクをその国民たちにゆだね、アフガニスタンでは苦労して得た平和の構築を始める」と誓った。ところが、こうした戦争を始めた決断については、一言の批判もなかった。実際、新政権は既に、イラクを「その国民にゆだねる」どころではなく、占領を、より経済的な規模で、無期限に継続し、何万人もの追加のアメリカ兵士がアフガニスタンでの戦争を拡大するために派兵される予定であることを示している。

演説には、ごう慢さと盲目的愛国主義の醜い響きがあった。オバマの「私たちは自分たちの生き方について弁解はしないし、生き方を守ることにためらいはない」という宣言や、恐らくは、アフリカ、中東、アジアや中南米の歴史的に抑圧されてきた諸国の、自国の社会的病状を西欧のせいにする指導者たちに対する懲罰の発言に。

「自分たちの目的を進めるためにテロを引き起こし、罪のない人々を虐殺しようとする者」に対し、彼は修辞的に挑戦し、こう誓った。「我々はあなたがたを打ち破る。」アメリカが供給した兵器とオバマの沈黙という暗黙の支持により、ガザに対して行った、何千人もの無辜のパレスチナ人が殺害されたり、不具になったりした、イスラエルの三週間の猛攻撃後では、こうした言葉も偽善の臭気にまみれてしまう。

最後に、オバマは「まさにこの瞬間に、遥か彼方の砂漠や人里離れた山々をパトロールしている」アメリカ兵士を讃え、「彼等の奉仕精神」こそ「まさに我々全員が抱かねばならない精神だ」と断言した。

こうして新たに就任した大統領は、現代の軍国主義に教科書的定義を与えたのだ。軍隊の理念と精神を、国家の理想として、彼のアメリカ再生という「ビジョン」の本質として、鼓舞するのだ。

初のアフリカ系アメリカ人大統領就任ということからすれば、公民権闘争について、更に言えば、あらゆる形の社会的闘争について全く触れられなかったことは特筆に値する。

そうした削除には二つの理由がある。オバマには今日、そうした大衆の社会闘争を奨励する意図は皆無で、また彼は、自分がその上に成立していて、自分を取り囲んでいる反動勢力の機嫌を損ねないよう苦心しているからなのだ。

だが、彼の意図が何であれ、アメリカと世界中で今展開しつつある途方もない経済・社会的危機は、そうした闘争をひき起こすだろう、それも一層大規模に。陳腐で、不誠実な就任演説の中で、わずかだけ示唆されていた政策は、圧倒的多数のアメリカ人の、社会的な利害関係や念願とは全く食い違っている。遅かれ、というより、まもなく、そうした政策は、アメリカ資本主義の基盤に真っ向からぶつかるような政治的対立と、新たな階級闘争の勃発をもたらそう。

Bill Van Auken

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2009/jan2009/pers-j21.shtml

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日本(もちろんアメリカでも)のマスコミには掲載されない文章だろう。

マスコミの提灯記事はもちろん、ブログをかかれている方々も、この演説からなにかを期待しようとしておられるのを多数見受ける。不思議な光景だ。(小泉郵政選挙を思い出す。)商業マスコミは、宣伝が商売なので、是非はともかく、その論理はわかる。しかし、更に搾り取られるはずの日本の庶民(失礼)が、この演説から何かを期待される理由とは一体何なのだろう?更に、属国日本人の金と血を搾り取られるだけだろうに。頑迷な中高年に、正解をご教示頂ければ幸いだ。

「素晴らしい」という新聞記事を読んでも、blogの皆様の感激記事を読んでも、皆様が称賛されたり、期待されたりする理由が全くわからない小生、認知症が始まったのかも知れない。あるいは、貧乏ゆえほとんど牛肉など食べないが、遠い昔アメリカで何度かビフテキを食べたせいで、狂牛病が発症したのだろうか。

イソップ物語の一つを思い出す。池に住む蛙が、「王様が欲しい」、と神様に要求した話だ。神様、最初に、丸太ん棒を投げ込んでくれたが、デクの坊。蛙はあきたらない。「もっと強い王様が欲しい。」と要求すると、神様はコウノトリ(あるいはヘビ)を送り込んでくれた。蛙は全員食べられてしまい、めでたし、めでたし。

念の為、昨年末に亡くなった加藤周一の言葉を再掲しておこう。

だから、あの、英語をお読みになる方は、あの、英会話をしないでね、で英会話をすることより、その英語の新聞に、あの何が書いてあるかということをご覧になった方が良いと思う。それで、もし日本の新聞に書いてあることの誤差があれば、その差が何を意味するかということを見極める必要があると思うんですよね。

この発言の前の部分若干については下記をどうぞ。:

マスコミに載らない記事『ごう慢と無知』の末尾

加藤周一講演会 老人と学生の未来-戦争か平和か 2006年12月8日、東京大学駒場900番教室

の加藤発言のごく一部を書き起こしたものだ。

ところで不況の中オバマ演説集本やCDが結構売れているようだが、本当だろうか?

英語能力がないのを棚に上げる貧乏な中高年の小生、オバマ演説本やCDには金も時間も回らず、加藤周一の言葉通りに行動する以外、悲しいかな選択肢なし。

個人的には、彼のCDを買うお金があれば、神社仏閣にお賽銭をあげるだろう。

アメリカ発恐慌に対する結論は「三億総懺悔」(属国日本を含めると四億総懺悔)

「彼等の奉仕精神」は、昔の「滅私奉公」

「新たな責任の時代」属国で既に実験済の「自己責任」(小泉元首相以降の属国政府御用達)そのまんま演説。

そもそも「チェンジ(改革)」、わが属国傀儡首相のキャッチ・フレーズだったではないか!見栄えの良さ、わかりやすい(B層向けの?)語りくち。小浜も小泉元首相も、共有しているようだ。

「チェンジ(改革)」のインチキさを言えば、地方の知事選結果をあげつらって、民主党の上げ潮を言う報道も、実にまゆつば。

何度も繰り返すが、小沢民主党こそ、究極の「偽装チェンジ」に他ならないだろうに。

小沢代表の意見の通り、ISAFに派兵し、はるばるアフガニスタンで、正義のない戦争をするのが、本当に日本人の大多数の熱望であれば、そういう愚劣な人々の国に生まれた以上、いたしかたあるまい。もちろん、その論理、ぼけ中高年の筆者には、永久に、全く、わからない。

悪い平和も、良い戦争もあったためしはないと確信しているが、多勢に無勢。

一度始めれば、属国傭兵軍は世界中に出てゆかされるだろう。これも、不況のおり「雇用の機会が増える」好例といわれるのだろうか。

2009年1月25日 (日)

オバマの新海外政策チーム、アフガニスタンとパキスタンにおける殺りくエスカレーションを準備

wsws.org

Patrick Martin

2009年1月24日

水曜日と木曜日の一連の会議や、公式行事への出席、そして政権最初の軍事攻撃を通して、バラク・オバマ大統領は、中央および南アジアへの軍事介入をエスカレートする中で、アメリカはアフガニスタンとパキスタンでの虐殺を強化する計画であるという明瞭なサインを送った。

金曜日朝、プレデター無人偵察機から発射されたミサイルは、パキスタン国内の二つの標的に命中し、少なくとも18人を殺害した。アメリカのマスコミ報道ですら、殺害された人々の大多数は現地の住民であったことを認めているにもかかわらず、いつもの、リモコンによる殺害作戦の場合同様、アメリカ軍当局は、アルカイダを標的としていたのだと主張した。

三発のミサイルが、北ワジリスタンのザルキ村を攻撃し、10人を殺害したが、そのうちの五人は、アメリカの"治安当局"によると、アルカイダ戦士だとされている。数時間後、別のミサイルが南ワジリスタンの家に命中し、8人を殺害したが、その身元は不明だ。

攻撃は、昨年8月以来20回以上のそうした一連の攻撃で最新のものであり、ペンタゴン当局は、退陣するブッシュ政権に承認された権限のもとで攻撃を遂行したもので、新大統領には、作戦についての十分な情報を与え続けていたと語っている。

ミサイル作戦による死亡者数は、パキスタン政府の数値によると、少なくとも263人にのぼる。アメリカ政府当局でさえも、殺害された人々のうちごくわずかだけが、アルカイダやタリバンと何らかのつながりを持っているに過ぎないと主張している。

パキスタンが主権を持つ領土への攻撃は、国際法にあからさまに違反しており、イスラマバードの政権は口頭で抗議しながらも、同国軍に対する何十億ドルものアメリカの助成金を受け取り続けている。

木曜日、オバマと新任国務長官ヒラリー・クリントンは、国務省で政治集会を催し、二人はこの地域に対する二人の新植民地総督の任命を発表した。

元上院議員ジョージ・ミッチェルは、クリントン政権時代のアメリカ中東特使という自分の役割を繰り返すことになる。元国連大使リチャード・ホルブルックは、アフガニスタンとパキスタンへのアメリカ特別代表だ。

異なる肩書きは異なる役割を反映している。ミッチェルは、イスラエルとパレスチナ当局の間、およびイスラエルと周囲のアラブ諸国間の交渉を復活させ、監督するのが仕事だ。彼の仕事は、厳密に外交的なものだ。

ホルブルックは、アフガニスタンとパキスタンのアメリカが支援する政権と、カーブルのアメリカ軍司令部と仕事をし、アルカイダとタリバンに対する共同作戦を調整することになっている。国務省によると、彼の肩書きは"特使"ではない。それは、彼は外交のみならず、軍事政策についても提案する予定であり、またタリバンとの交渉はしない予定だ。これは、アフガニスタン大統領ハミド・カルザイや幾つかのヨーロッパ諸国による、そうした話し合いへの懇願に対する拒否である。

クリントンは、二人の任命を「.. わが国は、再び世界的な指導力を実際に示すことができるのだという明瞭なサインだ。」と述べた。オバマは、両方の地域で、二人は「我々の真摯な意図を伝えてくれよう」と語った。

ミッチェルは、1998年の聖金曜日合意(別名ベルファスト合意)に至った、北アイルランド交渉で議長をつとめた。この合意のもとで、IRAが武装解除し、アイルランド共和国の政治家達が地方政府に参加した。彼は後に イスラエル-パレスチナ紛争にかかわる委員会の委員長をつとめ、その委員会報告は2001年4月にまとめられたが、ヨルダン川西岸のイスラエル入植地の凍結を主張していたため、後継のブッシュ政権によって無視された。

イスラエルの幹部、特に同国の2月10日国会議員選挙で勝利が見込まれている右翼リクード党は、部分的にレバノン系-アメリカ人家系である(母親がマロン派キリスト教徒)ミッチェルに対するあからさまな不信を表明した。

ミッチェルの任命では、シオニスト政権を、アラブ人大衆に対する軍事的一番槍として利用するという、この地域におけるアメリカ帝国主義の基本政策をごまかすことは不可能だ。ミッチェルの上司たる、オバマもクリントンも、1,300人以上のパレスチナ人が命を失い、5,000人以上の人々が負傷した、イスラエルによる24日間のガザ猛攻撃に対する支持を明らかにしている。

ベトナムで外交官として勤務していた大昔以来、長らくアメリカ帝国主義の最も冷酷な代理人の一人として一貫して働いてきたので、ホルブルックの指名は一層不気味だ。彼が衆目を集めるようになったのは、オハイオ州デイトンで行われ、アメリカが強制するボスニア内戦調停という結論を出した旧ユーゴスラビア危機にかかわる1995年の会談におけるアメリカ外交チーム・リーダーとしてだった。

彼は、1995年の攻勢で、25万人のセルビア人を南部クロアチアのクライナ地域から追い出した、クロアチアのフラニョ・トゥジマン政権による民族浄化を奨励しており、ホルブルックは戦争犯罪で告訴されてもおかしくないのだ。彼は後に、デイトン会談に関する回顧録の中で豪語している。「トゥジマンは、アメリカの立場を明確にして欲しいと要求した。彼はずばり私の個人的見解を尋ねた。私は攻勢に対する基本的な支持を示した ... トゥジマンに、攻勢は交渉上、非常に有効だと私は言った。セルビア人に、数年間にわたって支配してきた領土をあきらめさせるよりは、戦場で勝ち取ったものを確保する方がずっと容易だろう。」

ホルブルックは、デイトン会談時に、クロアチア軍が、セルビア人に対して残虐行為をしていることを十分に承知しており、こう言ったと後に引用されている。「我々は必死だったので、こうした連中を、我々の猛犬として「雇った」のだ。我々には連中を「支配」する必要があるのだから。だが今はそうした物事に上品ぶるべき時ではあるまい。」彼は今度は、南および中央アジアで、アメリカ帝国主義の汚い仕事をするための新たな「猛犬」探しに邁進するだろう。

国務省集会での発言で、"テロに対する戦いの"中央戦線"たる地域、アフガニスタンとパキスタン両国における、彼の言う"悪化した状況"に対する懸念をオバマは、改めて表明した。ジョージ・W・ブッシュのイラクに対する表現を思わせるこの言葉は、アフガニスタン国民の軍事的征服と、大半が、アフガニスタン国内で多数派のパシュトゥーン族と部族的につながっているパシュトゥーン語話者である、国境地域のパキスタン国民に対する広範な攻撃に対する、新政権の強い関与の意志を強調するものだ。

ホルブルックの職務権限は、「この地域におけるアメリカ合州国の戦略的目標を実現する努力の一環として、政府全体にわたって調整をする」ことになろうとクリントンと述べた。こうした目的はアフガニスタン-パキスタン国境沿いの山々に隠れているアルカイダの残滓とは無関係だ。介入の本当の狙いは、ブッシュのもとでそうであったように、オバマのもとでも、中央アジアの石油資源が豊富な地域で、アメリカ合州国を主要大国として確立することだ。

アフガニスタンにおける軍事問題の焦点が改められたことは、ブッシュからオバマへの政権移行に際しても、その地位を保っている国防長官ロバート・ゲーツも示している。木曜日の記者会見で、アフガニスタンでのアメリカの目標は、これまで「余りに広範に過ぎ、余りに遠い将来にわたり過ぎていた。我々には、3年から5年以内に、ある地域での支配を再確立し、国民に治安を実現し、アルカイダを追いかけ、テロの再興を防ぐという点で、現実的に実現可能な、より具体的な目標が必要だ」と彼は述べた。

ペンタゴンでは、アフガニスタンへのアメリカ軍補給路存続の可能性を巡る懸念が高まっている。特にオバマの計画通りに陸上に派兵される軍隊が倍増した場合に。アメリカ軍の補給の三分の二が、パキスタンを経由しており、カイバル峠を経由してアフガニスタン入りする輸送車両集団は、再三攻撃に曝されている。アメリカ中央軍を指揮する立場に昇進した、元イラク司令官で、この地域全域での戦争計画の責任を持っているデビッド・ペトレイアス大将が、最近、これら諸国経由のアメリカの補給品輸送を拡張する条約締結を求める、タジキスタン、トルクメニスタン、カザフスタンおよびキルギスタンを巡る出張を終えた。水曜日、彼は所見をオバマのホワイト・ハウスに報告した。

ニューヨーク・タイムズの1月22日の記事によると、アフガニスタンにおけるアメリカ軍当局のもう一つの主な懸念は、現在、広大な地域に、まばらに展開している主としてイギリス、カナダとオランダ軍の兵士がパトロールをしている、カンダハール周囲の南部諸州におけるタリバンの影響力の強化だ。

タイムズの記者は心配げにこう報じている。「おそらくは、州都の一つであるカンダハールで、兵士不足が最も顕著だということになろう。約3,000人のカナダ兵士が、約500,000人が暮らす都市の治安確保を任されている。最近の訪問で、記者は五日間市内を巡ったが、街路では一人のカナダ兵士もみかけなかった。兵員不足のため、タリバンが市内で大規模攻撃を仕掛けることが可能になっているのだ。」

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2009/jan2009/fore-j24.shtml

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自分たちが起こした「金融恐慌」をネタに、貯蓄をしぼりとり、

自分たちが勝手に始めた「テロに対する戦い」のため戦地への恒久派兵を強制する

偉大な日本総督についても、提灯記事でない、真面目な分析を読みたいものだ。

2009年1月24日 (土)

オバマ、最高のCFR、ビルダーバーグ・メンバーを指名

Kurt Nimmo

Infowars

2009年1月22日

ロイター電から:

就任一週目のあわただしい外交活動の中、アメリカ大統領バラク・オバマは、木曜日に、中東特使とアフガニスタン-パキスタン地域特使とを任命した。

新任のヒラリー・クリントン国務長官は、オバマが、元上院議員で国際問題の老連な紛争調停者であるジョージ・ミッチェルを特使に任命したと発表した。これでミッチェルが瀕死の状態にあるアラブ-イスラエル和平会談に活を入れることになる。

オバマは、元国連大使リチャード・ホルブルックを、アフガニスタンとパキスタンと関連問題の特使に指名した。

ジョージ・ミッチェルはただのCFRメンバーではない。彼はグローバリスト組織の元会長でもあるのだ。

ミッチェルは「ジミー・カーター大統領(CFRメンバー)に任命されてから、連邦の政治に関わり始めた」と、トム・コバックは書いている。

「ミッチェルは、世界で二番目に巨大な法律事務所、DLAパイパーの会長である。これは、最近フル・サービスの「多文化的」事務所をドバイに設置した企業だ。ドバイは、オイル・マネーで、アメリカの港湾業務を買い占めようとした国の港湾都市だ。ミッチェルの弁護士事務所は、港湾を買い占めようとしたドバイの会社DPワールドのためにPR活動をした、元アメリカ国防長官ウイリアム・コーヘン(CFRメンバー)が所有するコンサルティング企業と、「戦略的提携」をしている。DLAパイパーは、フォーチュン500社のうちの上位250社の半数以上、そしてFTSE 350、あるいはその関連企業のほぼ半数が顧客だ。

ミッチェルは、コンラッド・ブラック、ヘンリー・キッシンジャー、デビッド・ロックフェラー、リチャード・ホルブルックといった著名人とともに、アメリカン・フレンズ・オブ・ビルダーバーグ運営委員会の一員だ。彼は外交問題評議会の理事会メンバーだ。熱心なクリントン支持者で元国連大使のホルブルックは、金融資本による民営化の見本である、ボスニアを細分化し、NATOとIMFの属国におとしめたあの「和平合意」、デイトン和平協定を仲介した。

ホルブルックの「和平計画」は、NATOによるボスニア内のセルビア領大爆撃後にようやく実現したに過ぎない。

ホルブルックは、この上ないインサイダーで、グローバル・エリートの工作員だ。ヘンリー・キッシンジャー、デビッド・ロックフェラーや、ポール・アレールらと共に、ホルブルックは、エクソン、アルコ、IBMや、他の多国籍企業から資金を得ている組織であり、会議用の財政支援を、グローバリストのフォード財団、ロックフェラー財団や、カーネギー財団から得ている、アメリカン・フレンズ・オブ・ビルダーバーグを支配している。

ホワイト・ハウスは、CFRとビルダーバーグ連中の支店になりつつあるようだが、これは、単なるおきまりの結果でしかない。長年CFRは、その仲間、三極委員会やローマクラブ、そしてビルダーバーグといった国際的な組織とともに、ホワイト・ハウスのみならず、国務省、国家安全保障会議、ペンタゴンや、連邦政府の多くにはびこってきた。

「CFR会員には、士官学校校長、連合軍最高司令官、国防長官経験者や、防衛政策担当者も含まれている。マスコミの会員には、タイム、ニューヨーク・タイムズ、ニューズウイーク、ワシントン・ポスト、CBS、NBC、ABC、等々がある」と、ノア・W・ハッチングスは書いている。

「CFRは、また様々な国連機関で働くアメリカ合州国の要員にも影響を与えているが、これも当然のことだ。なぜなら国連の目標は、通常CFRの目標と一致しているからだ。」

アメリカ人は、改革(チェンジ)のために投票したものと思い込んでいるが、実際は、更に四年、あるいは八年間のグローバリストによる支配を承認したのに過ぎない。

記事原文のurl:www.infowars.com/?p=7291

コメントに、ご希望があったので、一つだけ、読者投稿を。

見出しが間違っている。「CFRとビルダーバーグのメンバーが、オバマO’ Bummer(語呂合わせ:うわー、いやだなー)を任命」とすべきだ。 !!!

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オバマ、決して嘘は言っていないだろう。彼はチェンジ(改革)すると言ったのだ。

人さえ変えれば、「チェンジ(改革)する」という約束は既に果たしたことになるだろう。

小泉元首相も「改革」すると約束し、郵政、日本全体を完膚無きまでに「破壊」した。お見事。

「売国政策をしない」とも「日本を破壊しない」とも、「庶民を苦しめない」とも言ってははいなかった。嘘を言ったとはいえないかもしれない。

小沢民主党代表が導入した小選挙区制度のおかげで、自民党は大勝できたのだ。

小泉元首相が権力を握れば、庶民が地獄におちることは日頃の態度・発言で想像できたろうに。マスコミは、小泉熱をあおった。「責任をとって、破産していただきたい」と、思う。今、オバマ熱をあおり、民主党への政権移行をあおるのも、全く同じ、プロパガンダ。それこそが、マスコミの業務・存在意義だ。

上記の文章の結論をもじれば、以下のようになる。残念なことに、そうなるだろう。

こりない日本人、来る衆議院選挙で、ObamaならぬOzawa民主党を大勝させ、改革(チェンジ)のために投票したものと思い込むことになるが、実際は、更に四年、あるいは八年間のグローバリストによる属国支配を承認するのに過ぎない。

小沢代表が、国連の承認のもと、アフガニスタンに派兵すると岩波書店の月刊誌『世界』2008年7月号に書いたのも、国連の目標は、通常CFRの目標と一致しているからだ。

なんとか、森田実氏の言うような、あらまほしき第三の道が実現して欲しいものだが。マスコミの洗脳工作のもとではありえまい。「テレビ」なる洗脳装置を日本人が捨て、チラシ以外はプロパガンダの新聞契約をやめれば別だろうが。新聞に、繰り返し「オバマ就任演説」の無意味な解説(つまりプロパガンダ)が掲載され、国営放送では、繰り返し「オバマ就任演説」が放映される。

マスコミには、素人の筆者などとは比較にならない、「本当の」国益に役立つ分析ができる人材が揃っているだろうに。もちろん、マスコミの本業、「プロパガンダ」はこれからも、とどまるところを知らない。

2009年1月18日 (日)

正直リンカーンについて、正直になろうではないか?

KEN WARD

2009年1月10日

"Capitol Hill Blue" FUBAR

1月20日、バラク・オバマが就任の宣誓をする際に、彼は左手をアブラハム・リンカーンの聖書の上に置くことになっている。

オネスト・エイブ(正直エイブ=リンカーンの愛称)生誕200周年に、黒人が初めて大統領に就任するため、リンカーンとの関係が色々言い立てられている。この歴史的な一致のおかげで、「偉大なる奴隷解放者」絶賛頌歌の発作が再発している。

とはいえ、アメリカ人全員が国家的恍惚感の発作に押し流される前に、オネスト・エイブに関する、いくつかの不具合な真実に留意しておく必要があるだろう。

そもそも、リンカーンの聖書は、どこかの一族が使い古した一巻というわけではない。リンカーンの就任式用に、最高裁判所の事務官ウイリアム・トーマス・キャロルが買い求めたものだった。

リンカーン自身は正確には伝統的キリスト教徒ではなく、信心深くもなかった。20代の時に、彼は聖書の神感に疑問を呈する"不信心についての小品"を書いた。ほとんどの研究が、リンカーンはある種の摂理を信じてはいたものの、公式発言では神への祈願を頻繁にしながら、人格神という考え方とは格闘していたことを、示唆している。

そのような異教思想から、リンカーンは、非宗教的な哲学という点で、彼の時代の先駆けとなっていて不思議はないが、人種問題に関する彼の考え方は、実は当時主流のものだった。1858年のリンカーン-ダグラス討論の際、例えば、彼は以下のように発言していた。

「白人と黒人の間に政治的、社会的平等をもたらそうという意図は私には皆無であります。双方の間には肉体的な違いがあり、私が判断する限り、したがって、完全に平等な立場の上で、共に暮らすことは、おそらく永遠に不可能でしょう。

「黒人の有権者や陪審員を生み出そうとしたり、そうしたこともなく、事務所を持つ資格を認めたり、白人と交婚することに賛成したこともない。私は、白色人種に与えられた優位な立場を維持していることに賛成する他の諸氏と一緒だ。」

四年後の、1862年8月22日に、ニューヨーク・トリビューン紙の編集者ホレス・グリーリー宛ての手紙で、リンカーンはこう書いている。

「もしも奴隷を一人も解放せずに連邦を救えたのであれば、そうしただろうし、もしも全ての奴隷を解放することで、連邦を救えたのであれば、そうしただろう。そして、もしも奴隷の一部を解放し、他の奴隷はそのまま放置することで、連邦を救えたのであれば、そういうこともしただろう。奴隷制度と有色人種に対して私が色々しているのは、それがアメリカ合州国を救う役に立つと信じたためなのだ。」

リンカーンがこうした言葉を発言した時には、奴隷解放宣言の草稿が引き出しの中に入っていたのだ。

そこで"本当のリンカーン"はどういう人物だったのだろうか? 2003年刊行の著書にこの質問と同じ題名をつけた、メリーランドのロヨラ大学教授トーマス・ディロレンゾは、一般国民が、リンカーンのありのままの姿を知ることが重要だと語っている。

「平均的アメリカ人は、さほどリンカーン演説を読み込んでいるわけではなく、'リンカーン学者' によるフィルターを通して学んでいるわけだが、リンカーンのある種の発言と行動には驚くか、あるいは、衝撃さえ受けるだろう。彼は何度も繰り返し、人種の政治的、社会的平等には反対だと発言していた。彼は奴隷解放論者ではなく、解放論者を不当に軽視し、彼等とは距離をおいていた。また、人種問題に対処する彼の主要な手段は、あらゆるアメリカの黒人を、アフリカ、ハイチや、中米、つまり、アメリカ合州国以外のどこかに、入植させようというものだった。」

カール・マルクスとウラジーミル・レーニン崇拝を吹き込まれていたソ連時代の学童達とそっくりに、16,000冊ものリンカーン本の集成が、イリノイ出身のただの田舎弁護士が、立派に国を守り、黒人を解放したと、アメリカ人が信じるよう条件反射させている。リンカーンがオバマの就任式典に守後霊のように現れ、オバマがリンカーンの言葉をおびただしく引用することで、この国家的神話は強化される。

たしかに、リンカーンは、全体主義的国家について、肯定的な鋭い洞察力をもっており、それを導入すべく戦ったのだ。

「リンカーンは自分自身をハミルトン流系譜の後継者と見なしており、企業への助成と、中央政府による紙幣発行による経済発展を計画する、一層の中央集権的制度を目指していた」とディロレンゾ教授は書いている。

内戦をしながら、リンカーンは、憲法の保障する権利を無視し、(何十人もの新聞発行人やメリーランド州議員達を含む)何千人もの北部国民を裁判なしに投獄し、国民の武器を没収し、リンカーンの所得税提案に反対したかどで、クレメント・ヴァランディガム議員を追放さえした。

オバマとリンカーンは、今日、人種については、確かに意見を同じくはするまいが、二人は"より大きな善"のために権力を行使するという点で、相性が良いのかも知れない。

(ケン・ワードは、スクリプト・トレジャー・コースト紙に寄稿している。)

記事原文のurl:www.capitolhillblue.com/cont/node/13754

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じっと黙っているよりは、せめて声にだした方がよいのだろう。日本にも、下記のような動きもある。

個人的には、そうした行動も大切だろうが、まず国内で、小選挙区制度を、せめて元にもどさなければ、状況は悪化するばかりと思える。一方、売国者は徹底して売国者。郵政破壊にあきたらず、今度は一院制を呼号しはじめた。

寄席かなにかの出し物で、体の左右半分ずつ、別の衣装を着て、一人二役をするものがあった。何というものだったか。今の、小泉元首相と小沢代表を見ていると、あの出し物を思い出す。寄席ならぬ、現実社会では、笑ってすませられない。芝居の行き先は、属国の底。(地獄の底)

「チェンジ」ならブッシュ・ラムズフェルド戦略の公然たる破棄を!

2009年1月 1日 (木)

オバマ、ガザに関する沈黙を非難される

Al Jazeera English

2008年12月31日メッカ時間07:36, グリニッジ標準時04:36

イスラエルの数日間のガザ爆撃で数百人が死亡 [AFP](写真キャプション)

バラク・オバマに対し、ガザ危機に関して、はっきり発言するようにという圧力が増しつつあるが、アメリカ次期大統領は、この件について沈黙したままだ。

オバマはハワイで休暇をとっており、380人以上の現地の人々を死亡させた、パレスチナ人領土へのイスラエルの容赦ない軍事攻撃については、何ら公的発言をしていない。

元イリノイ上院議員は、先月のムンバイ攻撃の後、はっきりと発言し、アメリカの経済危機についても、詳細な発言をした。

しかし、アメリカ次期大統領が、ガザ急襲について、堂々と意見を言うのをいやがっていること自体が、ある種のメッセージを送っていることになりはしないかと懸念している人々もいる。

「沈黙は、あたかも共謀のように見えます」コンフリクツ・フォーラムのワシントン支部理事長マーク・ペリーは、アル・ジャジーラにそう語った。

「イスラエルは、ロケット弾攻撃から、自らを守る権利があると、オバマ は言っていますが、彼に対する私の疑問は、彼が、パレスチナ人にも、自己防衛の権利があると思っているかどうかです。」

イスラエルへの支持

イスラエルは、同国南部へのパレスチナ人のロケット攻撃を防止するために、この作戦が必要だと主張している。

しかも、選挙キャンペーンの間、オバマは繰り返し、イスラエルへの支持をはっきりと述べ、イスラエルをアメリカの最も偉大な同盟国の一つだと語り、イスラエルの安全保障を確保すると誓っている。

オバマは、スデロット訪問時、パレスチナ人のロケット弾を見せられた。[AFP](写真キャプション)

6月には、親イスラエル・ロビー集団に向かって、エルサレムは、イスラエルの不可分の首都であるべきだと彼は発言し、アラブ世界で怒りをひき起こした。

彼は、ガザに近いイスラエルの町で、定期的にパレスチナのロケット弾攻撃の標的にされているスデロットを、住民たちへの彼の支持を表明すべく、7月に訪れた。

イスラエル国防相エフド・バラクは、攻撃を開始したことの自己正当化に、訪問時のオバマ発言を引用した。

「もしも娘たち二人が寝ている間にロケット弾が自宅めがけて発射されるようなら、それを防ぐためできることは何でもするとオバマは言った」バラクは月曜日そう語ったと報道されている。

オバマの補佐官達は、オバマは、状況をモニターしており、継続的に諜報ブリーフィングを受けてはいるが、彼はまだアメリカ大統領ではないのだと繰り返し語っている。

しかし、ホワイト・ハウスは、イスラエル支持を申し出たものの、現行のアメリカ指導者であるジョージ・ブッシュも、イスラエルの攻撃については、沈黙したままだ。

アラブ人は悲観的

11月に、オバマが大統領選挙で勝利した際、ホワイト・ハウスに入る新人は、イラクに侵略し、イスラエルを強力に支持したブッシュよりはましだろうと信じて、多くのアラブ人は、慎重ながらも楽観的だった。

しかし、オバマの海外政策チーム選定、特にヒラリー・クリントンのアメリカ国務長官、またラーム・エマニュエルのホワイト・ハウス大統領首席補佐官が、大きく変わるだろうという点についての、疑念をひき起こした。

だが、彼の沈黙は、自分の立場と、イスラエル・ロビーの力を巡る慎重さの徴候だと見る人々もいる。

「彼は慎重でいたいのです。アラブ-イスラエル紛争は、彼にとっての優先事項ではないので、ずっと慎重にしているだろうと思います」エジプト人政治学者で、アンマンのアラブ思想フォーラムの事務局長、ハッサン・ナファーは、ロイターにそう語った。

「オバマの立場は、きわめて不安定です。ユダヤ・ロビーは彼の選出を牽制したので、(ガザについては)沈黙することを選んだのです」と、ベイルート・アメリカン大学の政治学教授ヒラル・ハシャンは補足している。

抗議はチェンジ(変化)を要求

しかしながら、アメリカ国内で多くの人々が、オバマに、ガザの出来事について、個人的にはっきり発言するよう要求している。

月曜日、ワシントン DCにある、オバマの準備事務所に、また火曜日、ハワイの保養用住宅の外に集まった抗議者達は、彼にそれ以上のことをするよう要求している。

「オバマ政権は、ブッシュ政権とぐるになって、動いているので...何かが行われるよう、協力できない理由などありません」準備事務所での抗議にいた、連邦政府の職員、マイク・ライツは、アル・ジャジーラにそう語った。

火曜日の、ホワイト・ハウスの側でのガザにおけるイスラエルの行動に反対する別の抗議では、中東調停に対するバラク・オバマの肩入れには、懐疑的な人々もいた。

「これが、いわゆるチェンジ(変化)なのでしょうか?」とイランから来たコンピューター技術者、レザ・アブーサイエディは言う。

「もしも、これがチェンジ(変化)なら、もうとても深刻な問題になるでしょう。他の経済問題やら、アメリカ国内の他問題に加え、中東でのこうした問題が増えれば、彼に対処可能とは思えませんから。」

抗議をしていた他の人々は、依然、元イリノイ上院議員が、少しでも良くしてくれるのではないかと希望を抱いている。

「イスラエルとパレスチナを一緒に呼んで、平和交渉させるという課題を押し進める点で、彼はブッシュよりずっと積極的だろうと考えたいものです。でもわかりませんね。」弁護士のボブ・マローンはそう語っている。

「でも私は楽観主義者ですから、そう願っています。」

記事原文のurl:english.aljazeera.net/news/americas/2008/12/2008123101532604810.html

2008年11月24日 (月)

昔の名前で出てきた「チェンジ(改革)」-第三次クリントン政権

ラルフ・ネーダー

2008年11月21日、"Counterpunch"

リベラルなインテリの方々が大統領選挙キャンペーンの間、バラク・オバマにうっとりされている際、小生は「失望する覚悟をしておいてください」と忠告申しあげていた。イリノイ州やアメリカの上院議員としての実績や、多くの進歩的な、ずっと前から始まっている行動の流れ等に、選挙キャンペーン中、彼が反対してきたことからして、その様な予測は、不幸にして、明々白々だった。

今や、その同じインテリが、オバマの移行チームや、彼の政権に早々に任命された連中についてわめき始めている。ヒラリー・クリントン上院議員を民主党予備選挙で打ち破ったのに、今やビル・クリントンの古株連中を引き込むのにおおわらわだ。ポリティコ紙によれば、移行用なり任命として彼がこれまでに選んだ47人のうち、31人がクリントン政権と関係していたという。あるクリントン派人物の発言がワシントン・ポストに引用されている。「これは、ちょっとしたクリントン風味などではありません。これはそのまんまクリントンです。徹頭徹尾。」

オバマの「外交政策チームは、今やタカ派、今や1990年代の民主党古株に支配されている」とジェレミー・スケイヒルが書いている。諜報機関を見なおしたりや任命を推奨するオバマの移行チームを率いているのが、一例として、コリン・パウエル国務長官が国連でイラクに対する戦争を呼びかけた間違った演説のように、CIAが諜報情報の政治利用に関与していた時期に、ジョージ・テネット長官の元で働いていたジョン・ブレナンやジェミイ・ミスチクなのだ。

ブレナン氏は、政府幹部として、彼は令状なしの盗聴や、拷問が可能な他国への臨時引き渡しを支持してきた。ナショナル・パブリック・ラジオは、今年オバマが寝返って改訂FISAに賛成投票をした際、彼はジョン・ブレナンの助言に従ったのだと報道している。

こうした二人の顧問や、オバマが暗い過去の日々から探し出した他の連中の詳細については、デモクラシー・ナウの2008年11月17日と、ジェレミー・スケイヒルの、AlterNet、2008年11月20日、「これが変化か? オバマのホワイト・ハウスを監視する、20人のタカ派、クリントン主義者やネオコン」をご覧いただきたい。

ホワイト・ハウスの大統領首席補佐官として選んだのがラーム・エマニュエルで、彼は究極的な、非情な大企業派民主党議員、軍事-海外政策タカ派でクリントン ホワイト・ハウスにおけるNAFTAや世界貿易機関での大企業グローバル化の黒子だ。

牧歌的な「希望と改革」キャンペーンの月日のオバマの言葉を思い出してみよう。「アメリカ人は…同じ年寄り連中に、仕事を何度も、何度も、何度もやらせておいて、なんとか違う結果を得たいというのは、大変なギャンブルだということを理解しています」こうした発言の後、万雷の拍手が続くのだった。

「これは、新たなスタートというよりは、2月2日恒例のグラウンドホッグ・デーだ」というのが、元ブッシュの顧問で、現在倫理公共政策センターにいるピーター・ウェーナーの評価だ。

バラク・オバマが、アメリカ人に対して政治的な詐欺をしているという徴候はたっぷりある。彼は今や、アイゼンハワー大統領が退任演説でアメリカ人に警告した、揺るぎない軍産複合体に日々巻き込まれつつあるのだ。

選挙後の初写真撮影時に彼はロバート・ルービンを横にはべらせ、ウオール街に、相場師やら、ペテン師のための7500億ドル緊急救済策に賛成したのは、決してまぐれだったわけではないと合図をした(ルービンは、今や悲惨な目にあっているシティーグループで、莫大な給料をもらう共同支配人の一人になる前は、1999年、財務長官としてクリントン財政規制緩和策の設計者だった。)

オバマ擁護派は言う。彼の選択は仕事をすませたかったためで、彼はワシントンの事情を良く知っている連中を必要としていたのだ。更に連中は言うだろう。改革は行動の優先順序と、進路を設定する大統領からのみ起きるのであり、彼の部下からおきるのではない。こうした説明は、大統領が任命した連中は、ボスがそうありたいという方向を示す鏡像ではなく、オバマの変化なるものを遂行する役人に過ぎないという仮定に基づいている。

読者が、万一そのようなありそうもないシナリオを信じたいような気分でおられるなら、マット・ゴンザレスがカウンターパンチで編集した、オバマの実績を検討されるとよろしいのではと思う。

記事原文のurl:www.counterpunch.org/nader11212008.html

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ご承知の通り、ラルフ・ネーダー、今回も大統領選に立候補していた。

宗主国でも属国でも、大本営マスコミ、もっぱら二大政党交代論。

それ以外の野党の記事は報じない。

属国の政治は宗主国政治のコピー。

属国のマスコミは宗主国マスコミのコピー。

従って、次回の属国衆議院選挙では、宗主国と同じ名前の民主党が勝つだろう。

そしてその結果も、宗主国と同じになるだろう。いや大連立か。

ネーダーの言葉はそのまま日本にあてはまりそう。「失望する覚悟をしておいてください」

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ネーダーのこの発言について、藤永茂氏も「私の闇の奥“ストーリー”はもう沢山だ(3)で触れておられる。

ぜひご一読を。

ふと思いついたのだが、属国日本の異常な首相による「改革」というキャッチフレーズで、それまでの、多少はましだった構造の破壊に成功したので、周回遅れで、これから、宗主国が「チェンジ(改革)」という美名のもと、破壊を推し進めるのだろう。

経済崩壊のもとを作った人物ルービンを、ぐるりめぐって、再び、采配を揮うる立場に付けるというのは、正気の沙汰ではない。ノーベル経済学賞なるものの受賞者数を確認していただくとわかるが、世界大恐慌を起こそうとしているアメリカが圧倒的に多い。ノーベル経済破壊学賞だろう。

それでいえば、最も多数の民間人殺戮に貢献しているキッシンジャー、そのアメリカのベトナム殺戮と、日本の植民地化に貢献した佐藤首相がノーベル平和賞というのもすごいことだ。ノーベル戦争賞だろう。

ノーベル賞というのは、せいぜい飴を楽しめばよいので、賞そのものは、世界ブラックユーモア賞と改名するべきではと思えてくる。

2008年11月21日 (金)

果てしない戦争へのオバマの「とぎれのない移行」

wsws.org

2008年11月18日

次期大統領バラク・オバマは、11月4日の大統領選勝利後、始めてのテレビ放送インタビューとして、日曜に、CBSの番組「60ミニッツ」に出演した。

彼は広範な話題を論じたが、具体性を欠きながらも、落ち着いた様子は、ブリーフィング用書籍の山は通読したが、自分自身の立場というものをほとんど持たず、また何より、誰も不快にさせないよう躍起になっている人物を思わせるものだった。

しかしながら、この一週間一体何に「集中していた」のですかと問われた時、彼はきっぱりと答えた。「何よりも国家安全保障チームを機能させておくことが重要だと考えています。なぜなら移行期間というものはテロ攻撃に対して潜在的に脆弱な時期ですから。国家安全保障の移行に関しては、できる限りとぎれがないようにしたいと考えています。」

次期オバマ政権に、権力を引き渡そうとしている政権が追求してきた戦略や政策を考えると、「国家安全保障のとぎれがない移行」という言いまわしは、熟考に十分値する。

ブッシュ政権はブッシュ・ドクトリンとして知られるようになった明らかな国家安全保障政策を公言していた。本質的にドクトリンは、アメリカ政府が、アメリカ合州国にとって軍事的な脅威をもたらすと思われるいかなる国へも先制攻撃を行う「権利」を宣言していた。公式に述べられたこの侵略戦争政策の基礎となっているのは、海外での戦争と国内での圧政によって、富と権力の独占を強化するというアメリカ支配層エリートの決意だ。

ブッシュ・ドクトリンは、イラクとアフガニスタンの戦争と占領の継続、並びに、パキスタン、シリア、ソマリアやイエメン等、他の多数の国々に対する一連の軍事攻撃とに至ったアメリカ軍国主義の爆発を、政治的表現に表現したものだ。

同様に、「国家安全保障」と「グローバル対テロ戦争」も、誘拐、臨時引渡し、拷問と裁判なしの拘禁を含む、犯罪的政策の正当化として発動されたのだ。

この分野において「とぎれがない移行」を行うというオバマの決意は、彼が大統領選で勝利できたのは、こうした政策のおかげで喚起された大衆の嫌悪感による部分がかなり大きいという事実に反するように見える。選挙民が見たいと期待したものが何かあったとすれば、それは「とぎれ」つまり、差異、中断、とぎれこそが、ここにあらわれるはずだ。

ところが、すでに選挙の準備段階から、ブッシュと自分との違いは、戦略的というよりは、戦術的なもの、あるいは、節操ある人格だということを、オバマは繰り返し明らかにしていた。彼は予防戦争政策を暗黙裡に奉じているが、これはつまり、彼はパキスタン国内の標的を攻撃し、イランの核兵器開発といわれているものにも先手を打つ策をとるであろうことを意味している。

移行プロセスが進行するにつれ、アメリカの外交政策をめぐる戦術的な違いにもかかわらず、軍事的侵略や国際的な犯罪を通したアメリカの金融独裁者たちの世界的な戦略目標追求は、オバマが一月にホワイト・ハウスに入った後、まもなく終了するというわけではないことが一層明らかになりつつある。

むしろ、体制支配層内部では、政権交代は、アメリカ資本主義の世界的な利益追求に対する、オバマという人物による、より好都合な政治的隠れみのを実現しながら、アメリカ軍国主義をより効率的なものにする変化をもたらす手段の一つと見なされているのだ。

日曜日のインタビューで、オバマは、イラクの兵員を「引き下げる」が、それは、アフガニスタンでのアメリカの戦争に「てこ入れ」するためにすぎないという決意を繰り返した。自分の「最優先課題」は「アルカイダをきっぱりと撲滅する」ことだと宣言して、「世界対テロ戦争」は単に継続するばかりでなく、エスカレートする可能性が高いことを明らかにしている。

日曜日に、オバマの元で追求されるであろう軍事政策の本当の姿が、次期政権の政策を設定している民主党支配者層との緊密な結びつきを反映している見解をもった新聞の一つニューヨーク・タイムズの論説という形で、多少詳しく説明された。

「危険な新世界のための軍隊」という題の論説は、イラクやアフガニスタンで見られたもののいずれもが小さく見えてしまうような規模の複数の戦争に備えるべくアメリカ軍を増強するための、背筋が凍るような青写真を描いている。

イラクでの長引く戦争と占領のおかげで、アメリカは「兵員と装備に無理をさせすぎてきた … 」ために、アフガニスタンにおいて必要と思われているエスカレーションや、「次の脅威」と対決する用意ができていないという事実の悲嘆で論説は始まっている。

「アフガニスタンのタリバンとアルカイダを打ち破るべく」「世界中のアルカイダ勢力を追跡して」戦うことに加え、「イランの核を持とうという野望、常軌を逸した北朝鮮、勃興しつつある中国、独断的なロシアや、ソマリアや核兵器を持ったパキスタンのような多数の不安定な国々」との対決にアメリカ軍は備えなければならないのだとタイムズ紙は主張するのだ。

更におよそ100,000人の兵士と海兵隊員を、アメリカの地上軍に加えて、総計759,000人の現役兵員とするというオバマ自身の呼びかけを同紙は繰り返している。しかしながら、これは「大変な規模に見える」が、それでもまだ不十分だとまで断言するに至っている。

軍がイラク戦争のおかげで「ひどく伸びきってしまっている」と宣言した上で、タイムズ紙は、「これらの問題を克服する、最も確実な処方箋は、はるかに大規模な地上軍だ」と結論づけている。

一体どこから、どうやって、オバマ政権は、こうした「極めて大規模な」数の兵員を調達するのだろう? タイムズは言及していない。だが、一つの論理的な結論は、もしも、それほど大規模なアメリカ軍規模の変化が必要なのであれば、それはおそらくは、徴兵制の再開、徴兵復活を意味しよう。大統領選挙キャンペーンで、オバマは「国家への奉仕」と「犠牲」を反復して欣求することによって、またもや何万人ものアメリカの若者を駆り集め、アメリカ帝国主義の軍国主義的な投機地おける砲弾の餌食に使うことの、イデオロギー的な基盤を置いたのだ。

タイムズ紙は、アメリカ軍は大幅に拡張しなければならないと考えているだけではなく、「新たな技術」の開発、とりわけ「ゲリラ反抗勢力」を鎮圧し、「非正規戦争」を遂行する能力に磨きをかけるよう呼びかけている。言い換えれば、「21世紀の戦争」を継続するということは、ジョージ・W・ブッシュの言葉を借りれば、アメリカ資本主義のための原材料、市場と、安価な労働力のプールを確保するための、より汚らしい植民地型の占領と抑圧された諸国の従属をも意味している。

同時にタイムズ紙は、アメリカ軍の「揚陸能力」、つまり「膨大な量の兵員と資材を、速やかに世界中に移動させ、必要な時に海運で供給する」能力の増強を擁護している。

同紙はまた、中国の海軍強化について警告し、ワシントンは 「いかなる国による重要な海運レーンに干渉も許す」ことはできないと断言している。海兵隊による迅速な介入に必要な補給品を保持する領海事前集積部隊艦船と、標的とする諸国の沿岸で、攻撃を実行できる小型船舶である沿岸戦闘艦に、大規模な新規投資をするよう、この論説は強く促している。

「私たちが要求しているものは、費用がかかるだろう」とタイムズ紙は認め、92,000人の地上部隊を追加する現在の計画は、今後六年間にわたり、1000億ドルかかるだろうと語っている。同紙が擁護している、かなり大規模な増強は、海軍の強化と他の軍用ハード購入と同様に、はるかに膨大な支出を必然的に伴う。

「イラクから軍を撤退することによって得られる蓄えの多くは、軍隊の修復と再建」に充てなければなるまいと論説は述べている。イラクで一カ月に100億ドルも消費するのを止め、その代わりに「アメリカ再建」に投資するというオバマ選挙キャンペーンの約束はだいなしだ。それどころか、その資金は更なる死と破壊の準備に使われるのだ。

緊急救済で何兆ドルもウオール街の銀行に注ぎ込むという状態下、社会的支出を増やすという約束は棚上げせざるを得ない、という継続的な警告をもたらしている中、アメリカの戦争装置に何千億ドルもの追加資金を注ぎこむ必要性に疑問の余地がないことは、単なる偶然ではない。

タイムズ紙の論説とオバマへの移行の進展が、アメリカ資本主義の絶望的な経済危機が、これからの歳月、更に爆発的なアメリカ軍国主義の展開をもたらすだろうという厳しい警告の役割を果たしている。

Bill Van Auken

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2008/nov2008/pers-n18.shtml

2008年11月15日 (土)

オバマ移行チーム、更なる戦争と抑圧を示唆

2008年11月14日

次期大統領バラク・オバマの、民主党予備選挙、最終選挙の双方における勝利は、大部分、拭うことのできないブッシュ政権の名残を構成する、長年の軍事侵略、拷問、臨時引き渡し、国内でのスパイ活動や、その他のあらゆる犯罪に対するアメリカ人の圧倒的な反感のおかげだ。

こうした政策に対する入念に計算した批判や、主要な民主党のライバル、ヒラリー・クリントン上院議員に対する、彼女が2002年10月アメリカのイラク侵略に賛成票を投じたことに対する非難のおかげで、オバマの「あなたが信じられる変化」なるものは、アメリカ国内、海外両方で多くの人によって、彼が選出されれば、軍国主義やら民主的な権利に対する攻撃が終わることになるという約束であるかのように受け止められている。

ところが、新政権への移行が進展するにつれ、オバマの変化という約束に対する信頼など、このプロセスに関与する連中の政治的実績を検討しそこねた場合にのみ、維持できるものにすぎないことがわかる。

オバマ-バイデン移行チームの大半は、バルカン半島でのアメリカの戦争と、ブッシュ大統領のもとで、行われた戦争の準備をしたイラク体制転覆政策に関連したクリントン政権のベテラン達が占めている。

この関係で象徴的なのが、クリントンの元国務長官マデレーヌ・オルブライトを、今週末のワシントンでの金融サミット(G20)に、彼の名代として送るというオバマの決断だ。1996年のCBSのニュース番組“60 Minutesでのインタビューで、アメリカの対イラク経済制裁が、50万人のイラク人児童の死をもたらした事実を突きつけられた際、オルブライトは答えた。「難しい選択でしたが、その価値はあったと思っています」彼女は後に、アメリカが支援したユーゴスラビア解体と、それに続く、民間の標的に対する広範な爆撃で突出していた対セルビア戦争の、主な計画立案者となった。それが、オバマの世界に対する顔なのだ。

オバマ次期大統領の軍事政策で言えば、期待される変化なるものは、実にささやかであることの最もはっきりした徴候は、次期大統領が、ブッシュの国防長官ロバート・ゲーツが、政権交代後も、居残る可能性があると公表したことだ。

次期大統領の顧問二人の発言を引用して、ウオール・ストリート・ジャーナルは火曜日に報じた。「次期大統領バラク・オバマは、国防長官ロバート・ゲーツに、少なくとも一年間、留任するよう依頼する方向にあるようだ。」

ゲーツの留任は、ジャーナルが指摘しているように、ブッシュ政権の軍国主義的な海外政策を、本質的には継続するという、きわめて明らかな前兆を示すこととなろう。「次期大統領同様、ゲーツはアフガニスタンにより多くの兵員を展開することを支持している」と同紙は書いている。「しかし国防長官は、イラクからのアメリカ軍撤退に関する固定した日程には強く反対しており、彼が任命されれば、2010年中頃までには、イラクから大半の兵員を撤退させるという、選挙キャンペーンの約束を、オバマが事実上棚上げすることを意味するだろう。」

ゲーツを留任させることに対して、民主党指導部内部が本格的に支持していることを示したのは、先週末CNNインタビューでの、(ネバダ選出の民主党議員)ハリー・レイド発言だ。「彼は残せば良いではないですか?」とレイドは言った。「彼は決して登録した共和党員だったわけではない。」

国防長官に選出される可能性が高いとして、もっとも頻繁に引用されるもう一人の人物は、元クリントン時代の海軍長官リチャード・ダンツィヒだ。六月に、ダンツィヒは、ゲーツを留任させることへの個人的な支持を表明し、イギリスのタイムズ紙に語った。「私の個人的な立場は、ゲーツは非常に素晴らしい国防長官で、オバマ政権では、もっと素晴らしくなるだろう。」

ゲーツが留任しようが、退任しようが、オバマが選んだペンタゴン移行チームの主要メンバーは、次期政権は「イラクとアフガニスタン問題を、ブッシュ政権とは違ったやり方で扱うが、それもせいぜいこの二つの戦争地帯における、アメリカ軍事戦略をすっかり再構築するところまでの話である」ことを示していると、ジャーナルのYochi Dreazenは、続きのコラムで書いていた。

このチームの共同代表者ミシェル・フルールノアは、クリントン時代に国防省にいた、軍事政策に関する超党派シンク・タンク、センター・フォー・ニュー・アメリカン・ストラテジーの理事長だ。アメリカ軍のイラクからの撤退に、固定した日程を設定するという考え方に、彼女は公然と反対している。2007年3月、彼女はセンターのために、イラクに対する政策方針書を共著したが、そこでこう明言している。「アメリカは、あの包囲された国や周囲の地域には、永続的な利害関係を有しており、これらの利害関係は、予見しうる将来において、大規模な軍事駐留を必要としている。」

移行チームメンバーで顕著なもう一人の人物にサラ・シューワルがいる。彼女は、ハーバード大学“人権”専門家で、イラクで、デヴィッド・ペトレイアス司令官の顧問として働き、軍の対ゲリラ野外教本草稿作成に参加している。

ペンタゴンの移行準備の上級顧問として働く人物にサム・ナンがいる。彼は1987年から1995年まで上院軍事委員会委員長だった。右派の民主党議員で、冷戦の戦士であるナンは、ビル・クリントン大統領による、ゲイが軍に公然と勤務することの禁止解除、というクリントン提案に反対するキャンペーンを率いた後、上院を去っていた。

この移行チームの性格は、次期オバマ政権の本当の狙いと一致している。何万人ものもアメリカ兵によるイラク占領の継続と、進行中のアフガニスタン植民地戦争の大幅なエスカレーションだ。

中央情報局(CIA)の移行チームでも図柄は同じだ。公刊されている報告書類によると、この工作の主役を担っているのは、現在国家テロ対策センターとして知られている機関を率い、かつてCIA高官として働き、元CIA長官ジョージ・テネットの首席補佐官を勤めたジョン・ブレナンだ。彼は2005年にCIAを退職した。

いわゆるグローバル対テロ戦争の上席担当者であったブレナンは、彼がCIA在籍中に実施された、拷問、暗殺、臨時引き渡し、国内スパイ行為を実行する判断に非常に詳しく、また関与していこものと推測せざるをえない。

オバマの諜報関連移行チームで、目立つ人物には、テネットの元で、CIAの情報分析作戦を率いていたジェイミー・ミスチクもいる。戦争を売り込むのに活用された、イラクの「大量破壊兵器」やら、アルカイダとのつながり、というまやかしの諜報情報を作り出し、いずれの主張も、根拠がないと否定したCIAのアナリスト報告を抑え込む上で、彼女は主導的な役割を果たしていた。2004末にCIAを辞めた後、彼女は、比較的短期で終わったとは言え、非常に実入りが良い仕事を見つけた。今や破産したウオール街の企業リーマン・ブラザーズで、グローバル・ソブリン・リスク・アナリストのトップという仕事だ。

選挙遊説中、オバマは時折、令状なしの盗聴、水攻め、裁判なしの無期限拘留といった、ブッシュ政権の諜報機関の乱用を非難してきたが、夏の上院での投票では、国家安全保障局に大幅に強化した国内スパイ権限を与えることや、違法な盗聴を実行する上で、ブッシュ政権に協力した通信会社に対する遡行免責に賛成する投票をしている。

ゲーツの場合同様、ブッシュの元でアメリカの諜報活動を担当した連中が、オバマの元でも居残る可能性は否定されていない。国家情報長官マイケル・マコネルとCIA長官マイケル・ヘイデンの両者はいずれも、次期民主党政権でも、留任する用意があることを明らかにしている。先週、オバマに大統領向け諜報ブリーフィングを行ったマコネルは、次期大統領のチームを「非常に頭が切れ、非常に戦略的だ」と表現した。

オバマの移行チーム全体のトップ、ジョン・ポデスタは、先週末、次期大統領は、ブッシュ政権によって発せられた多数の大統領命令を速やかに廃止する予定だと強調し、特に、幹細胞研究や、国内での石油採掘、等を例として上げた。これには、アメリカ軍や諜報部隊に、世界中で侵略行動を遂行することを承認した複数の大統領命令は含まれていなかった。

パキスタンに対する越境攻撃のエスカレートと、地球上の石油の豊富なこの地域を支配するために、ワシントンが軍事力を行使するのを正当化するのに使われた口実である、いわゆる対テロ戦争の遂行を、オバマが誓っていることを考えると、これらの大統領命令を自分のものとして採用する可能性が極めて高い。

ブッシュ政権に対する民衆の反感の波によって、オバマが大統領選挙で勝利してから、わずか10日にすぎない。それでも、次期大統領と彼の顧問の行動は、来年1月就任の就任後も、アメリカ軍国主義や国際的犯罪の増長を終わらせたいという、何百万人ものアメリカ人の切望は実現しそうもないことを、既に明らかにしている。

Bill Van Auken

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2008/nov2008/pers-n14.shtml

2008年11月 3日 (月)

オバマ、民主党ホワイト・ハウスへの「期待度低下工作」を開始

wsws.org

パトリック・マーチン

2008年11月1日

民主党の大統領候補バラク・オバマは、火曜日の投票日に投票の結論が出る前に、既に社会改革という約束から、身を引き始めている。民主党は、11月4日、ホワイト・ハウスを制し、下院、上院それぞれで多数派を取るだろう。

インタビューでもマスコミへの説明でも、民主党は選挙時の約束を否定する基盤を敷こうとし始めている。「多幸症的な支持者の多くが、オバマが実現できることについて、非現実的な希望を抱き始めているという懸念の真っ只中、バラク・オバマの上級顧問たちは、もしも来週の選挙に勝利した場合の、オバマ大統領への期待度を引き下げるための計画を練り上げた。突然の金融危機や、深くつらい不況という見通しのために、オバマ・チーム内部で、国民を現実に引き戻すことの緊急性が高まった。」と金曜日にロンドン・タイムズは報じた。

候補者本人が、期待度を引き下げるのを率先している。木曜日フロリダ州サラソタでの演説で、オバマは彼が選挙キャンペーンに登場する時にいつも話すテーマを繰り返した。「私はここで、こうしたことがどれも容易だというふりをするつもりはありません。特に今は」と語り、医療保険拡張等のような約束を遂行するのが困難な理由として「この経済危機のコストと、イラク戦争のコスト」を挙げた。

社会福祉の拡大と言うよりは、緊縮経済政策を擁護する口調で、彼は宣言した。「ワシントンは倹約しなければならず、不必要なことへの支出を延期しなければなりません。大統領として、私は連邦予算の各項目を子細に検討し、必要のない項目はやめ、必要で、より費用が少なくて済む項目を作るつもりです。」

コロラドのラジオ局から最初の百日間の目標について質問されて、医療改革、地球温暖化やイラク等の問題は、対処するのにもっと長い時間がかかると彼は答えた。「最初の百日間は大切ですが、肝心なのは、恐らく、最初の千日間ということになるでしょう。」

オバマは冨の再配分を支持している、というマケインの選挙キャンペーンの主張(その最もヒステリックなものは、彼は隠れ社会主義者だというのだが)をふりはらうのに四苦八苦してきた。ABCニューズのキャスター、チャールズ・ギブソンに水曜日のインタビューで「私が金持ちや成功した人々を懲罰することに関心があるなどという認識は馬鹿げています。」と語った。

ギブソンが、オバマが金持ちに課税することを主張しているのは「一種の典型的な階級戦争」ではないかと水を向けると、オバマは最も裕福なアメリカの資本家ウォーレン・バフェットが、自分を支持していることをあげて言った。「私がお話しているのは、...ビル・クリントン政権下で1990年代当時、年間250,000ドル以上の収入がある人々にかけていた税率に戻そうということなのです。決して懲罰的な率ではありません。私たちが言っているのは、累進課税を36から39にするということです。」累進課税は共和党大統領セオドア・ルーズベルトが始めたもので、経済改革とは何の関係もないと彼は述べた。

木曜日、フロリダ州での集会で、元大統領ビル・クリントンも同じ話題に触れた。オバマの横に立ってクリントンは言った。オバマ政権では「多数の百万長者や億万長者が生まれるでしょう。」1990年代の自分の実績を、ブッシュの過去八年間と比較して、クリントンは続けた「彼等よりも我々が多くの百万長者や億万長者を生み出したことは知っていますが、中流階級の所得は増加し、誰もが良い仕事を持っていたので、皆さんはそれに気がついておられないのです。それをバラク・オバマがまたやろうとしているのです。」

これは1990年代の経済実績の異様な歪曲だ。クリントン政権は、クリントン自身がかつて認めていたように、政策を証券市場のなすがままに任せ、経済的不平等は、共和党の前任者の元ではびこっていた以上のレベルで増大していた。

これほどあからさまな百万長者や億万長者の利益の擁護が、時折一般大衆向けの言葉づかいをするにもかかわらず、オバマ選挙キャンペーンが、なぜ大企業の代弁者たちからの支持を益々増やしているかという理由だ。先週イギリス金融資本による二つの主要刊行物、日刊紙ファイナンシャル・タイムズと週刊誌エコノミストが、いずれもアメリカ人にオバマ大統領を選出するよう強く進める記事を載せた。エコノミスト記事は、支配層エリートの象徴かつ、公的な代弁者としてのオバマの価値に触れ、アメリカ合州国は、世界に対して、リーマン・ブラザーズと対になったアメリカ資本主義や、グアンタナモ湾と対になったアメリカの正義ではない、自分を「再売込み」しなければならないのだと書いた。

民主党の優勢に便乗して獲得した重要な業界として、国防産業がある。選挙キャンペーンへの献金を追跡しているワシントンの政治資金監視団体、Center for Responsive Politicsによると、軍事産業は、共和党の競争相手、ジョン・マケイン上院議員よりも、34パーセント多く、オバマに献金している。

「国防部門では、民主党へのかなり大規模な移行が起きています」とこの団体の広報担当者は語っている。この移行は、オバマがイラク戦争反対を余り言わなくなり、アフガニスタンとパキスタンにおけるアメリカ軍の作戦の強化を再三呼びかけ、軍事支出の増加を主張していることと軌を一にしている。

木曜日にウオール・ストリート・ジャーナルがインタビューした何人かの主要民主党議員は、来年早々 医療のような重要な問題の意欲的な法制化の可能性を否定した。「物事は、改革するより、進展するにまかせた方が良い」南カリフォルニア選出の下院院内幹事で、下院のアフリカ系アメリカ人議員集団ブラック・コーカスのメンバーであるジェームズ・クライバーンは同紙に語った。「大改革は危険だ。」

いわゆるブルー・ドッグ派という名の50人ほどの経済的保守派の下院民主議員集団のリーダーである、アーカンサス選出下院議員マイク・ロスによると、オバマは10月に彼を招いて、オバマ政権は、あらゆる支出増を、必ずそれに見合った支出削減あるいは増税で埋め合わせる、アメリカ議会の賦課方式予算を必ず守ると請けあったという。

下院民主党最大の集団は、同紙によると、新政権を、医療等の様な、より広範な課題ではなく、「超党派的な支持が確実な、わずかな項目、例えば、経済刺激パッケージ、タバコ税増税で財政をまかなう、州児童健康保険プログラムの拡張と、連邦による幹細胞研究への財政支援」だけに限定したいのだという。

2008年アメリカ大統領選挙キャンペーンを、過去これまでになかった程熱心にアメリカ人が見守っているのは間違いない。選挙人登録率は、不況に見舞われたミシガン州では、史上最高記録の98.3パーセントで、過去二週間、30州の不在者投票所には長蛇の列ができている。投票率は、1960年の記録72パーセントと並ぶか、越えるものと見られている。水曜日の夜、国民のほぼ55パーセントが7つの放送局とケーブル局で放送されたオバマの30分間の情報CMの一部か全部を視聴したが、このような番組としては記録破りの数値だ。

火曜日には、何千万人の人々が、共和党政権を民主党政権に変えれば、自分たちの生活状態が良くなったり、イラク戦争を終わらせられるのではと願って、オバマに投票するだろう。しかし、オバマ勝利の結果は、民主党の広報担当者たちが既にはっきりと語り始めたように 、一つの右翼の資本主義政権を、もう一つの政権と置き換えるにすぎない。オバマは、この危機の負荷を労働者に押しつけろという、ウオール街からの明らかな委託を受けて、大恐慌以来、自由企業制度に対する最大の危機のさなかに政権につくのだ。

Socialist Equality Party(SEP)は、社会主義プログラムに基づいた、労働者階級の独立した大きな政党を建設する基礎を敷くため、2008選挙に出馬している。これこそが、世界的な経済危機、帝国主義者の戦争の拡大と、民主党右派の大規模な攻撃に直面している労働者にとって、唯一の望みある展望なのだ。

SEPの選挙キャンペーン詳細を知るには、ここをクリック。

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2008/nov2008/obam-n01.shtml

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日本の総選挙では、何千万人の人々が、自公政権を民主党(自・民大連立)政権に変えれば、自分たちの生活状態が良くなったり、新自由主義政策を終わらせられるのではと願って、民主党に投票するだろう。しかし、民主党勝利の結果は、一つの右翼の資本主義政権を、もう一つの政権と置き換えるにすぎない。民主党は、この危機の負荷を労働者に押しつけろという、兜町からの明らかな委託を受けて、大恐慌以来、自由企業制度に対する最大の危機のさなかに政権につくのだ。

2008年11月 1日 (土)

オバマを拒否し、ネーダー/マッキニーを支持する12の理由

James Petras

2008年10月29日

"Information Clearinghouse"

アメリカにおける大統領選挙は、またもや、アメリカのインテリの品位と、発言の結果がすぐに問われる、最終的試練となっている。権力に対して直言するのがインテリの責任だとするなら、アメリカの有名で権威ある評論家達による最近の発言の大半は、惨めな失格だ。民主党大統領候補バラク・オバマ上院議員の反動的な外交および国内政策に光をあて、暴露し、非難するかわりに、彼らは、「限られた差異」ですら、前向きの結果をもたらす可能性があり、「オバマはより小さな悪」であり、「変化への可能性の機会を生み出す」のだという批判的な弁明をすることで、オバマを支持することに決めている。

            こうした主張を筋の通らないものにしているのは、オバマの公的な発言や、彼の最高政策顧問や、彼の政府で、政策立案者となるだろう連中は、あからさまに、最も好戦的な海外政策と、ポールソン-ブッシュ-ウオール街と全く軌を一にする極めて反動的な国内経済政策を明らかにしているという事実だ。戦争、平和、経済危機や、アメリカの給与所得階級の救済に関する主要な点に関して、オバマは大半のアメリカ人が拒否し、否定している政策を進展、深化させると約束している。

オバマを拒否する12の理由

1.      オバマは、公然と、繰り返し、アフガニスタンへのアメリカ軍の介入、アメリカ兵員の人数増強、体系的な越境攻撃への関与も含め作戦の拡大をエスカレートさせると約束している。言い換えれば、オバマはブッシュよりも大変な主戦論者だ。

2.      オバマは、彼の政権は「対テロ戦争」を、パキスタンに対する、体系的で、大規模な地上攻撃と空爆で拡大すると公然と宣言した。戦争をアフガニスタンの武力反抗勢力に同情的と判断した村や町や都市を含めてエスカレートしようというのだ。

3.      オバマは、転進、つまり武装抵抗勢力を打ち負かす、イラク軍の軍事能力次第によって、戦闘地帯から訓練と兵站へのアメリカ軍配転に賛成で、イラクからのアメリカ軍撤退には反対だ。オバマは、イラクからのアメリカ軍撤退の期限を、はっきりと定義することに反対している。イラクのアメリカ軍は、イラン、シリアや南部レバノンでの、軍事衝突も含む、中東における彼の全般的な政策を追求するのに不可欠だからだ。

4.      オバマは、親イスラエル・ロビーや植民地的拡張主義者の立場や、ユダヤ人国家の好戦的な政策に対する、無条件の支持を宣言している。アメリカにどれだけの費用がかかろうと、イスラエルの軍事攻撃を支持すると彼は約束した。イスラエルに対する、彼の卑しむべき追従は、ワシントンでの、2008年度アメリカ・イスラエル公共問題委員会の年次総会における彼の演説で明らかだ。主要なシオニスト・プロパガンダ機関幹部や、主要なユダヤ系アメリカ人団体のトップたちと長らく、悪名高いつながりを持っている主席顧問が、彼の演説を書き、中東政策を立案している。

5.      オバマは、イラン核開発計画で、ウラン処理を継続すればイランを攻撃すると約束している。選挙のわずか数週間前に二度、オバマの副大統領候補ジッセフ・バイデンは一連の「摩擦が起きている地点」(イラン、アフガニスタン、パキスタン、ロシアおよび北朝鮮を含む)を列挙し、オバマは「強力に対応するだろう」と強調した。オバマの上級中東顧問には、対イラン戦争の青写真となるような報告書を発行した「超党派政策センター」と深いつながりを持つデニス・ロスのような主要なシオニストがいる。オバマが提唱しているイランとの交渉など、大規模武力攻撃の恐怖を用いて、イランに主権をあきらめろと最後通告を発する口実にすぎない。

6.      オバマは、中東での敵意、戦争と、この地域のアメリカの政策に対する不信の主要な原因である、イスラエルのパレスチナ人追放と、ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地拡張を、無条件に支持している。首席政策顧問、スピーチライターや、更には閣僚候補者など、三十人ものイスラエル優先主義者が、彼の主要選挙キャンペーン事務局にいては、事実上、「内部からの影響」やら「大衆の圧力をかけて」、シオニスト権力構造に対する、オバマの卑屈な服従を変えさせる希望など皆無だ。オバマを支持することによって、「進歩的知識人」は、事実上、彼のシオニスト指導者たちの味方となる。

7.      国内問題では、オバマの主要な経済顧問たちは、ウオール街から非の打ち所のない信任を受けている。ポールソン財務長官による、7000億ドルもの税金を使った、アメリカでも最も豊かな投資銀行の緊急救済を、彼は、躊躇せず、即座に是認した。オバマは、連邦の資金の利用を巡って、ポールソンや銀行に対し、生産者や住宅所有者に対する融資やクレジット用ではなく、銀行の買収案に反対しそこねた。ポールソンやウオール街緊急救済へのオバマの支持は、利子支払いの再交渉を待つ間、抵当流れを、わずか三カ月間だけ、延期するという、彼の貧弱な提案と見合っている。オバマは、労働者にとって賃金の良い職を生み出すような新たな大規模の、長期的公共投資計画を考えるかわりに、失敗した資本主義を救済する目的で、経営をやりそこねた金融機関や、破産した資本主義企業への政府資金振り向けを拡大することを提案している。

8.      オバマの経済チームは、あからさまに「自由市場」イデオロギーを擁護し、実行すると宣言しており、広範な、民間部門の失敗、腐敗、崩壊にもかかわらず、公営生産活動や社会福祉への政府資金の大規模注入をするといういかなる試みにも反対だ。

9.      オバマは、私企業の保険会社、保守的な医療団体や、病院協会や巨大製薬会社が運用、支配する、失敗した、民営の健康保険計画を擁護している。彼は、高価で、アメリカの家族の三分の一以上にとって、資力を越えてしまう、非効率的で、国家助成による 利益のための民営の計画を支持し、成功した連邦メディケア計画にならって計画された統一全国健康保険には、あからさまに反対している。

10.  オバマは、アメリカの何百万人もの人々や、世界の何億人もの人々にとって、食料品価格を上昇させた一方、巨大農産企業の、大いに助成され、儲かるエタノール燃料計画を、支持しているし、支持し続けている。

11.  オバマは、犯罪的なキューバ経済封鎖の継続を支持し、ベネズエラのポピュリズム的なチャベス大統領や他の中南米の改革者たちと敵対的対立をし、国内では保護主義を、中南米では、自由な市場へのアクセスを促進するという二枚舌の政策を推進している。彼の主要な中南米政策顧問は、上面だけの糊塗や、かけひきを提案するだけだが、アメリカ覇権の主張という点では、不屈の支持をしている。

12.  オバマも、自由市場顧問や億万長者の財政支援者たちも、悪化する景気後退から我々を救い出すような、いかなる包括的な政策あるいは戦略も、提案も構想もしていない。 逆に、オバマが提示するバラバラの対策の道筋は内部的に矛盾している。緊縮財政と、仕事を生み出すことは、両立しない。ウオール街の緊急救済は、生産的な投資用の資金を枯渇させてしまう。また新たな戦争を追い求めることは、国内の経済回復を損なう。

結論

「現実主義」の名において、公的に、あからさまに、あらたな戦争も、億万長者の緊急救済や、利益を目指す、民間企業が経営する健康保険を是認する政治家を支持する知識人は、「責任ある批判者」という自らの主張を放棄している。彼らは、批判的知識人としての自分達の責任を投げ捨てる、C. ライト・ミルズが「常軌を逸した現実主義者」と呼んだ存在そのものだ。「より小さな悪」を支持すると主張することによって、連中は「大いなる悪」を促進するのだ。更に四年間の、悪化する景気後退、植民地戦争、国民の疎外の継続だ。更に、彼らは、正々堂々と意見を述べ、戦争や、ウオール街のための緊急救済に反対し、国内経済における本当の大規模公共投資、統一健康保険制度、維持可能な、環境にやさしい経済政策、そして大規模で、長期的な所得再分配政策を提案している、全く別の候補者、ラルフ・ネーダーとシンシア・マッキニーを、実質的に無視したり、あるいは、徹底的に排除したりしているマスコミ、大政党、法制度の仲間だ。

            ひどく、容認することができないのは、ほんの一瞬でも、オバマ政治機構に対する連中の「決定的に重要な支持」が、急進的思想に対する余地を生み出すだろうなどと信じるという、こうしたインテリの主張(民主党というロバの尻のつまらない腫れ物)だ。シオニストや民間の軍事専門家が、オバマの中東戦争政策を完全に支配している。イラン、パレスチナ、パキスタン、アフガニスタン、またはイラクとの平和の余地など皆無だろう。ウオール街がオバマの財政政策を支配ししいる。誰かケンブリッジ卒業生の進歩派が忍び込んで、家を無くした家族に施しをするような余地なぞあるまい。

            大企業労組の財務担当が、選挙キャンペーンのたびごとに何百万ドルも拠出しても、50年以上にもわたって、進歩的な法律の一つも作れずにいるのに、アメリカの進歩的な「タレント文化人」が、素晴らしいほど組織と無縁の連中である自分たちが、「圧力をかけて」、オバマ大統領に、顧問や、支援者や、軍事エスカレーションへの大衆的支持を破棄させ、イランとの和平や、労働者や失業者のための社会的公正を推進したいと思わせられるなどと想像するのは、妄想ではあるまいか。

記事原文のurl:www.informationclearinghouse.info/article21117.htm

日本革命的共産主義者同盟(JRCL)中央委員会という組織のwebにある下記文章、この文章と趣旨がよく似ているようだ。「シンクロニシティ」?

自公政権を打倒しよう!共産党・社民党など憲法改悪反対・新自由主義的「構造改革」反対の政党・候補者に投票を

2008年10月26日 (日)

バイデン、オバマ大統領就任後六カ月以内の"国際的危機"を予言

Kurt Nimmo

Infowars

2008年10月20日

大統領候補オバマは「権力の座に着いて最初の六カ月間のうちに国際的危機に直面し、恐らくは不人気な苦渋の決断ををする際に、彼には支持者が必要だ」と、驚くほど率直な一瞬、ジョー・バイデンが語ったと、ABCニューズのポリティカル・レーダー・ブログで、マシュー・ジャッフェが報じている。シアトルの募金キャンペーンで演説した際、バイデンは、この「実験」は中東かロシアでおきる可能性が高いと言った。経済とも関連しているだろう。

「しっかり身構えてください」バイデンは聴衆に向かって言った。「皆さんのおかげで我々は勝利します、神がお許しになるなら、我々は勝利しますが、これは楽な仕事にはなりません。この大統領、次期大統領は、最も大変な課題を負わされているのです。アウゲイアースの家畜小屋を清掃するようなものです。これは単なる、単に、考えてください、文字通り、これは単なる重大な危機、単なる市場の問題ではないのです。このアメリカ経済は、もう組織的問題なのですから。」

バイデンがこの主張をするにあたって、ギリシャ神話に触れたのは興味深い。黄金の羊の毛皮を求める冒険に出た船、アルゴ号乗組員の一人、アウゲイアースは、彼の家畜小屋の話で良く知られている。彼の家畜小屋は、ギリシャでも最大頭数の家畜を収容していたが、偉大な英雄ヘラクレスがやって来るまで一度も清掃したことがなかったのだ。明らかに、バイデンは、オバマが、並外れた力、勇気、創意、そして男性、女性の両方に対する精力で有名なヘラクレス、ゼウスの息子だと信じさせたがっているのだろう。バイデンはまたイリノイ出身の上院議員を、ジョン・F・ケネディの仲間であるような扱いをした。

バイデンは言った。オバマが、もし選出されれば、来年中に、何か極端に不人気なことをやり、世論の支持は下降線を辿るだろう。「皆さんにお約束します、ここに座っておられる皆さん全員が、一年もすると、'うわー、どうして世論調査でこんな評価になるんだろう? なぜ世論の支持がこんなに低くなるんだろう? なぜ世の中こんなに厳しいのだろう?' 最初の二年間のあいだに、我々は信じられないほど厳しい苦渋の決断をすることになります。ですから、私は今皆さんにお願いをしておきます、今お願いしておきます、私たちから離れずにいるよう覚悟してください。皆さんが、今この時点でお持ちの信頼を覚えておいてください。我々は皆さんに強く支持していただくことになるのですから。」とバイデンは言った。

一体何がふりかかろうとしているのか想像するのに天才など不要だ。既に今明らかなように、グローバル・エリートは、連中の支配力と富を強固にしようとする取り組みの中で、世界中の経済を意図的にだめにしている。そしてこれは、世界的規模で、想像を絶する困難を招来するだろう。プリズン・プラネットとインフォワーズが、首尾一貫して報道しているように、連中は、一つの世界通貨と一つの世界政府を導入する、最終的な企みを始めたのだ。オバマの選挙キャンペーンが、二酸化炭素排出に制限を課すると約束していることを想起されたい。これは世界税の簡潔な表現だ。

しかも連中は、まだ中東でのプロジェクトを終えてはいない。未完の事業の中で、イラン倒壊という企みは目玉だ。更に、そして最も不気味なことに、グローバル・エリートは、ロシアと対決したがっており、とりわけ悪名高いロシア嫌いのズビグニュー・ブレジンスキーがオバマの海外政策を支配していることから、これはオバマの政治目標の中でも特に卓越しているのだ。

こうしたこと全てが、アメリカ人の単なる服従だけではなく、熱狂的な支持や、恐らくはまだ勃発していない戦争の火のような奈落の中に、我々の子供たちを喜んで送り出すことすら要求するだろう。"完全なマスター"としてのオバマが、雄弁や美辞麗句以上の何らかの能力を、まだ実証していないことなどどうでも良い。彼は、我々の支配者により、主として、その人種ゆえに選ばれたのであり、この事実が、彼の政策に対し、効果的な反対を展開することを困難にするだろう。商業マスコミや民主党は、オバマに対するあらゆる批判を人種差別主義者と見なそうとするだろう。三十年以上にわたる差別語禁止が独裁政権用の舞台を用意したのだ。

最後に、今年早々のミッシェル・オバマの警告を想起しよう。アメリカ人は犠牲を余儀なくされる。今や、企業と、グローバリストのインサイダーであるジョー・バイデンが我々に語っているのです。オバマを不人気にするような状況になる、恐らくはジョージ・W・ブッシュよりももっと不人気になると。巧妙に破壊された経済と、果てし無く続くように思われる、継続中の民営化された戦争と侵略さえ、見れば分かる。一党制のどの派の政治屋が大統領になろうと、これから一体何が起きようとしているのか分かる。

記事原文のurl:www.truthnews.us/?p=2420

2008年9月 1日 (月)

バイデン、イラクとオバマの裏切り

Prof Stephen Zunes

2008年8月24日

Foreign Policy in Focus

民主党大統領候補者となったばかりのバラク・オバマが、ジョセフ・バイデンを副大統領候補に選出したことは、民主党予備選挙と、党員集会での困難な戦いを勝利に導いた反戦派支持層に対する、驚くべき裏切りだ。

ベテランのデラウエア選出上院議員は、アメリカによる中東や東欧の軍事化、キューバに対する厳しい経済制裁、そしてイスラエルの占領政策に対する、議会中の主要な支持者だ。

しかし、最も重要なのは、2002年後半、イラク戦争に至る上院外交委員会の委員長をつとめていたバイデンは、あの石油が豊富な国を侵略するというブッシュ政権の決断に対する、恐らく、アメリカ議会の中で最も重要な支持者であったことだ。

候補者間の差を縮めた

オバマと、間もなく共和党大統領候補となるジョン・ マケインの最も重要な違いの一つは、オバマにはアメリカのイラク侵略に反対する知恵と勇気があったことだ。オバマと彼の支持者は、正しい海外政策判断の方が、経験の長さよりはるかに大切だ、と正しくも主張してきた。これは、マケインに加わって、イラク戦争決議を支持したヒラリー・クリントン上院議員に対する、イリノイ選出上院議員の選挙運動の中でも、主要で重要とおぼしき主張だった。

とはいえ、バイデンを選んだ事で、外交問題では、ずっと豊富な経験を持ってはいるが、判断を間違えることで悪名が高く、間もなく共和党大統領候補となる人物同様、オバマは、二人の大統領候補の、この重要な違いなど大事ではないと言っているのと同じだ。この判断は、従って、本選挙において彼の最大利点の一つを打ち消してしまう。特に懸念されるのは、民主党のタカ派から体制派の人物を選んだことで、オバマが大統領として行うであろう外交政策担当職任命で、どんな人物を選ぶかという可能性を示唆している点だ。

オバマが副大統領としてバイデンを選んだことで、かつては熱心だった支持者基盤に対して、極めて大きな悪影響をもたらす可能性が高い。オバマの支持者は、イラクは、アメリカの国家安全保障上の利害に対する差し迫った危機であり、イラクの侵略と占領が必要だという、ブッシュ政権のあからさまな偽りの主張を、彼がむやみに受け入れなかった事実を高く評価してきた。バイデンが共和党の同意権の連中とつるんで、侵略を承認する上院決議を推進していたのと同じ頃、オバマはシカゴでの大きな反戦集会で、正当にもイラクの交戦能力は大幅に弱体化されており、国際社会はサダム・フセインが将来侵略行為をするのをうまく封じ込められることをあげて論じていた。

対照的に、サダム・フセイン指揮下のイラクは、国連の武装解除施策と包括的国際経済制裁によって、大幅に弱体化されていたにもかかわらず、なぜか「アメリカの国家安全保障にとっての長期的、短期的脅威」であり、「世界にとっても極めて危険」だと偽りの主張をして、ブッシュが正しく、オバマは間違っている、とワシントンでバイデンは主張していたのだ。いかなる「大量破壊兵器」あるいは、攻撃的な軍事能力がなかったにもかかわらず、昨年のインタビューで、これらの発言を蒸し返されるとバイデンは答えた。「その通り。私は正しかったんですよ。」

バイデンは戦争承認を指導した

イラク戦争という悲劇を可能にする上で、バイデンが果たした重要な役割を評価しすぎるのは困難だ。2002年の戦争決議案が発表されるより二カ月も前に、今や議会がアメリカのイラク侵略を認めた最初の兆しとして広く理解されている行為だが、バイデンは8月4日、アメリカ合州国は、恐らく戦争をすることになろうと語ったのだ。上院外交委員会委員長という強力な立場から、彼は反対意見など公平に聞いてなどもらえないことを確証することにより、懐疑的な同僚議員達や、アメリカ国民に対し、戦争を売り込むよう仕組まれたプロパガンダの見せ物を画策したのだ。元国連の主席武器査察官スコット・リッターが当時言っていたように、「バイデン上院議員のイラク聴聞会は、イラクに対する現代版トンキン湾決議を発動させるために使われた政治的詐欺に過ぎません。彼の委員会は、イラクがもたらしている兵器による脅威の本質について、答えにくい難問を問うべきであり、確かな事実を要求すべきです。」

バイデンはそうするつもりなどないことが間もなく明らかになった。バイデンは、イラクの大量破壊兵器の能力を誰よりも知っており、イラクは、少なくとも、質的には軍備縮小を実現していたと、証言したであろうリッター本人が証言することを拒否した。皮肉なことに、昨年のMeet the Pressで、イラクの大量破壊兵器にまつわる自分の偽りの主張を「世界中の全員が、サダムは大量破壊兵器を持っていると思っていたんだ。武器査察官も、彼は持っていたと言った。」と述べて、バイデンは自分の主張を弁護した。

バイデンは、聴聞会に、イラクや中東に詳しい主要な反戦派の学者を何人か入れようという民主党の同僚議員による要求を尊重することも拒否した。こうした人々には、存在しないイラクの大量破壊兵器能力に関するリッターの結論を繰り返したであろう人々や、アメリカのイラク侵略は、アルカイダに対する戦いを阻害し、アメリカ合州国は世界の多くの国から疎んじられようになり、テロが激化する中での、血まみれの都市型対ゲリラ戦争、イスラム教過激派、そして宗派間の暴力を勃発させかねないと証言しそうな人々があった。こうした予言全てが、まさにそのとおりに起きる結果となっている。

バイデンは、イデオロギーを優先する上司による人騒がせな主張に反対する覚悟でいた、ペンタゴンや国務省の反対意見を持った職員たちすら招こうともしなかった。彼は、その一方で、極めて適格性のいかがわしいイラク人亡命者には、サダム・フセインが所有するとされる、膨大な量の大量破壊兵器用資材に関する偽りの証言を進んで許したのだ。リッターは、バイデンが「前もって、事実とは無関係に、サダム・フセインを権力の地位から取り除くという結論を決めており. . .こうした聴聞会を、イラクに対する大規模軍事攻撃のための政治的な隠れ蓑として利用した。」と正当にも非難している

ブッシュ政権の嘘と情報操作の不幸な犠牲者どころではなく、ブッシュ以前に侵略を支持していたバイデンは、アメリカがイラク侵略するよう主張し、ジョージ・W・ブッシュ大統領が登場する何年も前から、サダム・フセインが 「大量破壊兵器」所有するとされるものについて虚偽の発言をしていた。既に1998年という昔に、バイデンは、アメリカがこの石油が豊富な国に侵略することを主張していたのだ。国連査察官と国連主導の武装解除手順により、イラクの大量破壊兵器の脅威を廃絶するに至っていたのに、バイデンは、国連の評判を損ない、戦争の口実を作り出す工作として、国連査察官の仕事など信頼できないと主張した。その年九月の上院のイラク聴聞会では、バイデンはリッターに言った。「サダムが権力を握っている限り、大量破壊兵器に関するサダムの計画全体を、君や他の査察官が、根も枝も完全に除去したと保証できるような、正当な見込みなどあるはずがない。」

7年も前に湾岸戦争規模の軍事行動を主張して、彼は「我々が、サダム・フセインを駆逐する唯一の方法は、結局私たちだけで事を済ませるしかないのだ」と語った。退役した海兵隊員に向かって、「再び砂漠に立って、サダムを引きずり下ろすためには、皆さんのような制服を着た人々が必要になるのです」と言ったのだ。リッターが、ビル・クリントン大統領が提案したイラクの大規模爆撃は、国連の査察行為を台無しにしてしまいかねないことを公表しようとすると、バイデンは、軍事力の使用という結論は「お前のような給与等級の及ぶところではない」と人を見下したように答えた。リッターの予言通り、クリントンが、その年の十二月、国連査察官にイラクからの退去を命じ、砂漠の狐作戦として知られている、四日間にわたる爆撃作戦を遂行したことで、サダムに査察官の再入国を拒否する口実を与えることになった。バイデンは、後年、サダムが査察官の再入国を拒否したことを、都合よく、開戦する口実に活用した。

戦争を鼓舞するための、バイデンの虚偽の主張

イラクの軍事能力に関する政権の主張に対する広範な疑念にもかかわらず、イラクが大量破壊兵器を求めているとされることを懸念しているブッシュ大統領は、正当化できるとバイデン主張した。イラクが1990年代中頃に、化学兵器庫を廃絶していたにもかかわらず、イラク戦争決議に至る数週間、サダム・フセインはまだ化学兵器を持っているとバイデンは断固主張していた。イラクが配備可能な生物兵器を開発した証拠などなく、生物兵器開発計画は数年前に廃絶したにもかかわらず、バイデンは、サダムは炭素菌を含む生物兵器を持っていると主張し、「彼は天然痘の細菌株を持っている可能性がある」と語った。さらに、国際原子力機関が、1998年という昔に、イラクが何らかの進行中の核開発計画を持っている証拠はないと報告したにもかかわらず、バイデンは、サダムは「核兵器を求めている」と主張した。

バイデンはこう言った。「一つはっきりしていることがある。これらの兵器をサダムから取り除くか、サダムを権力からはずさねばならない。」フセインを追放するためには、いかなる実際の兵器が存在する証明も不要だと彼は考えていた。一方で「もしも、我々がサダムの危機が明らかになるまで待つようであれば、遅すぎになる可能性がある。」と主張した。彼はさらに「国連や、同盟諸国を鼻であしらうことを彼はしなかった。新検査体制を解任しなかった。彼は議会を無視しなかった。重要な瞬間にはいつも、彼は節度と熟考の道を選んでいた。」と偽りの主張をして、ブッシュ大統領を擁護した。

戦争決議を正当化する為に仕組まれた、あのオーウェル風の言葉の歪曲として、はるか地球の裏側の国に、任意の時期、状況で侵略する先例のないことに対し、ブッシュ大統領に権限を与えるの承認で、バイデンはこう主張した。「私はこれを戦争への突進だとは思わない。これは平和と安全保障への行進だと信じている。この決議を圧倒的に支持しそこねれば、戦争が起こる可能性を高めかねないと信じている。」

バイデンは、侵略が決して、短期で、容易なものではなく、アメリカ合州国がかなりの長期間イラクを占領しなければならないことを十分に知りながら、それを支持したことを、特記しておかねばならない。彼こう宣言していた。「我々は、アメリカ国民に対して、はっきり言うべきだ。我々はイラクに対して、長期的に取り組むのだ。翌日までなどではなく、次の十年まで。」

バイデンの現在の立場

アメリカ侵略の悲劇的な結果と、それに伴う戦争に対する国民支持の弱まりに対応して、バイデンは、より最近では、政権の紛争処理方法を批判し、大半の戦闘部隊の撤退を主張する民主党議員の合唱に加わっている。彼は昨年初頭、ブッシュ大統領の兵員拡大(増派)に反対し、 イラク国内の現行の紛争解決には、国連や他国による一層の関与を主張した。

にもかかわらず、バイデンは、この国を、クルド、スンナ派アラブ人とシーア派アラブ人の現状区分されている区域で分離する案に対する、議会中の指導的支持者であるが、彼の提案は、イラク人の安定的多数によって反対され、主力のスンナ派、シーア派、そしてイラク国会内の世俗派によって、強く非難された。アメリカ国務省でさえ、バイデンの計画は余りに過激だと批判している。分割して統治せよという、ひねくれた危険な企み、中東の国境を引き直すというバイデンの野心的な狙いは、暴力的で、悲劇的な状況をさらに悪化させかねない。

ともあれ、2003年のアメリカ侵略に対する、議会承認を可能にする上でのバイデンの主要な役割は、オバマ支持者の間で、大きな懸念をひき起こしている。より最近には、自分の投票行動について遺憾の意を表明してはいるものの、公式に謝罪してはおらず、侵略そのものの違法性というよりは、ブッシュ政権による侵略後の占領処理がまずかったことを強調している。

決議に対するバイデンの支持は、単なる判断の誤りではなく、侵略戦争を禁ずる国連憲章や他の国際的法規に成文化されている原理の意図的な棄却である。憲法第VI条によれば、そのような棄却は、アメリカ法の違反にも等しい。バイデンは、もしも国連安全保障理事会が武力の使用を承認すれば、イラクに対するアメリカ軍の行為を承認したであろう、同僚の民主党上院議員カール・レビンが提案した修正案にすら反対し、アメリカ合州国が一方的に戦争を遂行することを承認するという共和党が提案した決議に賛成したのだ。実質的に、バイデンは、アメリカ合州国は、なぜか世界唯一の超大国として、たとえ現状ではアメリカの戦略的脅威となっていなくとも、他国を、したい放題に、侵略する権利を持っているというネオコンの見解を受け入れているのだ。

イラク戦争決議で示された危険な前例を考えると、戦争の主要支持者の一人を次期アメリカ副大統領になりうる人物として指名したことは、オバマ上院議員の国際法を守るという約束に対する深刻な疑問をひき起こしている。しかも、ブッシュ政権の8年間の後、より責任あるアメリカ海外政策を、世界が必死に待ち望んでいる時期にだ。大統領選挙運動の始めに、オバマは、イラクの戦争を終わらせるだけでなく、そもそもアメリカ合州国をイラクに侵略させた考え方そのものに挑戦すると約束した。しかしながら、バイデンを副大統領候補に選んだことで、「我々が信じられる変化」の約束をオバマが本当に守るのかどうかに対する疑念をひき起こしている。

Stephen Zunesは政治学教授で、サンフランシスコ大学の中東研究を統括しており、Foreign Policy in Focusのシニア・アナリストである。

記事原文のurl:www.fpif.org/fpiftxt/5492

2008年8月27日 (水)

オバマ、アメリカの支配エリートを安心させるべくバイデンを選択

パトリック・マーチン

2008年8月25日

ジョセフ・バイデン上院議員が、民主党副大統領候補者に選出されたことは、民主党の大統領予備選挙活動の欺まん的性格と、二大政党大統領選挙制度そのものの非民主的性格を強調するものだ。「変化」の主唱者と思われている、民主党大統領候補バラク・オバマが、副大統領候補として、アメリカ帝国主義と大企業の利益に対する折り紙付きの守護者、六期にわたるアメリカ上院議員、ワシントン既成権力集団の常連を選んだのだ。

バイデンが副大統領候補者に選ばれたお披露目に、ここ三日間マスコミの注目がエスカレートし、ついには、土曜日早々のメール・テキストによる発表と、イリノイ州、スプリングフィールドでの出陣式に至った様は、オバマ選挙運動そのものの暗喩だ。彼が大統領候補になったのは、下からの反乱ではなく、インターネット技術や、俗受けのするマーケティング・テクニックを用い、迎合的マスコミの助力を得て、全く従来通りの、アメリカ支配層エリートの要求に調和する政治結果を生み出すため、大衆の感情を操作しようという努力によるものなのだ。

巨大な二政党の一方の中で、副大統領候補者を選出するには、様々な組織勢力間で、複雑なバランスをとる活動が必要だったのは、遠い昔のことだ。民主党の場合には、労働組合幹部、人権団体、議院のリーダーたちや、特に有力な州や都会の政党機関幹部と、相談することが必要だった。

現代、どちらの党もしっかりした大衆的基盤を持っているわけではない。いずれの党も、実際には、たった一つの本当の「支持層」しかない。経済と政治を牛耳り、マスメディアを支配し、その利害で、海外および国内両方の政府政策を決定する金融特権階級だ。選挙人投票数が、わずか三票しかない小さな州の上院議員で、彼自身の大統領候補としての努力は、大衆の支持の欠如から、惨めに失敗したバイデンが選ばれたことは、政治権力集団全体と一般大衆アメリカ人とを隔てている広大な裂け目を強調するものだ。

オバマが、バイデンを選んだということは、秋の選挙運動で、大統領選挙という目的のために、どのような大衆向けの美辞麗句が使われようと、ひたすら支配層エリートの富と特権と、アメリカ帝国主義の地政学-戦略的目標だけが、民主党政権の関心事だということの保証になろう。

支配体制の人

バイデンは、30年間にわたって、政治権力中枢における要人である。彼は、1972年、デラウエア州から初めてアメリカ上院議員として選出されたが、当時はリチャード・ニクソンが大統領で、オバマは11歳だった。以来、彼は七代の政権を通じて、議席を確保してきた。彼は二つの最も重要な上院委員会の委員長を勤めた。最高裁判所を含め、裁判所の就任指名を吟味する法務委員会、および上院外交委員会だが、後者では、バイデンは、2001年から2002年まで、そして民主党が2006年の選挙で上院多数派を再度得た後、再び、委員長を勤めている。バイデンは20年前と、今年再び、大統領選挙に出馬した。

1990年代、ビル・クリントンがホワイト・ハウスの主でいた間、バイデンは、旧ユーゴスラビアに対するアメリカの介入の主な提案者の一人だった。彼は昨年刊行された、彼の大統領選挙運動用自伝の中で、この役割を、海外政策において最も誇りに思う実績だと書いている。1990年代中頃、彼は、セルビアに対抗すべく、ボスニアのイスラム教政権に、アメリカが武器供与をするよう呼びかけ、1999年のコソボ危機時には、セルビアに対するアメリカの直接攻撃を擁護し、志を同じくする共和党上院議員と協力して、セルビアに対して「必要なあらゆる武力」を使う権限をクリントンに与える、マケイン-バイデン・コソボ決議を実現させた。

この立法提案は、イラクに対して戦争を遂行する権限をブッシュに与える2002年の上院決議の模範となっている。そこでは、バイデンは共和党上院議員リチャード・ルーガーと共に提案を提出していた。ブッシュ政権は、それがイラクから大量破壊兵器のみを駆逐することに限定されていた為に、バイデン-ルーガー決議に反対し、民主党が多数派を占める上院で、より広範な戦争決議を採択するよう、まんまと働きかけ、それに対して、バイデンは賛成票を投じた。

国内政策では、バイデンは、冷戦時代にまでルーツをさかのぼる従来型のリベラルだ。彼は、時折、貧者や虐げられた大衆に対する関心、労働組合幹部との親密な関係についての一般大衆に向けた決まり文句と、利益システムに対する手放しの擁護を組み合わせている。他のあらゆる上院議員同様、彼は、自分の州デラウエア州を本拠として活動し、2005年にバンク・オブ・アメリカに買収されるまで最大の独立クレジット・カード発行業者だったMBNAを含めた大企業の利益の「世話をしてきた」。

そういう立場から、バイデンは、MBNAのような企業が活用する、不正で紛らわしいマーケティング戦術によって、いっそう悪化させられている借金の重荷から、労働者階級や中流階級の家族が抜け出すことを更に困難にした、反動的な2005年消費者破産法見直し法案の、民主党議員として最も熱心な支持者の一人だった。2005年の法律は、差し押さえを逃れようとしている行き詰まった自宅所有者の問題を悪化させた。

バイデンは、上院討議の間、この破産法を擁護し、ジョン・ マケインを含む圧倒的大多数の共和党議院と共に、同法案に賛成した。オバマはこの法案に反対し、2008年の選挙運動の間、労働者家族に対する懲罰的な対策だとして、繰り返し攻撃してきた。

MBNA社員は、バイデンの過去二十年にわたる選挙運動において、最大の資金支援者だった。2003年、MBNA社は、この上院議員の法学大学院を卒業したばかりの息子ハンター・バイデンを雇い入れ、あっと言う間に彼を上級副社長に出世させた。(アメリカ上院議員の標準から見れば、彼の父親は裕福ではないが、ハンター・バイデンは今やヘッジ・ファンドの大富豪になっている。)

バイデンは、時折、オバマより、若干リベラルな立場をとってきた 最近では、政府による電話会話と電子メール監視の大規模な拡張を承認し、そのような不法なスパイ行為に過去七年間協力してきた巨大通信企業に、法律的な免責を与える法案(オバマはこれを支持している)に反対した。しかし彼はアメリカ愛国者法の熱烈な支持者であり、今回の民主党大統領予備選挙運動中、彼の論敵からの批判に対して、愛国者法を擁護していた。

バイデンとイラク戦争

オバマ上院議員が、民主党の指名競争で、ヒラリー・クリントンを圧倒した大きな原因は、彼女は2002年10月に、イラク戦争を是認する賛成票を投じたが、一方で、当時はアメリカ上院議員ではなかったオバマは、戦争をするという判断に、口頭で反対していたということによる部分が大きい。政治的経歴上のこの差異は、2005年1月上院議員となってからのオバマ記録は、クリントンのそれと、ほとんど区別しようがないにもかかわらず、反戦気分に訴えるべく、オバマの選挙運動で活用された。

イラクにかかわるバイデンの経歴は、彼が副大統領候補として選出されたことを、いっそうcynical、つまり、彼は大半の民主党上院議員よりもずっと長い間、この戦争の熱心な支持者だったのだから。更に100,000人のアメリカ兵の派兵や、イラクを、かつてのユーゴスラビアの範に習って、恐らくは、支配がより容易であろう、スンナ派、シーア派とクルド族の小国に分割することを含め、戦争に勝つため、劇的な暴力レベルの強化策を彼は支持していた。

2003年3月、アメリカによる、いわれのない侵略を開始する準備段階で、バイデンはブッシュ政権のプロパガンダに同調した。2003年2月のコリン・パウエル国務長官の悪名高い国連安全保障理事会への登場直後、上院外交委員会公聴会でバイデンは、まくしたてた。「私はあなたと知り合いであることを誇りに思います。あなたの立場、あなたの評判、そしてあなたの品位ゆえに、誰よりも良い仕事をなさったと考えています...」今ではパウエルのイラク非難における、あらゆる主要項目が誤っていたことが証明されている。

大量破壊兵器や、アルカイダや9/11攻撃に対するイラクの結びつきにまつわるブッシュ政権の嘘が暴露されると、バイデンは、戦争に対する大衆の支持を維持するための十分な論理的根拠を見つけ損ねた、ブッシュ政権の失敗に対し、ますます懸念を表すようになった。

アメリカ人に対して、戦争を効果的に売り込みそこねた、ブッシュ政権の過ちを嘆き悲しんでいる。2005年6月、ブルッキングス研究所での演説で彼は宣言した。「私はアメリカの大統領がイラクで成功するのを見たいのです...彼の成功はアメリカの成功であり、彼の失敗はアメリカの失敗なのです。」

バイデンは、特に、戦場の現実と食い違う、ペンタゴンやホワイト・ハウスが発表する、イラクではすぐに成功できる、というバラ色の予測に批判的だった。「この食い違いが、悲観的な考え方に油を注ぎ、わが軍隊がその任務を果たせるよう、我々が与えるべき最も重要な武器、つまり、アメリカ人による不屈の支持を浸食しているものと考えます。支持は衰えつつあります。」

世論が決定的に戦争反対であることが判明すると、ようやくバイデンはエスカレーション支持から、アメリカ軍の限定的撤退へと立場を変えた。ワシントン・ポスト紙の2005年後半のあるコラムは、デラウエア州選出古参上院議員の見解と、イリノイ州選出新人上院議員バラク・オバマの見解の収束について触れ、バイデンを「サダム・フセインに対するアメリカの介入に対する、初期からの変わらぬ支持者」と書いていた。

2006年11月に民主党が再び上院の多数派を占めると、バイデンは上院外交委員会の委員長となり、上院民主党が、ブッシュの「増派」政策に降伏する上で、重要な役割を演じた。何百万人もの反戦投票者は、戦争を終わらせようと民主党に票を投じたが、ホワイト・ハウスは逆に戦争をエスカレートさせ、民主党は全く意気地がなく、結局は賛成した。

民主党が多数派を占める上院は、戦争の遂行に対する遠慮がちな制限をブッシュが拒否した後に、意気地なく屈伏し、2007年5月には、イラクとアフガニスタンにおける軍事作戦に対する全額支出の法案を通した。クリントンやオバマを含む、何人かの民主党上院議員が、資金調達法案に、抗議として反対投票すると、バイデンは、軍の安全を傷つけるものだとして、彼らを強く非難した。

この重要な投票から二週間後、バイデンは、戦争を終わらせようとして「我々は毎日、自分の首を折ろうとしている」と主張して、民主党議会の反戦論者を非難した。彼は言った。かなりの数の共和党上院議員が離脱して、ブッシュの拒否権を覆すのに必要な三分の二の多数派ができるか、あるいは民主党の大統領がホワイト・ハウス入りするまで、戦争には終わりなどない。「我々が67票を得られるまでは、あそこにいる軍隊の安全のために資金を拠出する。」と彼は宣言した。

その頃には、民主党大統領候補選はかなり進んでおり、バイデンは、ほとんど支持を得られず、代表人も得られなかったが、政治的には重要な役割を演じた。World Socialist Webサイトは、2007年8月の候補者討論の後、こう記した。「バイデンは、最も嬉々として、反戦感情を公的になじる民主党大統領候補者、という得意の分野を開拓した。」

討論の過程で、バイデンは、迅速に撤退すると脅せば、アメリカ政府は、イラクの政治家たちに、否応なしに、バグダッドに安定した政府を作るよう強いることができようと主張する人々を、攻撃した。彼は「ここにいる人々が生きているうちに、イラク人がまとまり、バグダッドに、国を一つにまとめるような統一政府ができる可能性があるかのようないかなる幻想も」非難した。「そうなことになりはしないのです.... ここにいる人々が生きている間には、そういうことなどおきないのです。」言い換えれば、アメリカ占領を、永遠に続けねばなるまいということだ。

過去数日にわたり、民主党幹部やメディアから、無数の示唆があったが、論争で激しく対立するというバイデンの評判を考えると、彼が選出されたのは、オバマ選挙運動側が、より攻撃的態度に出ることを暗示している。経歴からして、バイデンは、オバマ選挙運動への反戦派評論家に対する「かみつき犬」として登用されたという可能性が極めて高い。

この事実から、ネーションといういわゆる「反戦」誌は、卑劣にも、バイデンを受け入れるに至っている。ワシントンの左翼リベラル雑誌編集者であるジョン・ニコルズは、バイデンを選んだことは「まずまずの結果であり、恐らくは、偉大な副大統領選択の満足すべき結果とさえ言え」、票をオバマの方に呼び戻せる可能性がでたと書いている。

土曜日のスプリングフィールドにおける出陣式に触れ、ニコルズは、まくしたてた。「バイデンが、勢いよく、そう、オバマの選挙演説に欠けていた毒をもって、ジョン・ マケインを追求してくれれば、それはパンチをくらうよりは、パンチを繰り出す用意ができている選挙運動を待っていた軍団にとって、強壮剤となろう。」

この反応は、アメリカ合州国の労働者が直面する政治危機に関する根本的な真実を確認させてくれる。まず、民主党という拘束衣から抜け出ることなしには、アメリカ帝国主義や、その社会の反動化と戦争という計画に対し、真面目な戦いを行うことは不可能だ。

アメリカの支配者エリートにとって、誰が今後四年間、自分たちの全軍最高司令官になるのかを決定する、オバマ-マケインの競争の結果に、労働者は何の利害関係もない。労働階級が直面する課題は、二大政党制度から決別して、社会主義と国際協調主義に基づく、独立した政治運動を立ち上げることだ。

下記も参照:
Leading Democratic presidential candidates disavow rapid Iraq withdrawal
[August 21, 2007]
Iraq escalation heightens political crisis in Washington
[January 13, 2007]

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2008/aug2008/bide-a25.shtml

2008年8月 6日 (水)

ヨーロッパがオバマに夢中になっている理由は何か?

Chris Marsden

2008年7月24日

民主党大統領候補者バラク・オバマの三日間のヨーロッパ訪問をめぐるヨーロッパ・マスコミが生み出している絶賛の波には、非現実的な雰囲気がある。

オバマが今日ベルリンで何十万人もの聴衆に演説する予定のドイツ・マスコミは、オバマに対し、大絶賛だ。デア・シュピーゲルは、この「救世主的要素」が、広範な「新しいアメリカを求める心」によって動機づけられていることに触れている。フランクフルター・ルンドシャウは声高に言う。「リンカーン、ケネディ、オバマ。」ベルリナー・モルゲンポストは、彼のことを「新たなケネディ」と書き、ビルド紙も、「この黒人アメリカ人は、新たなケネディとなった!」と書いて後に続いた。

そのような言説には、特にマスコミのリベラルな部分において、一定の自己欺瞞がある。イギリスのガーディアンの世論調査で、もしもアメリカの大統領選がイギリスで決められるとすれば、オバマは5対1の票差で共和党のジョン・ マケインを打ち破るだろうことが判明している。

同じ新聞の論説記事で、ゲーリー・ヤングは、「オバマニア」現象を、ジョージ・ブッシュによってもたらされた「世界のアメリカ観」に対する「蔓延している、深刻な」ダメージの副産物だと説明している。「大半のヨーロッパ人は、彼を単にブッシュの有望な後継者としてだけでなく、ブッシュの全否定-反ブッシュとみなしている。今の大統領が喧嘩早く、度量が狭く、冷淡で、でくのぼうなのに対し、オバマは、融和的で、世馴れており、好奇心が強く、洗練されている。」

ガーディアンの日曜版姉妹紙、オブザーバーは、オバマ礼賛と同じ論拠を引用したコンスタンツェ・シュテルツェンミュラーの記事を掲載している。

「オバマ大統領はとうとうヨーロッパにやってきた! そう、アメリカ人はまだ彼を選んではいないのだが。我々に関する限り、そんなことは単なる事務手続きの問題だ。我々はとっくの昔に決心したのだ。我々の大統領はバラク・オバマだ。」

しかし、一般国民の中にある、オバマはブッシュ時代という狂気の後、より文明的な政治への回帰なのだという幻想を、マスコミは単にそのまま繰り返しているのだという考え方は誤っている。オバマを「反戦候補」として、あるいは、持たざる人々の声として描き出されたものをそのまま鵜呑みにするような、政治に不案内な連中が相手というわけではない。

新聞は、あらゆる公式な政治場面でオバマへのてこ入れを遂行している。海外政策にかかわるオバマの最近の演説を入念に追い続けてきた編集者やジャーナリストも加わっている。彼等は、アメリカの軍事力と経済力をどのように伝えるかをしっかり把握していて、実力行使をする場合にも、ブッシュよりも単独行動主義の程度が低い人物の背後で、ヨーロッパ列強とアメリカ合州国の間により良い関係を打ち立てる好機だと結論したのだ。

国際社会におけるアメリカ実業界の利益を守ることに尽力するし、またその力があることを、アメリカの実業界に請け合うことに、オバマは過去数週間を使ってきた。

多数の目立つ演説やインタビューで、彼が提案している、就任から16カ月以内イラクの兵員縮小という線表は、絶対に動かせないものであり、また完全撤退の要求ではないことを彼は明らかにしてきた。しかもそれは、アフガニスタンの駐留アメリカ兵員を10,000人も増強し、パキスタンで、国境を越える作戦を開始するという脅しへの呼びかけと結びついている。

これは、合州国がイラクで苦しんでいる大失敗は、アメリカの世界的な立場を損ない、中東のみならず、世界全体を不安定化させることを懸念しているヨーロッパ列強の海外政策の優先順序と基本的に一致する。

ヨーロッパ列強は、アメリカの負担で、他人の不幸を喜んでばかりいるわけにはいかないのだ。冷戦が終わっても、彼等は依然として、合州国を、帝国主義的世界秩序の主要拠点であり、中国やロシアというライバルに対する極めて重要な平衡力と見なしている。オバマ受容は、舵取り役としてマケインよりは安全であり、あるいは、少なくとも合州国を他の国々により巧みに売り込める人物だろうという計算によるところが大きい。

オバマがイラク首相ヌリ・アル・マリキと会った後、政府のスポークスマン、アリ・アル-ダバグは、提案された軍隊撤退の日程を支持した。彼は報道陣にこう語った。「具体的な日程や日にちは言えないが、イラク政府は2010年末が軍隊撤退に適切な時期だと考えている。」

兵員数60,000人におよぼうとする「残留兵力」をイラクに置いておくことは、オバマを試し、困らせるために、彼等が何を発言しようと、マケインと共和党の計画にも、一致している。イギリスのゴードン・ブラウン首相は、条件が許せば、イギリスの残留部隊を、バスラ空港の英軍基地から、2010年の次回総選挙前に撤退させたいと示唆したが、これはブッシュ政権との話し合いなしには話題にするはずがないテーマだ。

オバマの政策は、より明確にイランとの交渉による解決を指向してきている点で、ヨーロッパにとって、マケインより魅力的でもある。ヨーロッパ列強の大半は、イランとの間で起こりうる戦争は、イラクよりも酷い惨事になる可能性が高いと見ている。

ヨーロッパのアメリカ同盟国は、これまでの所、アフガニスタンに自国軍を増派し、進んでリスクを負おうとはしてきていないが、中東や中央アジアの石油埋蔵量を採掘する上で、より大きな分け前を与えるような、多国間協調路線の海外政策に戻ることをオバマが示唆したと、彼等が信じさえすれば、彼等は進んで増派するかも知れない。

オバマに対する賞讃が高まる背後の動機について何らかの疑問があるとすれば、イギリスの大手右派新聞、テレグラフとサンデー・タイムズの論評で、それも雲散霧消するだろう。

テレグラフは、兵員をイラクから撤退させる意図を明言したオバマとブラウンに好意的な社説を書いた。同紙は高らかに言う「本紙は、バース党専制の打倒を支持しており、即時撤退要求については否定的であった。しかし占領は、決して永久なものを意図してはいなかった。

「二年前、同盟軍は内戦を抑えきれておらず、駐留そのものによって激化させていると、バランスが変わりつつあることを指摘した。以来、我々は撤退のための線表を要求してきた。

「ブラウン首相もオバマ議員もイランとアフガニスタンへと焦点を移しつつある。これも歓迎すべきことだ。」

サンデー・タイムズは、ルパート・マードックの会社ニューズ・コープの刊行物なので、オバマに対する態度は特に重い意味がある。7月20日版のこの共和党支援の中枢メディアは、アンドルー・サリバンによる記事、「オバマとマケインは、お互いの戦線を曖昧にしている。」を目玉にしている。

サリバンは、オバマとマケインの間には、更には現在のブッシュ政権との間にさえ、海外政策において、かなりな程度の合意があると主張する。

「誰もが、他の人と同意しているように見えるのに、その事実を頑として受け入れようとしていない」と彼は書いている。

「イランを例にとろう。オバマは、アメリカは、直接、宗教指導者と取引し、核問題について交渉し、テヘランがウラン濃縮を中断することについて、前提条件なしに会談すべきだと主張していることは良く知られている。ほんのわずか前まで、向こう見ずで、融和的なオバマと、決然とした、チャーチルのようなブッシュとの間の、これは明確で重要な差異だと聞かされてきた。

「しかも先週、ブッシュは、高位の国務省職員ウイリアム・バーンズに、テヘランの代表との、イランの核問題についての会合に出席する承認を与えた....

「イラクはどうだろう? オバマの立場は、ずっと、兵員は、迅速に、ただし注意して撤退すべきだ、そして、アメリカ軍は焦点をアフガニスタンとパキスタンに移すべきだ、というものだ。そして、驚くことなかれ、先週ブッシュはアフガニスタンでの任務を強化するため、イラクにいる兵員の撤退を促進することを検討しているのだと聞かされたのだ。おまけに、マケインも、アフガニスタンへの「増派」と称するものを支持する演説をした」

「実際、各人が明らかにするであろう海外政策のスタイルを、最も近い誰かに例えなければならないとすれば、マケインはロナルド・レーガンに、そしてオバマは父親ブッシュ大統領に近いだろう。彼の外交を オバマは常々賞讃しているのだ...これは途方もない差異とはいえまい。」と彼は結論している。

マードック所有の報道機関が、オバマを、1991年の湾岸戦争の設計者、父親ブッシュに近いと表現しているのは、彼の帝国主義的海外政策メッセージが、どれほどはっきり受け止められているかという一つの目安だ。

サンデー・タイムズの同じ版は、もしもヨーロッパ列強がオバマ指揮下のワシントンと、より良好なつきあいを期待するのであれば、支払うべき代償があるはずだ、とも予言している。

サラ・バクスターは、「ヨーロッパは、オバマへの絶賛への返礼として、多少「愛のむち」を貰うことになるかも知れないとコメントしている。既にオバマはNATOに対し、アフガニスタンにより多くの兵員を派兵し、各国軍の使用に対する制限を緩和するよう要求している。彼の最高海外政策顧問スーザン・ライスは、訪問旅行直前に、ブッシュの不人気を利用して、力仕事をアメリカにまかせるような「ただ乗り客」はもはや許さないと警告した。」

オブザーバー紙の、コンスタンツェ・シュテルツェンミュラーの論説は、この点で重要である。彼女は、アメリカ合州国 (GMF)、ドイツ・マーシャル財団ベルリン事務所の所長であり、元ドイツの週刊誌ディー・ツァイトで軍事と国際安全保障問題の編集者だった。GMFは1972年にドイツからの贈与によって設立され、本部はワシントンDCにある。アメリカとヨーロッパの間の関係を促進することを目的としている。

シュテルゼンミュラーは、まず「アメリカとヨーロッパとの関係は、良い方に変化した。今日、太平洋同盟には、落ち着いた、実際的な協力の精神がみなぎっている。我々は多くの価値や関心の上で同意し、しばしば、常にではないにせよ、共通の目的を実現するためには、お互いを必要としているという合理的な認識に基づいている。」と主張する。

共通の自己利益に関するオバマの新たな認識を十分に活用する為には、ヨーロッパは応分の軍事的責任を負わなければならないのだ、と彼女は主張する。

ヨーロッパは既に「バルカン半島における虐殺を終わらせるため、アメリカが介入せざるをえなかった1990年代初期には、(とりわけヨーロッパ自身を含め)誰も予想できなかった程、軍事力による威嚇を背景にした外交が得意になった。9/11攻撃とアフガニスタンの安定化の問題が、自国の安全保障以外のことにも責任があるという自覚を、とうとうヨーロッパに強いたのだ。とはいえ、我々は自分の格に合った場所で戦うという状態からは、まだほど遠い。」

ヨーロッパは「共通のへその緒から、目を引き離して、世界の中における自分の役割と責任を真面目に考えるよう強いられている。対立の蔓延や、世代を超える課題である気候変動、ロシアや中国のような自信に満ちた独裁的大国の勃興といった課題が、アメリカとヨーロッパは、結局は、お互いに、ほぼ何よりも望んでいる相手なのだという洞察を強化してきた。これは自発的な諸国の同盟と呼ぶことさえできる。」と彼女は続けて言う。

「これら全てからして、アメリカの次期大統領は,ヨーロッパの助力と支援を、後々ではなく、間もなく要求することになるだろう。オバマもマケインも、理想主義者なので、ヨーロッパ人が新たに見つけた、グローバルな責任という感覚が、ヨーロッパをして、イエスと言わしめると、期待するだろう。我々はそうすべきか? そう、我々はそうすべきなのだ。我々がそうしなければ、大統領は、独断する現実主義者のままであり続けるだろうから。」

オバマに次期大統領になって欲しいというヨーロッパ列強の願いが実現されようと、されまいと、彼をアメリカと全ての人類に新たな「希望」をもたらす人物として賛美するという馬鹿げた企てを生み出す動機の背後にあるのはこれなのだ。これは、より平和な世界ではなく、合州国とヨーロッパ双方の軍国主義が益々成長を続けるという前兆だ。

下記も参照:

Obama in Iraq underscores his commitment to US militalism

[2008年7月23日]

The Obama candidacy and the new consensus on Afganistan

[2008年7月21日]

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2008/jul2008/obam-j24.shtml

やがては、あるいは、すでに、日本でも、宗主国アメリカと属国日本の支配層の意見の提灯持ちとして、同じキャンペーンが始まり、継続されるだろう。

下記に引用する、ビル・トッテン氏の2008年08月05日付けコラムOW831にある通り、個人の資質の問題を超えた、国としての本質こそ問われるべきだろう。マスコミなるものによって、それが問われることは永遠にありえないのだが。

題名:No.831 イラン攻撃すれば世界経済破綻l

引用始め

ブッシュの時代はまもなく終わる。11月の大統領選ではオバマ民主党候補が勝つといわれ、米国の政策に大きな変化がおとずれるだろうという期待論が聞かれる。それは共和党主導の、戦争の時代が終わることへの期待である。

しかしそれは甘い。米国が行ってきた戦争や暴力行為は、アイゼンハワー、ニクソン、レーガン、ブッシュ親子といった歴代の共和党大統領だけでなく、ケネディ、ジョンソン、カーター、クリントンと、民主党の大統領も同じようにやってきたことだからだ。今、イラクやアフガニスタンで行っている、社会基盤を破壊し、民間人をも殺害するという米国政府の残虐さは、政党の違い、保守派やリベラル派の違いではないのである。

もしイランとの戦争が始まれば、米国だけでなく日本も、そして世界の残りの国も、中東の石油へのアクセスを失うだろう。それは米国経済だけでなく、世界経済をも破綻させる事態をまねく。世界の警察どころか世界のならず者は、戦争という究極の暴力行為によって人命も、そしてこの地球の生態系も、すべて破壊しつくそうとしている。その怪物がアメリカ合衆国なのだ。

引用終わり

2008年7月31日 (木)

ベルリンの民主党大統領候補オバマ、ヨーロッパにアフガニスタンへの兵員増派を要求

Stefan Steinberg

2008年7月26日

およそ200,000人の聴衆を前にしたベルリンでのバラク・オバマ演説は、反共冷戦と、アメリカ帝国主義者の軍国主義や侵略、つまりいわゆる「対テロ世界戦争」という新たな枠組みを推進する企てを、反動的に肯定するものだった。

分かりやすい戦後の米欧関係史が描かれた背景幕を背に、民主党の大統領候補は国際テロという「新たな危険」に対する戦いにおける、二大陸同士のより緊密な協力を呼びかけ、ヨーロッパ諸国政府に、アフガニスタンの兵員を増強するよう要求した。

「対テロ戦争」に軍隊を動員する呼びかけの中で、オバマは、ヨーロッパ諸国民、特にドイツは、戦争嫌いを克服しなければならないとすすめた。民主党の大統領候補は、多くのドイツ人の間に、ドイツ軍のアフガニスタン駐留への反対があることを良く知っており、こう語りかけた。「戦争を歓迎する人はいません。アフガニスタンにおける大変な困難さを私は理解しています ... アメリカ一国だけではできないのです。アフガニスタン国民には、アメリカ軍と皆さんの軍が、アメリカの支援と、みなさんの支援が、タリバンとアルカイダを打ち破るために必要なのです....」

オバマの最初の提案は、ヨーロッパとアメリカが歩調を合わせ「イランに対し、核の野望は捨てなければならないということを直接に」伝えようという呼びかけだった。ドイツとフランスが、当初イラク侵略に反対したことに触れ、彼は言った。「過去の違いにもかかわらず」ヨーロッパは、バグダッドの傀儡政権を安定化させようというアメリカの努力を支援すべきで、「最終的には、この戦争を終わらせるのです」つまり、無期限のアメリカ軍駐留とアメリカのによるイラク支配の受容だ。

本音を語る一つのメッセージで、オバマは、彼が大統領に選出されたからといって、アメリカ軍国主義や、ドイツや他のヨーロッパ諸国に対する軍事的負荷が、減少することを意味するわけではないと示唆した。彼はこう宣言した。「たしかに、アメリカとヨーロッパの間には違いがあり続けています。将来も、違いがあり続けることは疑うべくもありません。しかし、グローバルな市民としての身分という重荷が、私たちを一つに結び続けてくれるでしょう。ワシントンにおいて、指導者が変わるからといって、こうした負荷がなくなるわけではありません。」

オバマは、こうして海外ツアー中唯一の公的演説という機会を利用して、果てしのない戦争と軍事的暴力についての展望を改めて表明した。

オバマ演説の政治的要旨は、金曜日に、演説は「かなり保守的で、際立って愛国的だ。」と好意的な論説を書いた右派共和党の新聞ナショナル・レビューがうまく要約している、論説はこう書いている。

約20分の間、上院議員は以下のような立場を表明した。

* 共産主義者の暴虐への強い非難と、冷戦中、アメリカが巧みに抵抗したことの祝辞。

* 大西洋同盟の継続と、国際安全保障と安全な通商の為の唯一の基盤として、グローバルな協力関係に進化させようという熱烈な訴え。

* 「[テロ]を支援する過激主義という井戸を、干からびさせ」なければならないというブッシュ大統領おはこの主張をも含んだ、対テロ戦争の承認。

* アフガニスタンにおけるNATOの任務への疑う余地のない支持と、ヨーロッパ人はアフガニスタンにより多く派兵するべきだという明確な要請。

* 自由貿易、開かれた国境、そして、グローバル化への公約。

* 中東や他の地域においてデモクラシーを推進することへの支持、これにはイラク戦争で、アメリカ、同盟諸国、および現イラク政府が勝利したのを認めることが含まれる。

* イランは、核の野望をあきらめ「なければならない」という単刀直入な発言。

* そして自由と正義という世界の希望の媒介者としてのアメリカの愛国的描写

オバマの登場に先立ち、前例のないドイツマスコミのキャンペーンが行われ、大統領候補への賞讃があふれかえっていた。多くの新聞が膨大な参加者を予測し、1963年のジョン・F・ケネディ、そして1987年のロナルド・レーガンの時のようなベルリン大集会になぞらえていた。

注目に値するのは、オバマが、公式なアメリカ世論が、冷戦に勝利した人物と認めているレーガンのせりふを喚起させるのを選んだことだ。レーガンのせりふ「ゴルバチョフ書記長、あの壁を取り壊そう」をまねて、オバマはこう宣言した。「皆さんが、ドイツ国民が、あの壁を取り壊しました。東と西を、自由と独裁を、恐怖と希望を隔てていた壁です。壁は世界中で崩壊し.... デモクラシーの扉が開かれました。」

「自由市場」への熱意を決して隠したことのないオバマは、次の文章を「市場も開かれました。」といって始めた。しかしながら、資本主義制度を東欧に導入したことによる、社会の破滅的な結末については一切触れなかった。資本主義化は、東ドイツ産業の大規模な解体と大量失業をもたらし、旧ソ連では、かつて戦乱に見舞われた国々でしかみられなかったほど平均寿命が短くなった。オバマの演説は、アメリカ合州国やヨーロッパの先進工業諸国で何百万人もの人々が直面している社会危機も、世界を新たな大恐慌に陥れようとしているアメリカの金融崩壊も、無視していることも注目に値する。

演説は、同時に複数の聴衆を説得するよう巧みに構成されていた。ドイツとヨーロッパ国民には、発言の中に、異なる文化の団結と、第三世界の貧困や地球温暖化と戦う努力についての曖昧な呼びかけを散りばめた。ドイツとヨーロッパのブルジョアジーには、より親密な協力関係を提案し、アフガニスタンや、他の国におけるアメリカの新植民地主義的な冒険的企てを、ヨーロッパが救ってくれれば、見返りとして、戦利品の大きな分け前が期待できるとほのめかした。

アメリカの支配エリートに対しては、オバマは大統領として、多国間よりの姿勢をとり、欧米の同盟を強化しながら、アメリカ帝国主義の世界的覇権という狙いを押し進める決意を保証した。

ドイツのあらゆる政治党派がオバマの演説を絶賛した。キリスト民主党、キリスト教社会同盟、自由民主党、社会民主党、緑の党や左翼党の指導者たち全員が満足の意を表した。

ドイツとヨーロッパのブルジョアは、概してブッシュ時代の終焉を歓迎し、オバマが大統領になれば、自らの帝国主義的な狙いを追求する機会が増えると見ている。オランダの新聞デ・フォルクスクラントは、オバマのドイツ訪問について、こう書いている。

「近年アメリカは、アフガニスタンやイラクで、またイスラエル-パレスチナ問題や、イランとのウラン論争のような他の国際問題で、力の限界を認めざるをえなくなった。アンゲラ・メルケルやニコラ・サルコジが、国際外交の上で、ますます重要な役割をにないつつある。9月11日以後に、明らかになり、今益々明らかになりつつあることは、冷戦終結以来、アメリカが、主要なあるいは唯一の代表である普遍的価値以外のものは世界に存在しないということだ....アメリカは古くからのNATO同盟国を再び必要としている。」

下記も参照のこと:

What accounts for Europe’s love affair with Obama?(翻訳:ヨーロッパがオバマに夢中になっている理由は何か?

[2008年7月24日]

本記事原文URLアドレス:www.wsws.org/articles/2008/jul2008/berl-j26.shtml

2008年7月26日 (土)

オバマの立候補とアフガニスタンに関する新たな合意

James Cogan

2008年7月21日

週末、アフガニスタン訪問時のバラク・オバマ発言は、大統領選に向けた彼の政治活動が、中東と中央アジアにおけるアメリカ政策の変更を主張している、アメリカ支配層エリートのかなりの部分を代弁するものであることを証明している。軍国主義から何らかの撤退を提案するどころではなく、イラク内の兵員数の迅速な削減と、イランとの緊張関係の軽減をオバマが主張しているのは、単に、アフガニスタンにおけるアメリカ軍作戦の大規模エスカレーションを容易にし、場合によっては、パキスタン国内にまで拡張したいからに他ならない。

昨日CBSのララ・ローガンとの長いインタビューの中で、オバマはアフガニスタンの状況は「危うく、急を要する」と語った。グローバルなテロリストのネットワークは、この地域に「聖域」をもっており、麻薬貿易で稼いでいるのだと彼は言い立てた。「[イラク侵略]によって、アルカイダとタリバンを追跡して捕らえるという努力が逸らされてしまったことに、いかなる疑念もないと思う...」と彼は明言した。

オバマはローガンにこう語った。「イラクからアメリカ軍戦闘部隊の一部を撤退させ、その兵力をアフガニスタンに配備すべき時期だという広範な合意ができつつあります。この機会を逃してはならないと考えています。今こそ、そうすべき時です... もしも次の政権まで待てば、こうした追加兵力をアフガニスタンに投入できるのが更に一年先になります。それは間違えだろうと思います。我々は今何かを始めなければならないほど緊急を要する状態だと思います。」

アフガニスタンにおける兵力増強と、反米過激派に対する、パキスタン国内での介入度を高めるという呼びかけを、オバマは繰り返した。「私が申し上げているのは、もしも我々が、アルカイダ高位メンバーという標的に関する意思決定に必要な情報が得られれば、そして、パキスタン政府が、そうした標的を追い込むのを嫌がるのであれば、アメリカが追いかけなければならないということです」と彼は述べた。対外支援を増強し、パキスタン軍によってゲリラ・キャンプを追い込むよう「パキスタンに強力な圧力をかける」と述べ、国境を越えて一方的に攻撃をする用意があるとも明言した。

イラクに関しては、イリノイ出身の上院議員は、イラク政府は十二月以降のアメリカ軍駐留を規定する、現在交渉中の条約に、アメリカ軍撤退の日程が含まれるべきと考えているという、ヌリ・アル・マリキ首相の発言をまたもや強調した。オバマは明言した。「『我々は資源の投入先を変更する。アメリカは、アフガニスタンに、旅団を更に二団投入する予定だ。パキスタンに対するアメリカの対外援助を、進んで増強するつもりだ』と発言するのは、今こそが完璧な時期です」

オバマのコメントは、彼を「反戦」候補として描きだそうというひどい誤魔化しの企みを強調するものだ。というよりむしろ、イラク戦争は犠牲の大きな戦略的大失態だったと考えている、アメリカの政治・軍事支配層を彼は代弁しているのだ。イラク戦争は、軍隊のかなりの部分を釘付けにし、膨大な資源を費やし、アメリカ国内においては、はなはだしい社会的な断絶を、世界では、アメリカ軍国主義に対する広範な敵意を引き起こしている。

二月、WSWSは、「バラク・オバマ、二つの顔」(原文)という記事で、億万長者ウォーレン・バフェットや元連邦準備制度理事会議長ポール・ボルカーといった企業の大物たちによるオバマ支持について触れた。そこで我々はこう書いた。「引き続く経済危機と高まる社会的緊張によってもたらされている危機と立ち向かうのに、アメリカ最初のアフリカ系アメリカ人大統領となるであろうオバマが最適だと連中が考えているのは確実だ。全て挙国一致と「改革」という名の下で、労働者階級に更に多くの犠牲を要求するのに都合がいい」と同時に、世界に対して新鮮な顔を見せることができ、彼等は、それでアメリカ帝国主義を、ブッシュ政権の遺産である、海外政策の壊滅と、世界的な孤立化の深化から救い出してくれるのではないかと願っているのだ。」

これがまさに、イラクとアフガニスタンの戦争に対するオバマの処方箋の内容だ。アメリカの戦争装置の大きな部分が、イラク占領で身動きがとれなくなっている一方、アメリカ経済とアフガニスタンと中央アジアにおける戦略的野望は、深刻な挫折を味わった。南部アフガニスタンや、パキスタン国境諸州のパシュトゥーン族の中のゲリラたちは、アメリカ/NATO軍やハミド・カルザイ大統領の親占領軍政府に対してのみならず、この地域において、長らくアメリカの極めて重要な同盟国であるパキスタン政府に対してまで、大規模なゲリラ戦争を展開している。パキスタンは、事実上、国境地帯に対する支配力を失っている。

アメリカの支配層の懸念を示すように、タイムズ誌の最新号は、「アフガニスタン-正しい戦争」という見出しのついた表紙だ。同誌は、オバマと共和党のライバル、ジョン・ マケイン両者による、追加兵力投入という主張を目玉にしている。

アフガニスタンの軍事的な状況は、今夏急激に悪化した。占領軍に対する攻撃の数は40パーセント以上増加し、死傷者数は急増している。戦闘激化と、アメリカとNATO軍司令官の必死な状況の指標となるのは、アメリカの飛行機から投下した爆弾の数だ。六月には、646発の爆弾が投下された。この合計は、ほぼ7年間の戦争中、二番目の多さだ。2008年前半には、1,853発の爆弾とミサイルが使われたが、これは昨年の同時期より40パーセントも多い。アナリストたちは、あからさまに、アフガニスタン戦争は10年から20年続くと語っている。

アメリカ統合参謀本部議長マイケル・マレン海軍大将は、アフガニスタンで、更に戦闘旅団が三つも必要だと述べたが、中東における兵員数のおかげで、送るべき旅団がないことを認めたのだ。

ヨーロッパのアメリカ同盟諸国は、アフガニスタンにもっと多くの兵力を派遣しろというアメリカの要求を拒み続けてきた。主な要素の一つは、違法で残虐なイラク侵略の結果、ブッシュ政権に対する敵意が広まっていることに対するヨーロッパ政府の恐れだ。オバマは今週フランス、ドイツとイギリスを訪問する予定だが、選挙キャンペーンでの幻想と空頼みを活用し、アフガニスタン戦争の正統性に関する大衆扇動によって、こうした敵意を克服しようとするだろうことは疑うべくもない。

アフガニスタンにおける軍事状況が悪化している中、ブッシュ政権内部や周辺の勢力による、イランの核施設に対するアメリカまたはイスラエルの軍事攻撃という主張は、オバマ陣営からも、より広範な部分からも、全くの大惨事への処方箋だと見なされている。

軍 対イラン戦争は、アメリカのイラク占領を安定化しようという努力や、兵力のアフガニスタンへの再配備を損なうというあからさまな懸念が、軍内部では表明されている。イランによるゲリラに対する支援に関するアメリカの非難にもかかわらず、多数派シーア派人口の中の、より過激な部分に対処すべく、アメリカが支援するバグダッド政府を支えるため、テヘランは繰り返し介入してきた。今年、占領に反対する聖職者ムクタダ・アル-サドルのマフディ軍団民兵を、マリキ政府とアメリカ軍が、壊滅的に叩きのめす能力を付ける上で、イランの圧力は極めて需要な要素だった。

更に、アメリカの指導的な司令官たちは、対イランの全面的戦争を行う能力に疑念を呈している。マレン海軍大将はフォックス・ニューズでこう語った。「私は非常に懸念しています... これについて以前質問された際に申し上げました。私は現在二つの戦争を同時に戦っており、三つ目の戦争などいりません... それは、アメリカ国内にそのための予備軍がないためではありません。予備軍はあります。私が懸念しているのは、あの地域の不安定さです... あり得る攻撃による意図しない結果が、実際、地域全体にどのような影響を与え、一体どうなるのか、そしてそれを封じ込めるため、我々がとらねばならない行動が何なのか、正確に予測するのは困難です。」

イランに対するアメリカあるいはイスラエルの侵略に関する最近の話し合いの、一つの明らかな結果は、それが石油価格の急激な上昇と世界的なインフレ圧力に貢献してしまうということだ。既に1930年代以来、最も厳しい経済危機に直面している、アメリカの企業エリートは、対イラン戦争の結果として、石油価格が一バレル200ドル以上にあがって欲しいとは決して望んでいない。

ブッシュ政権は、オバマや彼の支援者たちが主張する政策変更に、明らかに適応しつつある。イランとの緊張関係は多少緩和され、テヘランに核燃料濃縮施設を閉鎖させるというアメリカの要求を実現させることについての、外交の重要さがよみがえった。週末の国連安全保障理事会の核問題をめぐる会議で、五カ国の常任理事国と、ドイツとイランを含めたものにアメリカの上級外交官ウイリアム・バーンズが参加した。アメリカがそのような会議に参加したのは初めてのことだ。

イラクについて、ホワイト・ハウスは金曜日に、「イラクからの更なるアメリカ戦闘部隊の削減」に関する「予定時期概略」というマリキの要求に合意する用意があると発表した。アメリカ軍司令官デビッド・ペトレイアス将軍は、年末前にアフガニスタンに「増派」するため、兵士を使えるようにすべく、9月までに三旅団を撤退させる可能性を検討中だと言われている。現在策定されつつある条約が暗に含んでいるのは、何万人ものアメリカ兵士がアメリカ軍が過去五年間、イラクに建設した主要な基地を占拠して、イラクに無期限に駐留するということだ。

これに続き、イラク政府は、石油契約は、アメリカや他国の大手エネルギー・コングロマリットに引き継がれると発表した。イラクにおける兵力削減は、言い換えれば、侵略の主要目的の一つである、この国の膨大なエネルギー資源を掌握するということが、まさに実現されつつある過程にあることを示す徴候に習ったものだ。

オバマの大統領候補という立場は、彼が究極的に成功しようと、すまいとにかかわらず、海外政策を変更するために、こうして活用されている。予備選挙と政党支部幹部会議の間、オバマは現状に反対する草の根運動の指導者なのだという大義名分で、何百万人もの人々が動員された。オバマは指名を獲得するやいなや、共和党右派の政策を奉じて、右への急旋回を始めた。誰が大統領選に勝とうと、戦争が続くことはもはや明らかだ。

またしても、アメリカの選挙は、政府の軍国主義的政策に対する発言の機会、あるいは、軍国主義的政策を終わらせる能力を、アメリカ人から奪い取るよう仕組まれているのだ。アフガニスタンでの新植民地戦争をエスカレートさせるという決定は既になされており、「テロリストの脅威」に関する更に一層のプロパガンダによって正当化されている。その結果、更に何千人もの命が失われ、何十億ドルもの資源が浪費されることになろう。

下記も参照:

Obama outlines policy of endless warオバマ、果てし無き戦争政策の概要を説明

[2008年7月16日]

Obama joins Senate vote to legitimize Bush's domestic spying operation

[2008年7月10日]

Obama's swing to right sparks warnings from “left” backers

[2008年7月9日]

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2008/jul2008/bara-j21.shtml

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東奥日報には、三沢基地から、F16がタリバン爆撃という記事がある。

NATO、コソボ、アフガニスタンとパキスタン: NATOはアフガニスタンで一体何をしているのか?」は、米日戦争協力条約(日米安全保障条約という偽名だが)で米日は何をしようとしているのか、と読み替える必要があるだろう。

 

2008年7月20日 (日)

オバマ、果てし無き戦争政策の概要を説明

Bill Van Auken

Global Research、2008年7月18日

バラク・オバマが、2008年大統領選挙に「反戦」候補として出馬している、といういかなる誤解も、火曜日の民主党大統領選挙キャンペーンで、国家安全保障とアメリカのイラク戦争についての「重要な演説」だと喧伝されたものの中で、はっきりしたに違いない。

ワシントン、レーガン・ビルディングの密集したアメリカ国旗の背景幕の前で演説し、新植民地主義や侵略戦争に対する何らかの原則に基づく反対からではなく、イラク戦争では、武力展開の失敗のため、アメリカ帝国主義のグローバルな戦略的利益を推進し損ねているという理由から、現在のアメリカのイラク政策に反対していることをオバマは明らかにした。

イリノイ出身の初年上院議員の演説から浮かび上がるのは、11月の選挙は、アメリカ人にとって、戦争に反対の投票をする機会とはならず、単にアメリカ軍が今戦っている二つの植民地型戦争のどちらをエスカレートすべきかの選択になるということだ。

月曜日ニューヨーク・タイムズに掲載された彼についての社説にあったように、火曜日 イラクからのアメリカ戦闘部隊撤退させるという提案は、10,000人もの兵をアフガニスタンに派遣し、現地での戦闘をエスカレートさせる提案とい提案と結びついている。

オバマ演説が痛撃したのは、帝国主義戦略を遂行する上でのブッシュ政権の無能さ批判で、更に、自分がホワイト・ハウスに入ったなら、同じ基本戦略を、より合理的かつ効果的な方法で進めるという暗黙の約束も含まれていた。

彼は政策をこう要約した。「政治的解決にむけて、イラクの指導者たちに圧力をかけ、アメリカ軍を再建し、アフガニスタンと、アメリカのより広範な安全保障関係とに、焦点を合わせなおす、信頼のおけるアメリカ戦闘部隊の再配備である。」

オバマは、就任から16カ月以内にアメリカの「戦闘部隊」をイラクから撤退させるという選挙キャンペーンの約束を繰り返した。ただし、この「配置転換」後も、「残りの兵力」は、対ゲリラ作戦を遂行しながら、アメリカの施設を守り、イラク傀儡軍を訓練、支援し、イラクに残るのだ。疑うべくもなく、この国を無限に占領する何万人ものアメリカ兵が駐留するという課題だ。

オバマは、「現地の司令官たちやイラク政府」との相談に基づいて、自分の計画の「戦術的調整」をするつもりだと強調し、提案している部分的撤退すら、約束したほど迅速には実施される可能性がないことを示唆した。

演説は、オバマが翌週に予定している、イラクとアフガニスタン両国を訪問し、両国にいるアメリカ軍司令官達と会談する「事実調査」出張前になるように計画された。

第二次世界大戦の余波の中、「国連やNATOや世界銀行」等の新たな国際機関を設立し、荒廃したヨーロッパの資本主義を、マーシャル・プランを通して再建するためにアメリカが活動したという、アメリカ帝国主義戦略の遺産を思い起こさせて、オバマは演説を始めた。彼は、60年間にわたる政策を、ワシントンが、2001年9月11日テロ攻撃の後、再びグローバルな指導力を握る為の機会を無駄にしてしまったと考えていることに対比した。

「世界も、また、この邪悪な行為の犯人たちに対し、古くからの同盟諸国も、新たな友人たちも、更には長らく敵対していた国々さえも、団結し、アメリカの側に立った」とオバマは語った。「今一度、アメリカの力と道徳的説得を生かすべき時でした。変化し続ける世界のために、今一度、新たな安全保障戦略を形作るべき時なのです。」

この千載一遇の好機を活用するための原点は、オバマによれば、「アメリカ軍の全力を配備し、9/11に関与した、オサマ・ビン・ラディンや、アルカイダや、タリバンや、全てのテロリストを追い詰めて壊滅させ、一方、アフガニスタンにおける本当の治安を確保する」ことなのだ。

ブッシュ政権は、そうではなく、こうした軍事資源を「9/11攻撃とは全く何の関係もなかった国」イラクに対する戦争に振り向けた、と彼は非難した。彼は続けて言った。「どう考えても、ひたすらイラクだけに、無制限に集中していることは、アメリカを安全に保つための健全な戦略とは言い難い。」

この説明は、アフガニスタン戦争と、イラク戦争の両方の背景となった動機の全く意図的な歪曲だ。いずれも「アメリカを安全に保つ」という目的で始められたものではなく、アメリカ帝国主義の明確な戦略的利益を促進させるためだった。

9/11の攻撃のずっと前から計画されていた、アフガニスタン戦争の中心的な狙いは、ソ連崩壊によって生じた、中央アジアにおける権力の真空状態を利用し、石油と天然ガス資源の世界で二番目の埋蔵量を持つ、この地域におけるアメリカの支配を確保することだった。

この作戦の標的だとされた、オサマ・ビン・ラディン、アルカイダや、タリバンについて言えば、これらはいずれも、最終的分析としては、アメリカ帝国主義自身のこの地域への介入という血まみれの歴史の産物だ。とりわけ1980年代、ソ連が介入した時に、ソ連が支援したアフガニスタン政府とソ連軍と戦うムジヒディン勢力に対し、ワシントンは何百万ドルも資金援助をおこなった時の産物だ。そうした勢力の中に、ビン・ラディンや、アルカイダとタリバンを立ち上げた連中がいたのだ。

CIAが指揮したこの戦争の遺産が、アフガニスタンの荒廃と、ワシントンが、タリバンが権力につくのを支援して、食い止めようとした長引く政治的混沌なのだ。

アメリカがアフガニスタンを侵略してほぼ7年になる今、「大統領として、アルカイダやタリバンに対する戦闘を、しかるべく最優先課題にする。これは我々が勝利しなければならない戦争だ。」とオバマは宣言している。

その目的のため、「更に二つの戦闘旅団をアフガニスタンに」派兵し、ワシントンと同盟するNATO軍に、彼ら自身の兵士を展開する上で、より制限の少ない「大いなる貢献」をさせるよう圧力をかけるとオバマは明言した。

アフガニスタンでの介入を、隣国のパキスタンにも拡大すると彼は続けて明言した。

    「安全保障に対する最大の脅威は、パキスタンの部族地帯にあり、そこでテロリストを訓練し、ゲリラたちがアフガニスタンに出撃している」と彼は警告した。「我々はテロリストの聖域など許せない。大統領として、私は許さない。我々は、アフガニスタン、パキスタンとNATOとの間のより強い、継続的な同盟関係を維持し、国境を確保し、テロリストのキャンプを排除し、国境を越えるゲリラには断固たる処置をとる。アフガニスタン国境地帯に、我々はより多くの兵士、より多くのヘリコプター、より多くの衛星、より多くのプレデーター無人機が必要だ。そして、もしも、パキスタンが行動できない、あるいは、行動しようとしないのであれば、我々はビン・ラディンのような高い階級のテロリスト標的を見つけ出し次第、排除するつもりであることをはっきり言わねばならない。」

アメリカ軍がアフガニスタンでアルカイダと戦闘しているという証拠も、アメリカ人やNATO諸国軍を攻撃している連中の大半が、タリバンの残滓が発布した命令に従っているという証拠も全く無い。5月と6月に69人のアメリカとNATO兵士が死亡した激化した戦闘で、アルカイダの工作員を捕獲したという報告を、ペンタゴンはしていない。

7月6日のアメリカ軍の空爆で、結婚式出席者47人が死亡したが、彼らのほとんど大半が女性と子供であったことにみられるような民間人虐殺をエスカレートした直接の結果として、アメリカが先導する占領に対する抵抗は劇的に増大しているのが現実だ。アメリカ軍部隊やアフガニスタン傀儡軍によって捕獲された人々の恣意的な拘留や頻繁な拷問や、アメリカが支援するハミド・カルザイ大統領の政権の全くの腐敗によっても、怒りは生み出されている。

アメリカ兵9名が死亡したとされる先週日曜日の米軍基地攻撃では、現地の村人達が参加し、攻撃を実施したゲリラに対し、直接の支援を行ったとされている。

「より多くの兵士、より多くのヘリコプター、より多くの衛星、より多くのプレデーター無人機」によって、オバマはこの虐殺をエスカレートすることを提案しているのだ。それにより、更に大きな抵抗をもたらし、更に多くのアメリカ兵士を巻き込む戦争は拡大し、必然的に、アメリカ兵士は国境を越えて、パキスタンにも配備されることになる。

イラクにおける戦争より更にはるかに激しいことが判明した戦争に対し、アメリカ軍を増強するとオバマは明言した。65,000人の兵士と27,000人の海兵隊員による、アメリカ地上軍の全体的な増加と、「正規軍を打ち破り、現代の不正規戦に対応するのに必要な能力に投資する」ことを彼は主張した。

オバマの演説に対するマスコミの反応のほとんどが、これは、民主党基盤に対し、彼がイラクからのアメリカ軍撤退を実現する約束を変えずにいることを請け負うことを狙ったものなのか、あるいは、これが、アメリカ全軍最高司令官として、軍隊を進んで使うことを強調した、更に「中道への移行」なのか、という憶測を中心とするものだ。

実際は、演説は民主党も共和党も一様に含め、大半のアメリカ政治的支配層内部で、合意事項となっていることを反映したものだ。アメリカは、イラクでのアメリカの戦略的利益を、より少ない兵力で、アメリカ資本主義の深化しつつある経済危機を悪化させている経費を月100億ドル以上は使わずに、確保することが可能だという確信が強まりつつある。

このメッセージを強調するために、火曜日、オバマは、アメリカ軍の刷新と、アメリカのイラク介入を救援することを目指した外交政策を主張したイラク・スタディー・グループという超党派パネルで、共和党員の元国務長官ジェームズ・ベーカーと共に議長をした元民主党下院議員リー・ハミルトンに紹介された。

ロバート・ゲーツ国防長官と統合参謀本部議長と、マイケル・マレン海軍大将、いずれもが、アフガニスタンには、アメリカが同国の支配を確保するのに不十分なレベルの兵力しかいない懸念を表明している。二人は、当国に更に10,000人を配備したいと語った。オバマが提案したのと同じ人数だ。

ブッシュさえもが、火曜日朝のホワイト・ハウス記者会見で、ワシントンとNATO同盟諸国は、既にアフガニスタンでの「増派」を始めていると主張し、このテーマを語った。

右側への移行を示す演説について言えば、現実には、オバマは大統領選挙出馬以来、同じテーマを繰り返してきたのだ。民主党プライマリーでは、彼は、主要なライバルのヒラリー・クリントンやジョン・エドワーズが支持した決議である、ブッシュにイラク戦争を始める権限を認める2002年の上院議員投票には反対であることを強調しながらも、イラクとアフガニスタン侵略の両方を正当化するのに使われる「グローバル対テロ戦争」というイデオロギー的な枠組みを受け入れていることを、常に明らかにしてきた。

この立場や、2005年上院に加わるやいなや、戦争に資金供給することに賛成投票したことを考えれば、彼が当時アメリカ上院議員であったなら、ライバルたちと一緒になって、ブッシュにイラク侵略をするための無制限の権限を与える投票をしていただろうと思えない理由はほとんど無い。

フォーリン・アフェアーズ誌に一年前に書いた記事で、イラクでの大混乱の教訓で学んだことは、新たなアメリカの戦争に備える必要性だとオバマは強調している。「我々は、この瞬間を、我々の軍を再建し、軍には未来の任務に備えさせるために使わねばならない」と彼は強調していた。「我々は、わが国や我々の重大な利益に対するあらゆる通常の脅威を迅速に打ち破る能力を保持しなければならない。しかし我々は、非対称的に戦闘し、地球的規模できわめて適応的な軍事作戦を展開する敵と戦うために、現地に兵力を投入するよう、良く準備するようにしなければならない。」

オバマの「左派」擁護者たちが、候補者演説の中の、あけすけな軍国主義や戦争挑発を、「中道派」投票者を獲得することを狙った単なる政治的な道具だとして許すのは明白だが、現実には、候補者は、2009年に実現する民主党政権が期待していることを説明しているのに過ぎない。

政策は、オバマのおはこであった「変化」などという虚ろな政治キャンペーンの修辞によって決められるものなどではなく、深化しつつある、アメリカ資本主義の経済的、社会的危機と、アメリカの経済的衰退を相殺する手段として軍事力を活用し続けるという、アメリカを支配しているエリートの決意によって決まるのだ。

ビル・ヴァン・オーケンによるGlobal Research記事


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記事原文のurl:www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=9616


免責条項:この記事の意見は著書独自のものであり、必ずしもCentre for Research on Globalizationの意見を反映するものではありません。

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補足:Wikipediaからの抜粋

ビル・ヴァン・オーケンは、Socialist Equality Partyの政治家、活動家。

Socialist Equality Partyは、アメリカの小さなトロツキスト政治政党で、International Committe of the Fourth International系の世界各地の数少ないSocialist Equality Partyの一つ。

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彼による記事の翻訳に下記がある。

バラク・オバマ、二つの顔

また、彼の記事ではないが、同じテーマについて書かれた記事に下記がある。

オバマの立候補とアフガニスタンに関する新たな合意

同様に、彼の記事ではないが、アフガニスタンへの(話題の日本から云々も含め)軍隊派兵という世界的な先進資本主義大国の動きの背後にふれている記事として、下記がある。

NATO、コソボ、アフガニスタンとパキスタン: NATOはアフガニスタンで一体何をしているのか?

2008年6月19日 (木)

オバマは本格的な民主党拡張主義者

ジョン・ピルジャー

2008年6月12日

New Statesman

私の記憶にある限り、全てのアメリカ大統領選挙運動を巡って、本当にわくわくする歴史的瞬間がでっちあげられて来ており、超大規模なたわごととしか言えないものをもたらしている。

1941年、編集者のエドワード・ドゥリングはこう書いた。「アメリカ合州国における、デモクラシーにとって、最大の障害は二つあり、一つ目は、多くの貧しい人々が、我々がデモクラシーを享受しているという幻想を抱いていること、二つ目は、金持ちたちの間にある、我々にデモクラシーを手に入れられては困るという慢性的な恐怖だ」。何がかわったのだろう? 金持ちたちに慢性的な恐怖は、かつてない程大きく、貧しい人々は、ジョージ・W・ブッシュが来年一月にようやく辞任さえすれば、彼が人類に与えている無数の脅威は減少すると信じる人々に、幻想をまかせてしまっている。

予想通りのバラク・オバマ指名は、興奮してしゃべりたてる解説者によれば「アメリカ史上、本当にわくわくする歴史的瞬間」だというが、それは新たな幻想の産物に過ぎない。実際、新しく見える、というだけに過ぎない。私の記憶にある限り、全てのアメリカ大統領選挙運動を巡って、「本当にわくわくする歴史的瞬間」がでっちあげられて来ており、超大規模なたわごととしか言えないものをもたらしている。人種、ジェンダー、容貌、身ぶり、配偶者や子供、はたまた壮大な悲劇の爆発に至るまで、今や「バーチャル」技術によって強化されたマーケティングと「イメージ造り」によって、全てがすっかりとりこまれている。非民主的な選挙人団制度のおかげで(あるいは、ブッシュの場合には、改竄された投票装置のおかげで)システムを支配し、それに服従する連中だけが勝てるのだ。高ぶらない大衆の味方だと言われていたリベラルな民主党議員で、やがては二つの都市を原子爆弾で消滅させて、どれほどタフなのかを示してくれたハリー・トルーマンの、本当に歴史的でわくわくする勝利以来、ずっとそうだ。

本質的には変わっていない権力システムの要求を理解しない限り、オバマを有望なアメリカ大統領になりそうな人物として理解することは不可能だ。実際は、偉大なるマスコミのゲームなのだ。たとえば、私がこのページでオバマをロバート・ケネディと比較して以来、彼は二つの重要な発言をした。これらが意味するところも、祝典を汚すことは許されなかった。一つ目は、イアン・ウイリアムズが指摘したように、「自分のウェブサイトに、彼らの威力について引用するだけで、反ユダヤ主義として非難される」シオニスト・ロビー、アメリカ・イスラエル公共問題委員会 (Aipac)の会議におけるものだ。オバマは既に卑屈な態度を示してはいたが、6月4日には更に踏み込んだ。彼はイスラエルの首都として「分割されないエルサレム」を支持すると約束したのだ。エルサレムは国際都市であると指定する国連決議を認めているブッシュ政権を含め、イスラエルがエルサレム全体を併合することを支持する政府など、世界に存在しない。

二つ目の発言は、ほとんど無視されているが、5月23日にマイアミで行われたものだ。長年にわたり、アメリカの政権のために忠実に、テロリスト、暗殺者や麻薬密売人を生み出してきた在米キューバ人コミュニティーの前で演説しながら、毎年、国連からは違法と宣言されている、キューバに対する47年間も続いてきた禁輸を継続する、とオバマは約束した。

またもや、オバマはブッシュより踏み込んだ。彼はアメリカ合州国が「中南米を失った」と言ったのだ。彼は民主的に選出されたベネズエラ、ボリビアとニカラグアの政府を、満たすべき「真空」だと表現した。中南米に対するイランの影響などという戯言を彼は持ち出し、コロンビアが「国境を越えて安全な隠れ場を求めるテロリストを攻撃する権利」を是認した。これは言い換えれば、大統領や指導的な政治家たちが殺し屋集団とつながっている政権が、ワシントンになりかわって隣国に侵略する「権利」のことだ。彼はさらに、いわゆるメリダ・イニシアチブを是認したが、これはアムネスティ・インターナショナル等が、アメリカはメキシコに「コロンビア式解決策」を持ち込もうとしていると糾弾しているものだ。彼の発言はそこで止まらなかった。「我々は更に南方へと同様に押し進まねばなりません」と彼は言ったのだ。ブッシュでさえ、そこまでは言っていない。

希望的観測をする人々も、政治的に成長して、自分たちがそうなって欲しいと願っているものとしてでなく、大国の実態そのものについて論議すべき時だ。過去と現在の、あらゆる真剣な大統領候補者たちと同様、オバマはタカ派で領土拡張論者だ。トルーマン、ケネディ、ジョンソン、カーターやクリントンらの大統領たちが戦争をけしかけたことで示されている民主党の伝統を、彼は受け継いでいるのだ。オバマの違いは、どれだけ自分がタフなのかを示す必要性を、より強く感じているということかも知れない。彼の肌の色が、どれだけ多数の人種差別主義者や、支持者を惹きつけようが、偉大なる権力争いには無関係だ。「アメリカ史上、本当にわくわくする歴史的瞬間」は、こうしたゲームそのものが問題にされるようになった時にこそ始めておきるだろう。

記事原文のurl:www.newstatesman.com/media/2008/06/pilger-obama-truly-bush

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関連翻訳記事:

バラク・オバマ、二つの顔

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名著「アメリカ・インディアン悲史」の著者で、「闇の奥」の翻訳や、「闇の奥」の研究書も書かれている藤永茂さんのweb「私の闇の奥」記事、「オバマ氏の正体みたり(1)」「オバマ氏の正体みたり(2)」「オバマ氏の正体みたり(3)」「オバマ氏の正体みたり(4)」を、是非お読みください。

それこそ、マスコミ解説記事では決して読めない、聞けない、深い洞察に満ちています。

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2008年2月19日 (火)

バラク・オバマ、二つの顔

ビル・ヴァン・オーケン

Global Research、2008年2月14日
wsws.org

バージニア州とメリーランド、ワシントン、D.C.で行われた火曜日の「ポトマック予備選挙」勝利の晩、満員のウィスコンシン大学講堂に登場して、イリノイ州選出上院議員で民主党の大統領候補バラク・オバマは演説を行ったが、イラク戦争のみならずアメリカの社会情勢についての大衆扇動は注目にあたいするものだった。

ウィスコンシン集会は、火曜日の予備選挙の晩、メリーランド大学で20,000人、そしてバージニア・ビーチで17,000人だったが、そうした多数の聴衆、主として若い人々を惹きつけた一連のキャンペーン催事最後のものだったが、そこでオバマは、より「左よりな」顔をして見せた。

イリノイ州選出上院議員は、煽動者の本能を持っていて、聴衆に聞きたがっていることを語ろうとするもののようだ。ウィスコンシンで、彼はエクソンの記録的な利益を、「ガソリン・スタンドでの価格」上昇と結びつけ、熱烈な喝采を巻き起こした。「仕事を海外に出してしまい、両親たちに最低賃金で、十代の若者とウォール・マートで競うよう強いている。」貿易協定について語り、更に「ウオール・ストリートだけではなく、メイン・ストリートにも耳を傾ける大統領、楽な時のみならず、困難な時にも、労働者たちを支持する大統領」になると彼は公約した。

イラク問題に転じ、「アメリカ兵は、決して是認されるべきではなく、決して始められるべきではなかった戦争で戦うよう、何回もの服務期間、派兵されている」と彼は言明し、「9/11を使って有権者を脅かす」連中をあざ笑った。

続けて、平均的アメリカ人が直面している悪化する社会的条件の例を挙げた。「夜明け前に仕事に出かけ、夜中に一体どうやって生活費を支払い続けようか思案する父親」、「昼間大学の後、夜勤で働いても病気の妹の医療費が支払えないと語ってくれた女性」、「人生を捧げた会社が倒産し、年金がなくなってしまった」退職者、そして「生活の収支を合わせるために、授業を終えた後、ダンキン・ドーナッツで働く教師」

勤労者の減税、医療保険改革、賃金増加と「CEOのボーナスではなく、年金を守る」政府という約束で彼は答えた。

マーチン・ルーサー・キングの雄弁を真似て、「我々の夢は延期されることはない、我々の未来は拒否されることはない、そして我々の変化の為の時はやって来た」という誓約で演説を締めくくった。

こうした演説の中には、民主党の権力層や、同党が代表している大企業を躊躇させるように見える要素がある。オバマの美辞麗句の旅は、危険な領域に入りつつあるものとも見える。結局、民主党は、ブッシュ政権の海外での戦争、国内での反動という政策にとって、必要不可欠のパートナーとして機能してきたのだ。

しかしこの大衆向けの予備選挙用美辞麗句は、オバマの一面でしかない。彼にはもう一つの顔があり、それは、彼のキャンペーンに何千万ドルも注ぎ込んでいる、彼が表向きには批判している、まさに大企業の利益そのものの方を向いている。

ポトマック予備選挙の翌日、ビジネス・ウイークは「企業はオバマを期待できるか?」という題の特別レポートを掲載した。記事はこの質問に対する直接の回答にはなっていないが、経済誌の姿勢から見て、「イエス」と判断されたように見える。主として、このイリノイ選出上院議員が、公的には「変化」を訴えながら、ウオール街や大企業インサイダー幹部と行ってきた私的会談に基づいて。

そこで、ビジネス・ウイークは書いている。先週日曜日、メイン州民主党党員集会での自分の勝利を知ってから、オバマはコンピューターの前に座って、UBSアメリカのCEOで、オバマの重要なウオール街の「寄付金まとめ役」で、オバマが「運動」と呼んでいるものへの資金として、仲間の億万長者たちから何百万ドルもの寄付をもたらした功績の主、ロバート・ウルフと電子メールをやり取りしたのだと。Center for Responsive Politicsの推計によると、昨年オバマ・キャンペーンで集められた資金の80パーセントは、企業関連の援助資金供与者からのものであり、中でもウオール街からのものが群を抜いている。資金の半分以上が、2,300ドルあるいはそれ以上の額面の寄付という形だ。

オバマは、ウルフに加え、アメリカで二番目に金持ちの人物で、およそ520億ドルの資産をもつウォーレン・バフェットとも、常に連絡をとっている。彼の経済顧問には、シカゴ大学教授で、自由市場政策の著名な支持者である、オースタン・グールズビーがいる。

ボルカーの推薦

おそらく最も重要のは、ほとんど報道はされなかったが先月の、1979年、民主党のジミー・カーター大統領によって連邦準備制度理事会議長に任命され、ロナルド・レーガン右派共和党政権の元でほぼ7年間、アメリカ中央銀行責任者の立場にいた人物ポール・ボルカーによるオバマ推薦だろう。

ボルカーは、インフレーションとの戦いという名目で、金融資本の中枢部に要求された高金利政策を導入した責任者だ。彼の金融政策は、航空管制官の解雇とPATCOストライキ破りに始まった労働者階級に対する攻勢と、それに続く多くの基幹産業の閉鎖や、1930年代の大恐慌以来最悪の不況発生と表裏一体だ。こうした政策の究極的効果は、労働者大衆から少数の金融エリートへの、膨大な富の移転であり、そうした過程は今日に至るまで続いている。

オバマ支持を宣言する声明の中で、ボルカーは、これまでは党利党略を事とする政治に関与することを避けてきたと語った。「現在の市場の混乱」のためではなく、「わが国が国内と海外で直面する課題の幅広さと深さ」ゆえに、今介入しようと動いているのだと彼は語った。「こうした課題には、新たな指導力と新鮮な手法が必要だ」と彼は付け加え、オバマの指導力なら「世界中で、アメリカのビジョン、アメリカの力、そしてアメリカの目標に対して必要な確信を回復させる」ことができるだろう、と彼は結論づけた。

右派評論家で元レーガン政権経済顧問のラリー・カドローは、今月早々、この推薦についてコメントし、かつてボルカーの演説原稿作成者として働いたことがあると語ってから、彼のことを「偉大なアメリカ人...第一級の保守派... 公正な財政、金融政策の人だ」と語った。

カドローは書いている。ボルカーが「思いつきでこの推薦をしたわけではないだろう。本当だ。こうした類の政治的判断に、彼はこれまで関与したことはないのだ。」「ボルカーは、新たなロバート・ルービン[クリントン政権の経済政策を指揮したウオール街のインサイダー]なのだろうか? ボルカー氏が、何らかの形でオバマを指導していることがあり得るだろうか? オバマが、財政の上で、これまでそう思われていたよりも保守的だということがあり得るのだろうか?」と疑問を提示して筆を結んでいる。

これが、オバマが演壇では左翼的言辞を弄すなかで、舞台裏で構築されている本当の関係なのだ。ボルカーたちは、このイリノイ選出上院議員のことを、勤労者大衆の生活条件を改善するのではなく、アメリカ金融資本の世界的な利害を確保することを狙った、大きな変化をもたらすのに、便利な手段と見なしている。

引き続く経済危機と高まる社会的緊張によってもたらされている危機と立ち向かうのに、アメリカ最初のアフリカ系アメリカ人大統領となるであろうオバマが最適だと連中が考えているのは確実だ。全て挙国一致と「改革」という名の下で、労働者階級に更に多くの犠牲を要求するのに都合がいい」同時に、世界に対して新鮮な顔を見せることができ、彼等は、それでアメリカ帝国主義を、ブッシュ政権の遺産である、海外政策の壊滅と、世界的な孤立化の深化から救い出してくれるのではないかと願っているのだ。

こうした企業との太い絆を考えれば、貧困や社会的不平等に立ち向かうというオバマのキャンペーンの美辞麗句には、ある種の政治不信と大衆扇動が含まれており、実に驚くべきものだ。ひっきりなしの彼の「変化」という呪文は、巨大企業やウオール街の利益に対して根本的に挑戦するような、いかなる徹底的な経済計画とも繋がってはいない。

逆に、オバマは保守的な財政政策を進め、「現金払い」手法をとることを誓い、債務と赤字を削減する必要性を強調している。過去最高に近い4000億ドルの赤字をブッシュ政権から引き継ぐことを考えれば、既に金融引き締め政策の方針は決まったようなものだ。

水曜日、候補者はウィスコンシン州、ジェーンズビルのゼネラル・モーターズ工場を訪問し、インフラストラクチャーと代替エネルギーに対する10年間で2100億ドルにのぼるであろう投資を含む、いわゆる就業計画を提唱した。アメリカ資本主義が直面している根本的な危機を前にしては、これは焼け石に水にもならず、この一滴でさえ、赤字削減の要求の前には、あっと言う間に蒸発する。

資本主義について語りたくない人々は、本来、貧困や失業の話題について語るべきではないのだ。社会生産力の私的所有と、それが生み出す途方もない社会的不平等に立ち向かうことなしに、このいずれにも、まじめに対応することは不可能だ。何億人ものアメリカ人のための就職口、生活水準、きちんとした住宅、医療や教育の権利の確保は、スーパー・リッチから、膨大な人数の勤労者への富の広範囲な再配布によってしか推進され得ない。

ウルフやバフェットやボルカーのような連中がオバマを支援しているのは、彼にはそういう政策を実行するつもりがないことを連中が知っているからだというのが明白だ。

戦争の問題については、オバマ・キャンペーンがアメリカ軍国主義を終わらせる方法だと期待している人々はひどく失望するだろう。このイリノイ選出議員は、推計年間7000億ドルを消費している膨れ上がったアメリカ軍事予算は削減せず、むしろ増加させると公約している。更に65,000人の陸軍兵士および27,000人の海兵隊員の新兵徴募を彼は求めている。ブッシュ政権が「先制攻撃戦争」を正当化するためにでっちあげた「対テロ戦争」という口実、すなわち中東と中央アジアの石油が豊富な地域において、アメリカの覇権を擁護することを狙った軍事侵略のために、更に多くの「地上軍」を置くと彼は公約している。

イラクそのものについては、何万人ものアメリカ兵や海兵隊員が、今後何年もの間イラク占領を継続し、イラク国民を抑圧することになる処方、つまり「アメリカの利益」を守るため、イラク駐留アメリカ軍を維持し、「対テロ作戦」を遂行するという彼の公約によって、戦争を終わらせるという彼の約束は、既に裏切られている。

オバマの雄弁は、人々の期待をかなり喚起するもののようだが、そうした期待は必然的に打ち砕かれるだろう。ほぼ確実に、予備選挙シーズンが終わればこれが起こり、オバマは、彼に計画を明確にするよう要求する、共和党右派および民主党自身内部の分子と直面するだろう。彼が11月にホワイト・ハウス入りするような場合には、国内、海外双方におけるアメリカの利益を守ることに専心する政権を率いることになる。

アメリカにおいて進歩的な社会変化を生じさせ、海外でのアメリカ軍国主義を終わらせる方法として、オバマ・キャンペーンを支持している人々は、民主党や、民主党が代表する大企業や財界の利害関係が、そのどちらも許さないことを知るようになるだろう。

こうした必須の目標は、民主党や二大政党制度そのものと断固決別し、大規模な社会主義運動の構築により独自に労働者階級を動員することによってのみ実現可能だろう。

ビル・ヴァン・オーケンによるGlobal Research記事


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免責条項:この記事の意見は著書独自のものであり、必ずしもCentre for Research on Globalizationの意見を反映するものではありません。

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補足:Wikipediaからの抜粋

ビル・ヴァン・オーケンは、Socialist Equality Partyの政治家、活動家。

Socialist Equality Partyは、アメリカの小さなトロツキスト政治政党で、International Committe of the Fourth International系の世界各地の数少ないSocialist Equality Partyの一つ。

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katuteさんから、人名ウルフ、ウォルフのゆらぎをご指摘を頂いたので、とりあえずウルフに統一した。katuteさんに感謝。

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オバマの偽りの希望:なぜ私はオバマに投票しないか

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2008年2月 9日 (土)

オバマの偽りの希望:なぜ私はオバマに投票しないか

レミ・カナジ

Global Research、2008年2月4日

人は一体どの時点で、二つの悪のうちの、ましなほうを支持するのを辞めるのだろう? この疑問はこの予備選挙戦で、とりわけ重要になった。ある人物が、表向きは、主流政治の悪を打破し、希望と変化に基づいた公約を造り出して、政治的なスターの地位についたためだ。この卓越した人物とは、大統領候補者バラク・オバマだ。

実質的な政策を求めて、オバマの政治上の見せかけの態度をこつこつと分析し始めて、私は大変な結論に至った。つまり、バラク・オバマには投票すべきでない数多くの理由があるのだ。特にアラブ系アメリカ人コミュニティ内の人々にとって。

オバマ上院議員は反戦ではなく、中東における軍国主義に対する適切な代替案を心から求めているわけでもない。アラブ系アメリカ人や左派と目される人々は、無邪気に、また時には故意に、彼が侵略、爆撃、そして今も続いているアフガニスタン占領の熱心な支持者であるという真実を見落としている。彼の見解が、アフガニスタンに再び関心を向けさせたい熱望という民主党の公約と合致していることも忘れてはならない。そのような公約は追加部隊を配備し、財政支援を増やすというオバマの計画と良く合うが、イラクの場合と同様、アフガニスタン民間人の苦闘を深めるだけにすぎない。オバマはレバノン戦争(イスラエル軍が何百人ものレバノン人民間人を殺害し、何万発ものアメリカ製クラスター爆弾で、民間インフラストラクチャーを破壊したにもかかわらず)に全面的に賛成し、民主党の今の競争相手ヒラリー・クリントンと同じぐらい、親イスラエル的言辞を強調した。ほぼ全員の他候補と同様、オバマはイスラエルの40年間にわたるパレスチナ占領に全面的に賛成で、ガザ封鎖を従順に是認した。驚くべきことに、これがかつてはパレスチナ・コミュニティの著名なメンバーの顔色をうかがい、エドワード・サイードが基調講演者となったコミュニティの募金運動に参加し、ラシド・ハリディとシカゴで夕食をともにし、州議会議員時代には、アリ・アブミナから称賛された政治家なのだ。不法滞在者、愛国者法、ゲイの人権、およびその他様々な国内問題に対する、弱腰姿勢を反映する、彼の国内的右寄り路線への転換は生々しいほど明らかだ。

オバマは5年前、イラク戦争に対する反対を表明したが、彼の「勇気」は、それが政治的野心にほとんど影響しない時期に発揮されたのだ。上院議員となってからは、彼はおよそ3000億ドルの戦費に賛成投票したし、もしも大統領に選ばれれば、更に何十億ドルも割り当て続けよう。オバマは既に、自分は「必要な時にはタフになれる」タイプの指導者であると立証しようとして海外政策でタカ派になれる能力を強調している(例えば「意思決定に必要な詳細が得られる諜報情報」があれば、パキスタンを爆撃するという彼の著名な宣言)。

911以後、海外問題の経験不足は、全民主党議員にとって泣き所になっている。候補者が、共和党の競争相手に対し、自分の力量を示そうとする時に、これ以上苦労する分野はない。アミール・ペレツのイスラエル国防大臣としての出世を見れば十分だ。彼は大臣の座につくまでは、イスラエルによる占領に反対する有名な左翼だった。胆力を誇示することで、イスラエル国民の中で自らを確立しようとして、レバノンの破壊を支持し、決定を右翼の活動家であるかのように熱心に擁護した。オバマは経験不足から、就任初年度、全ての民主党議員や大半の共和党議員がそうなるだろうと同じ様に、イラクの軍事占領を制御する能力は限定されよう。更に、中間選挙キャンペーンではうまく紛れ込んだ、彼の曖昧な段階的撤退の説明に対する期待は、主流アメリカ政治の力学と、議会の混乱を無視している。下院でも上院でも、民主党も共和党も議席を減らすわけにはゆかないのだ。これこそが、選挙の年には、ほとんど何事も達成されない理由だ。2006年中間選挙後、撤退が「目前に迫った」時に生じた興奮を思い出すことが、潜在的有権者には役立つかもしれない。連邦議会で大公聴会が行われると断言され、説明責任が未来の波であると宣言された。予想通り、キャンペーンが説明責任に取って代わり、イラク国民は生きるか死ぬかの瀬戸際におかれたままだった。究極的に、2010年の選挙前に、イラクから撤退することができるような有力候補者などいない。

一般大衆が抱いているイメージとは逆に、オバマは人道主義者ではない。イラクの戦争解決の責任を、常に彼はイラク国民だけのせいにしており、違法な侵略と占領に対するアメリカの責任を許している。イラク国民の持続可能な未来も、賠償金に対する彼等の権利も、彼は支持していない。というより、彼は主として、アメリカの財政的、軍事的負担を緩和する為に、戦争の終局的な終結を支持しているのだ。彼の立場は、イラクに対する人道的な対応と、軍事的な対応との間の深い相違の例証であり、後者はイラク民間人に対し劇的な悪影響をもたらす。しかも、アメリカのキャンペーンにはほとんど配慮せず、イラク人の窮状はイラク人自身の責任だと、オバマは真っ向から責めている。イラク人が自分たちの独力で前進することや、デモクラシーを受け入れることを拒否しているという絶え間ないスローガンは、単純な現実を無視している。そんなものはそもそも彼等に提示されはしなかったし、インフラストラクチャー上、あるいは経済的に、イラクを再建しようとする真面目な試みもありはしなかった。

アラブ系アメリカ人は、間違えてはならない。ボビー・ケネディばりの修辞とカリスマ的な演説がいかに魅力的であろうと、もしも私たちのコミュニティーが、現状を黙認し続けるのであれば、現状は決して変わらない。私たちは、同様な課題に直面している他集団(つまり、ラテン系やアフリカ系アメリカ人コミュニティー)との揺るぎない連携を築き始めるべきだ。さもなければ、私たちのわずかな票数は、選挙時に利用されるだけのものでしかない。不幸なことに、組織的作業と対外活動は、まだ初期段階にある。私たちを代弁すると自称する多くの組織は、体制の一部となっており、結果的に有権者からその正当な要求をはぎ取ることになる。更に、私たちのコミュニティーは、総選挙の為の政治に没頭してしまい、私たちが最も影響力を行使できる、州や地方レベルでの活動に十分に集中していない。バラク・オバマは、マイク・ハッカビーよりは、私たちの懸案事項をより支援してくれるかも知れないが、もし私たちのコミュニティーが、私たちの窮状(さらに他の少数民族集団の窮状)を認識しないような候補者の支持を始めてしまえば、アメリカ国内の私たちのコミュニティーや海外の家族が、その候補者を支持したことで苦しむのだ。

一つの疑問が残っている。生き残る可能性がある候補者のうちの誰が、最後まで残るのだろうか? 不幸なことに、現在の力では、私たちの投票の力は実行可能な影響を与えるほどには強くはない。見込みのある候補者に接触するのは有効かもしれないが、それは様々な懸案事項について、私たちがどのような立場にあるのかを徹底的に全参加者に周知する計画と結びついていることが必要だ。私たちの関心事を理解するのを拒否するような候補者を熱心に推薦するのは、基本的に欠点のある方法だ。もしも制度が壊れていて、ワシントンの政治のゲームが腐敗しているのであれば、そこで力足らずのまま戦っても、その制度を強化するばかりだ。否定的に物事を見る人は、私たちの投票は、激戦州でこそ価値があると主張する。だが、もしもそれが本当であれば、私たちの票は無視されるのではなく、切望されるはずだ。我々の票としては最大の有権者が揃う場である、ミシガンでのアラブ系アメリカ人研究所の「全国指導者会議」に、どちらの側の、残る可能性がある候補者もわざわざ出向きはしなかった。

私たちの現在の窮状は、二大政党制度の限界を強調している。小さな声は力を持てないのだ。アラブ系アメリカ人コミュニティーの為のより良い未来を作り、アラブ世界に対する政策に対して前向きな影響をもたらす唯一の方法は、自己投資をして、より小さな声をまとめ、効果的に社会を変えるような連合の形成を始めることだ。この方法によって、私たちは、盲目的に主義に従うことなく、合法的に力を得ることが可能となる。より良い未来を望むだけではいけない。それに向けて努力をしなければならないのだが、残念ながら、バラク・オバマや他の主な候補者達が吐き出す中身のない美辞麗句は、問題を永遠に凝固させてしまうことにしか役立たない。そこで、いざ投票だ! ただし、良心に顧みて、そして、私たちのコミュニティーにとって意味があるような形で、投票して欲しい。

レミ・カナジはニューヨーク市に住むパレスチナ系アメリカ人の詩人・作家。彼はwww.PoeticInjustice.netの共同創立者で、近刊の詩選集Poets for Palestineの編者。彼にはremroum@gmail.comで連絡できる。

レミ・カナジはGlobal Researchの常連寄稿者である。レミ・カナジによるGlobal Research記事


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